前仙人ヶ岳
この週末の日曜日も晴れそうだ。午前中に宅配便の受け取りを時間帯指定していて、それを待ったら11時近くとなった。あまり時間がないので、今週も手軽な地元の山ということで、先週、前仙人ヶ岳(通称。地元名、仙ヶ沢)に登ったときにちょっと気になった北尾根を歩いてみることにする。北尾根は以前、塩宮神社→前仙人ヶ岳→八幡神社と周回した際に歩いたことがある(山行記録)ので、今回は逆コースで歩くことにして、先週に続いて前仙人ヶ岳に出かけてきました。
登り口の八幡神社までは、自宅から車で10分だ。以前の山行では、少し先の不動明王の近くの小滝の前の駐車スペースに車を置いたが、行ってみると長雨で酷い泥濘になっているので、その手前の茂倉沢(もぐらざわ)出合近くの路側スペースに車を置く。八幡神社へは歩いて車道を少し戻る。鳴神山稜の大形山の上には青空が広がり、夏らしい白い雲が浮かんでいる。
その途中、桐生養護学校跡の前を通る。ここの校庭で生徒が遊ぶ姿を見た記憶があるのだが、今は校門は閉ざされて、敷地内には草藪が蔓延っている。後日調べると、学校は2011年に菱町に移転したそうだ。するとあの記憶は9年以上前のものだったのか。そんなに昔とは思わなかった。月日が経つのは早い…。
八幡神社から山に入る。この神社も石段は苔むし、境内には丈の低い草藪が広がって、参拝する人は稀なようだ。社殿の左脇から裏手の山道に取り付く。左には小沢が流れ、奥には小滝がかかっていて、見た目は涼し気。しかし、今日は風がなく、湿度が高くて蒸し暑い。すぐに石灯籠や石祠があり、そこから小尾根の上の明瞭な踏み跡を辿る。
緩やかな尾根を登ると小ピークに着く。ここから道型が薄くなるが、藪はなく歩き易い。植林帯に入ると風通しが良くなり、蒸し暑さが和らぐ。正午をだいぶ回ったので、風が涼しい所で腰をおろして、パンの昼食を摂る。
昼食を終え、さらに尾根を登る。道型が断続し、藪はない。小さな岩場を越えると傾斜が強まって、露岩の多い尾根を急登する。やがて主稜線に登り着いて、観音山〜前仙人ヶ岳の山道に合流する。あとは前仙人ヶ岳まで、先週と同じ道を歩く。今日は湿気が多く、遠景は靄の向こうだ。
2周連続で前仙人ヶ岳の頂に立つ。陽射しが強いが、木陰に入ると涼しい。南面に開けた展望はやはり楽しめる。少し下の草藪の中にキイチゴの実がたくさん生っているのを見つける。藪の中のトゲに注意して近づき、赤く綺麗な実の写真を撮ったのち、美味しく頂く。
頂上には北尾根を指して「北 塩宮神社」という比較的新しい道標が立っている。先週、この道標を見たことがきっかけで北尾根を思い出し、また歩きたくなって、再訪した次第。
北尾根に入ると自然林が広がり、600m級の低山とは思えない奥山の雰囲気がある。山火事によるものか、樹林が疎らな個所があり、右手に仙人ヶ岳を望むことができる。また左手には深い緑に覆われた茂倉沢の谷を俯瞰する。
露岩に木の根が這う小さな瘤を越えると、アカマツが点在するザレた細尾根となる。すぐに小さな岩場があり、左に紹石山神の石祠がある。かつて、この下に「つなぎ石」という奇岩があったのだが、2011年の大震災で崩落して、今は跡形もない。
緑が綺麗な尾根を辿る。桐生市基準点№102を過ぎると広くなだらかな尾根の下りとなる。植林帯に入ると明瞭な踏み跡が現れる。快適な下りで、足任せで尾根筋を辿っていくうちに、実は塩宮神社へ下る尾根から外れて北西の尾根に入り込んでいた。
桐生市基準点№104の辺りでふと気になってGPSで確認し、下る尾根を間違えていることが発覚。もう麓が近いので、このまま下ることにする。尾根の末端は車道に面して高い法面が続くので、左に折れて植林帯の緩斜面を下る。
最後はあっさり茂倉沢に下り着き、沢を跨いで対岸の作業道に這い上がる。沢沿いに作業道を下り、車道に出れば駐車地点までは直ぐの距離であった。
下山でルートを間違えたが、初めての尾根が歩けたし、ショートカットにもなったので、結果オーライということにしよう(^^)。軽い山歩きではあったが、先週よりは疲れもなくて、リハビリの効果を感じつつ帰宅した。