古賀志山

天気:
メンバー:T
行程:南駐車場 8:20 …瀧神社 8:55 …御嶽山(560m) 9:30〜9:40 …古賀志山(583m) 9:55〜10:25 …岩下道分岐 10:40 …南駐車場 11:30
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

5月は多忙と週末の天気の不調が続いて、山歩きの間隔が空いた。ようやく仕事が一段落ついたので、この週末はひと月振りに山歩きに出かけることにする。そろそろ高山にも登りたい季節だが、予報では天気がイマイチな感じなので軽く低山を歩くことにし、古賀志山の南面を周回して、滝や岩壁を眺めてきました。

桐生を車で出発。東北道を鹿沼ICで降り、古賀志山南麓の南駐車場に向かう。南駐車場(現地の標識は南登山道駐車場)は山間に三段に分かれて計40台程のスペースがある。簡易WCあり。既に8時を過ぎているが、まだ5台程しか駐車がなくて空いている。外に出ると空気は冷たいが良く晴れていて、すぐに暑くなりそうだ。Tシャツ1枚で歩き出す。


南駐車場


右の山道に入る

南駐車場から車道を上ると、すぐに斜め右へ杉林に分け入る山道があり、これを辿る。道端に大きな石碑や石鳥居があるから、古からの参道だろう。左手には並行して車道が通じている。林間にはコアジサイの群落が瑞々しい葉っぱを繁らせ、薄紫の花が見頃で、なかなか良い雰囲気。久し振りの山歩きはやはり気分が良いなあ。ゆるゆると登る。


道端に大きな石碑


石鳥居を潜る


林内の山道を辿る


コアジサイ

林道古賀志線を横断すると、傾斜は緩いが木の階段が整備された堀割状の道を一直線に登る。Y字の分岐があり、左に沢沿いの道を分けて、右の階段道を進む。やがて行く手に杉木立を透かして岩壁が見えてくる。右に御嶽山への登山道を分け、左の沢沿いの道を上がる。注連縄と「奉納瀧大権現御…」と刻まれて苔むした石柱を過ぎ、岩壁の基部に着く。


林道古賀志線を横断


右の道に入る


緩い木階段の道を辿る


行く手に岩壁が見えてくる

谷間の広場を囲むように岩壁が聳え、半洞窟の中、覆屋の屋根の下に大きな朱塗りの社が祀られている。これが瀧神社だ。左脇のオーバーハングした岩壁の上から、細々と水が落ちている。水量はないが高く威圧的で、見応えがある。左方の岩壁ではロッククライミング中。広場ではちょいワル系二人組おやじさんが休憩中で、彼らもクライマーのようだ。瀧神社の説明板によると、天仁元(1108)年に日光山瀧尾権現を勧請したのが始まり(諸説あり)で、明治の神仏分離令で瀧大権現から瀧神社に改められた、とのことである。


男瀧と瀧神社


男瀧の落口を見上げる

瀧神社から右手へ、ゴツゴツした岩壁を見上げつつ御嶽山に向かう。杉林に覆われた水流のない谷間に入り、転石を踏んで坂道を登る。小さくジグザグを切って登って行くと、左手に再び岩壁が現れる。岩壁の基部に沿って踏み跡を登ると、小岩窟に「記念 中興開山米山治平翁之碑」の石碑が建つ。側面には「明治四十三(1910)年三月發見 大正六年一月宇都宮三寶講建立」の銘がある。ここがアルマヤ堂らしい(少し先に標識がある)。アルマヤと言えば、木曽御嶽山に登った際、そんな名前のピークを踏んだことがある。


岩壁を見上げて御嶽山に向かう


御嶽山への登り


アルマヤ堂の石碑


アルマヤ堂の岩窟

アルマヤ堂からひと登りで、御嶽山〜古賀志山の縦走路の巻道に合流する。まずは縦走路を左(西)へ、御嶽山に向かう。小さな岩場を鉄梯子で越えると、数組のハイカーさんが憩う御嶽山の頂上に着く。


縦走路(巻道)に合流


御嶽山手前の鉄梯子

御嶽山に登るのは3年振り3回目。前回は馬蹄形コースを歩いて、とても楽しめた。ここからの展望も印象に残っている。季節柄、遠方は靄っていて、日光連山は雲の中だ。西には赤岩山へ主稜線が続き、その向こうに二股山かまど倉羽賀場山の山影が認められる。


御嶽山頂上


御嶽山から赤岩山を望む

北には馬蹄形コース北辺の鳥屋山、その向こうには笹目倉山〜鶏鳴山の山塊が眺められる。目を右に転じると、御嶽山と古賀志山の中間から北に派生した急峻な岩稜を、ヘルメットを着用したソロハイカーさんがフリーで登攀中なのが見える。凄い所を登っているなあ(後日調べると子マラ尾根というらしい)。その向こうにもいくつか小岩稜があり、班根石山の西にも岩稜がある。興味が湧く。


日光連山は雲の中


御嶽山から班根石山を望む

少し休憩したのち、古賀志山に向かう。巻道ではなく、稜線上の縦走路を進むと、鎖を手摺にした岩場のトラバースがある。ま、大したことはない。岩場を抜けると右に南登山道を分ける。この分岐の道標には南登山道の他、猪落(ししおとし)や古賀志山大神〜対面岩のコースの案内があり、興味を惹かれる。


縦走路途中の岩場


南登山道分岐

樹林に覆われたなだらかな稜線を辿ると古賀志山の頂上に着く。展望は乏しく、南麓の一部が見えるだけだが、たくさんベンチがあって休憩適地。外国の方のグループも含めて大勢のハイカーさんが休憩中。まだ10時と早いが昼食休憩にする。ベンチに腰掛けてお湯を沸かし、カップヌードル味噌を食べる。陽射しが強く、5月末とは思えない暑さになってきた(この日の鹿沼の最高気温は26.6℃)。


古賀志山頂上


古賀志山から南麓を俯瞰

昼食後、サクッと下山にかかる。縦走路を少し戻って、南登山道を下り始める。急斜面に階段道がジグザグに付けられて、良く整備されている。


南階段コース分岐まで戻る


急な階段道を下る

途中、登山道の真ん中に大岩が鎮座ましましている。これは事前に調べたネット情報(古賀志山を守ろう会のお知らせ)によると2018年12月に発生した落石で、このGW中にも同じ場所で落石があったらしい。このすぐ先で年配の方のグループがのんびり休憩中😨…

さらに下ると広大な伐採跡地の斜面に出て、山麓の展望が開ける。歩く予定の古賀志林道も俯瞰できるが、単調で暑そう。道標があり、右へ岩下道が分岐する。その名の通り、南面の岩壁を間近に仰ぎながら伐採地をトラバースする道で、こっちの方が面白そうだ。


登山道上の落石


岩下道に入る

予定から変更して岩下道に入る。小尾根を回ると猪落の岩壁が聳える。樹林が伐採されてまるっと眺められ、なかなか素晴らしい。


岩下道から山麓と多気山を望む


猪落を仰ぐ

猪落の岩壁の下を回ると、右のルンゼへ登る踏み跡が分岐する。分岐から少し登ってみると鎖が設置されている。これが対面岩コースらしい。トラバース道に戻って進む。見上げる岩壁の上が古賀志山大神のピークだろうか。振り返ると、猪落の岩峰が聳り立つ。低山の岩場なのでスケールは小さいが、実に険しくて侮れない。


対面岩コース分岐


伐採地をトラバース


猪落の岩峰を振り返る


古賀志山大神の岩峰を仰ぐ

岩壁が眺められるトラバース道の区間は短く、程なく杉林に入る。しかし、面白かったな。猪落と対面岩コースは機会を作って歩きたい。杉林に覆われた山腹を巻いて行くと、木立を透かして男瀧周辺の岩壁が見えてくる。瀧神社には立ち寄らず、沢沿いの道を下る。途中、水場がある。暑くて喉が渇いてきたところだったで、丁度良い所にあった。


杉林に入る


男瀧付近の岩壁が見えてきた


沢沿いの道を下る


途中の水場

さらに下ると車道終点の広場に出る。ここも駐車可能かな。車はない。ここには古賀志神社、御嶽山神社、湯殿山神社の3基の新しいめの石祠が合祀されている。傍に「古賀志温泉(鉱泉)」の説明板がある。それによると石祠の裏手が温泉跡で、鉄分の多い鉱泉を引き、明治の一時期、二階建ての湯屋で営業していた、とのこと。


古賀志温泉跡に合祀された祠


車道を下って南駐車場に着く

後は車道をのんびり下って、南駐車場に戻る。駐車場の車は増えていたが、まだまだ余裕がある。3時間ちょっとのごく短い山歩きで、午後もそこそこ天気が保ちそうだからもう少し歩けたかもだが、変化に富んだコースで結構満足したから、良しとしよう。早い時間帯でガラガラの鹿沼華ゆらりに日帰り入浴で立ち寄ったのち、桐生への帰途についた。