小俣城山〜ヤシオ山〜御嶽山〜高萩山
今年もアカヤシオの花の季節がやって来た。ネット情報によると、ヤシオ山のアカヤシオが早くも満開とのこと。前回、2017年にヤシオ山にアカヤシオを見に行ったときは、4月9日に出かけて満開だったから、2週間早い。仙人ヶ岳のアカヤシオも咲き始めているという情報があるので、鈍った足のリハビリも兼ねて、ヤシオ山→仙人ヶ岳→石尊山と周回するロングコースを歩く予定で出かけましたが、途中で思いがけない出会いがあって予定を変更し、仙人ヶ岳まで行かずに宴会をやって帰って来ました。
桐生の自宅を朝のんびり車で出発。自宅前の桜は満開で、ここから見えるガッチン山から観音山にかけての稜線も、鮮やかな新緑が芽吹いている。県道小俣桐生線、名草小俣線を経由して、叶花(かのうけ)集会所の登山者用駐車場に向かう。
叶花集会所に到着してビックリ。広い駐車場は県内と近県のナンバーの車で満杯となっている。県道の向かいの広い路側にも駐車があり、そちらに車を置く。みんな、アカヤシオが目当てのハイカーさんの車だ。
石尊山やヤシオ山へは県道を北に向かうが、今日は足利百名山(以下、足百)の正頂山を訪ねることも目的に加えているので、すぐ脇にある春日神社に参拝したのち、県道を他のハイカーさんとは逆方向の南に向かう。
今日は良く晴れて暖かい。周囲の山々はもう新緑が稜線まで駆け上がっていて、春爛漫の風情。ただし、石尊山南麓の採石場・工場に向かう大型ダンプが県道をひっきりなしに往来し、その点はちょっと興趣が削がれる。
小俣川に架かる宝珠坊橋を渡り、橋の袂からすぐ右手の山裾に取り付く。登り口には大きな石塔があり、銘は風化しているが「橋供養塔」と読める。橋供養塔は私は初めて見るが、後日調べると、埼玉県を中心に関東一円にあるらしい。
このコースは結構歩かれているようで、登り口から明瞭な道型が通じている。林内には常緑樹が多く、椿が咲いている。笹がぽさぽさと生えているが藪はなく、枝尾根上を快適に一直線に登る。途中から左斜面が広く伐採されていて、南麓の鶏足寺や集落、遠くに広沢丘陵が眺められる。
やがて露岩が点在するザレた尾根の登りとなり、小さな瘤を通過。この辺りが正頂山の頂上のようだ。ネット情報によると、頂上には石祠や足百の山名標識があるはずなのだが、見落としたらしく気づかなかった。
左前方に城山の頂上を眺めながら、岩と松が混じる平坦な尾根を辿る。城山の山腹はほんわかと新緑に覆われて、ピンクの山桜が点々と咲いている。短い坂を上がると城山の肩で、城山と御嶽山(おんたけやま)、別名、姥穴(うばな)山を結ぶ山道に合流する。
分岐点から城山までは僅かな距離なので、立ち寄って行こう。最後に数本の空堀を越えると、平坦で広い城山(小俣城址)の頂上に着く。ここに来たのは2017年4月以来、二度目。2、3組のハイカーさんが思い思いの場所で休憩している。山頂の石祠の横には「足利百名山 第18座 城山」の標識がある。
城山から宝珠坊橋分岐に戻り、ヤシオ山に向かう。新緑が芽吹き始めた尾根を下り、鞍部で叶花から登って来た道を合わせる。途中、数組のハイカーさんと交差する。
ゆるゆると登って、アカヤシオ咲く平坦な頂に着く。この辺り一帯がヤシオ山だ。ネットの情報通り既に満開。ちょっと散り始めているだが、見事だ。シーズン最初に見るアカヤシオは、季節の移り変わりが感じられて、やはり格別である。頂上を東に進むと、アカヤシオはないがミツバツツジの類があり、蕾が膨らんでいる。
ヤシオ山から稜線を西へ向かう。小さな岩尾根を登ると烏ヶ寝処(からすがねど)の小ピークで、振り返ると石尊山、行く手には御嶽山の眺めが良い。御嶽山は前回登っているし、頂上直下が急登、仙人ヶ岳まで先は長いので、今回は割愛するつもりである。
烏ヶ寝処を越えた辺りで二人組のハイカーさんに出会う。マスクをされているので一瞬、気が付かなかったが、なんと御二方は同じ職場で良く知った方。しかし、お互いに山歩きをしているとは知らなかった。奇遇である。今日は桐生郊外のご自宅から歩いてきて、白葉(しらっぱ)峠経由で御嶽山に登りに来られたとのこと。あれ、御嶽山は方向が違いますが、でも、ここまで来たらヤシオ山のアカヤシオは見て行った方が良いですよ。
という話になって、同行してヤシオ山に戻る。仙人ヶ岳や鳴神山は登ったことがあるが、アカヤシオは初めて見たそうだ。
続いて、御嶽山にも同行。分岐点には御嶽山への道標がなく、見過ごしたらしい。御嶽山に向かう途中でご夫婦のハイカーさんと交差する。こちらは逆で、ヤシオ山に向かうつもりが間違って御嶽山に登ったとのこと。分岐点には道標があった方が良さそうだ。
急登を経て御嶽山の頂上に到着。頂上の石祠と石像は御嶽信仰のもので、頂上から南に落ちる尾根上にも多数の宗教的石像物がある(山行記録)。ここで昼食とする。御二方は缶ビールを8本も持ってきていて、宴会をやる気満々(^^;)。私も自前で1本持って来ているが、エビスの御相伴に与る。なんだかんだと話をして、頂上で1時間半程過ごす。
その後、白葉峠に下り、県境稜線を高萩山まで登る。高萩山の頂上は、南西方向の斜面が伐採されて、桐生市街の眺めが開ける。御二方も県境稜線を歩いて仙人ヶ岳まで登ってみたいとのことであるが、時刻はもう14時半で、仙人ヶ岳までは2〜3時間かかるから、今日はここまでとする。この先は次の機会と言うことで。
白葉峠に戻り、桐生側に下る御二方と別れて、小俣側に下る。小俣川沿いの県道に出ると、山桜やハナダイコンなどが花盛りだ。あとは県道をのんびり歩いて叶花集会所に戻る。途中の石尊山登山口は、車両の侵入・駐車が禁止されている。叶花集会所は大半の車が帰った後で、ガランとして静まり返っていた。