白葉峠〜仙人ヶ岳
先月末、ヤシオ山にアカヤシオを見に行ったとき、山中で知人のWさん、Tさんにパッタリ遭遇し、ヤシオ山から御嶽山、高萩山まで同行して歩いた。その御二方から、次は白葉(しらっぱ)峠から仙人ヶ岳、前仙人ヶ岳に登りたい、とのリクエストを頂き、もう一人、Oさんの参加も得て、この週末にご案内して歩く計画を立てた。
当日の朝、風はちょっと冷たいが、天気は快晴で絶好の山歩き日和である。ウキウキして自宅から待ち合わせ場所へ出発しようとすると、Tさん発のメールを受信。なーんと、Oさんが乗って来るはずの両毛線が、早朝に発生した踏切事故のためストップしているとのこと。復旧の見通しが立たず、結局、Oさんは不参加となる😭😭😭😭
残念至極だが、気を取り直して、三人で予定通りに歩くことにする。私の車で乗り合わせて白葉峠に向かい、峠の広い路側に車を置く。ヤシオ山のアカヤシオの時期は過ぎているので、ここから登るハイカーさんもいなくなって、他の車はない。
白葉峠から高萩山までは、前回、W&Tさんと一緒に歩いた。しかし、2週間の間に季節は大きく進んで新緑の色が深まり、あちこちでヤマツツジの赤い花とアオダモの白い花が咲いている。高萩山の頂上からの眺めも、周囲の山々の緑が鮮やかになり、快晴で澄んだ青空と相俟って、前回とは全く違った景色に見える。
高萩山から先はW&Tさんは初めて。私は最近では4年前に逆ルートで歩いている(山行記録)。新緑とヤマツツジの群落の中を緩く下る。下り着いた鞍部には新しい作業道が通じていて、山道が一時途切れる。
山道に戻って杉植林帯の急坂を登り、「標高点399m」の標識のある頂を越える。右斜面は伐採地となって展望が開け、石尊山や振り返って高萩山が眺められる。どこも新緑が綺麗で、感嘆する。
一色展望台への分岐に近づくと、右手の枝尾根の上にちょっとした岩峰があることに気が付く。あの天辺には、何かありそうな予感。
焼け焦げた木がポツポツと残る伐採地の縁を進み、短い急坂を登ると、一色展望台分岐の小ピークに着く。ここで左に分岐する尾根道は、小友沢の頭、一色展望台を経て、雷電山やでんべい山に至る。
仙人ヶ岳に向かうと2014年4月の山林火災の跡地に入り、低山とは思えない開けっ広げな景観が展開する。この辺りは、山火事前は杉植林に覆われて展望に乏しい地味ルートだった。焼け焦げた木は大体片付けられて、防獣ネットで囲われた斜面に苗木が植林されている。黒川に面した斜面は、ほぼ全面が山火事跡地だ。縦横に作業道が走り、ゆっくり移動中のバックホーのカラカラという走行音が風に乗って聞こえてくる。
小さなアップダウンを経て、荒倉山の頂上に登り着く。ここは山火事の以前から仙人ヶ岳の眺めが良かった。黒川を俯瞰すると、谷間に黒川ダムの湖面が小さく光り、さらに観音山や吾妻山、桐生市街を一望する。
荒倉山から小ピークをいくつか越えると、前仙人ヶ岳と仙人ヶ岳を結ぶ主稜線の中間点に登り着く。まず、仙人ヶ岳に向かう。南には深高山〜石尊山の平坦な稜線が横たわる。北側の斜面には終盤のアカヤシオが咲いていて、中には珍しい白花もある。
仙人ヶ岳への主稜線上の道は、直線距離はさほど遠くに見えないが、露岩の多い小ピークをいくつか越えるので、意外と歩きでがある。明るい雑木林の尾根となると、仙人ヶ岳の頂上は近い。頂上では、大勢のハイカーさんがあちこちで思い思いに休憩中。北面の木立の間から雪が消えた袈裟丸山と皇海山が見えるくらいで、頂上は展望に乏しいので、山名標識の前で記念撮影をしたのち、前仙人ヶ岳に向かう。
主稜線を戻り、再び山火事跡地に出ると、樹林がモヒカン状に残る前仙人ヶ岳が行く手に見通せる。白葉峠分岐を過ぎ、最後に急坂を上がると前仙人ヶ岳の頂上に着く。頂上からの南面の展望は、相変わらず広闊で素晴らしい。今日は風が冷たくて、大気がキリッと澄んでいる分、遠目が効く。
風を避け、山頂から北側に少し降りたところで大休止して、昼食とする。まずは缶ビールで乾杯🍻。今回、W&Tさんが持ってきた缶ビールは計8本(^^;)。私は帰りに車の運転があるので、1本だけ頂いて飲む。それから、お湯を沸かして、各自カップ麺を作る。私は先週に続いて横浜もやしそばだ。
昼食後、下山にかかり、雨降山、一色山を経由して泉龍院に下る。このルートは、昨年7月に歩いている(山行記録)ので、ガイドは簡潔に記す。
山火事跡から離れて、杉植林帯を緩く下る。途中、「茂倉・八幡山神社下り口 515m」の道標があり、八幡神社への山道を右に分ける。このルートも昨年7月に歩いた(山行記録)。この先で小休止すると、W&Tさんは缶ビールを取り出して、満面の笑みで乾杯したのち、飲み出した(^^;)
この後、男坂の急坂は避けて、女坂を下る。366m三角点標石を過ぎ、右に山道を分ける地点に「愛宕神社・桐女 小松橋 下り口」「雨降山390m」の新しい標識がある。このすぐ先が金葛歩道終点で、丸太ベンチと「雨降山385m」「展望台」の標識がある。
あとは稜線上の歩道を辿る。最近、刈り払いされたようで、整備の手が入っている。展望の丘の東屋で大休止して、40分程、四方山話で盛り上がる。それから一色山の寝釈迦を経由して、泉龍院駐車場に下る。
菱町の住宅地を抜け、住吉峠を越えて小友川沿いの道に出たところで、歩いて帰宅するW&Tさんと別れる。桐生近辺でも歩き応えのあるルートを踏破した上、今日は新緑が綺麗で好天と展望にも恵まれたから、御二方には大変ご満足頂けたようである。それから白葉峠に上がって車を回収し、自宅に帰った。