前仙人ヶ岳
この週末も近場の気になるスポット探訪、えーと第5弾かな。仙人ヶ岳北西のまだ歩いたことのない二つの尾根を結んで周回し、いろいろなHPで写真を見ていてとても興味を引かれていた奇岩・つなぎ石を訪ねて来ました。
桐生川左岸の道を車で塩之瀬に向かう。この道は途中の崖崩れのため、一部の区間が長い間、不通になっていたが、現在は通行できる。下山口の予定の八幡神社を過ぎ、不動明王の近くの小滝の前に車を置いて、登山口の塩之宮神社まで短い距離を歩く。
塩之宮神社の裏手から杉林の中に明瞭な山道が続いている。「やまの町桐生」の橋木山の記録によると、昔、橋の建設のためにこの山から木を切り出したそうなので、そのときの道なのかも知れない。
石垣の上に鎮座する石祠を過ぎ、掘割のように切り込まれたジグザグの道を登ると、標高424.4mの三角点に着く。「424.4m R.K」と書かれた標識が杉の木に括り付けられていた。
この辺りから道は踏み跡になるが、はっきりしている。冬枯れの雑木林に陽射しが差し込んで明るく、なかなか良い道だ。小さな石祠を過ぎるとちょっと急な登りとなり、桐生市基準点No.102を見る。展望はないが、左手の木の間に仙人ヶ岳付近の小ピークを連ねた稜線が見える。
松の木が立ち並ぶ痩せた尾根となり、小さな登降を繰り返すと、すぐ右の斜面につなぎ石が現れた。斜面に接している部分は僅かで、触れば落ちそうな微妙なバランスの上に巨石が鎮座ましましている。写真では見ていても、実物を拝むと感嘆。その傍らには、つなぎ石と共に山麓の里を見守るように、紹石山神の石祠がちょこなんと置かれていた。
つなぎ石から雑木林の尾根道を登り、小さなピークをいくつか越えると、前仙人ヶ岳の頂上に到着した。今日は誰もいない。気温は高めだが風が強いので、缶ビールと昼食は止めにして、チョコレートを少し齧るだけにする。
下山は西に進んで、八幡神社に落ちる枝尾根(仮称:八幡尾根)をルートにとる予定だ。前仙人ヶ岳の頂上から「天神群大」と書かれた擦れかけた道標の方向に進み、一旦鞍部に下って登り返す。小ピークを越えたところで右手に大きな岩があることに気が付く。
この岩に登ってみると、桐生川の流域の眺めがすこぶる良く、桐生北部の吾妻山〜鳴神山〜根本山の稜線が遮ることなく眺められる。しかし、風も遮る物がなく吹き付けるので、岩の上に立つと吹き飛ばされそうになった。
八幡尾根の分岐点を地図で探しながら西へ稜線を辿る。尾根がTの字になって突き当たったところが、八幡尾根への下降点だ。最初は急な下りだが、やがて松と雑木の混じった緩い尾根となる。踏み跡はないが、この時期ならば藪はほとんどない。樹林に囲まれて展望は乏しいが、木漏れ日を浴びながら快適に歩ける。
小さなピークをいくつか越えると、行く手に電波中継局の白い建物が見える。そちらに続く尾根の分岐点を探して注意して進んだつもりが、いつの間にか過ぎて、気がつくと八幡山の付近から右手に中継局を見上げていた。
良く踏まれた山道が現れ、正面に大形山辺りの稜線を仰ぎ、眼下に桐生川を眺めながらちょっと急な尾根を下ると八幡神社の裏手に出た。ここにも菱町かるたの説明板があり、それによるとこの神社が建てられたのは元文4年(1739)というから結構古い。ここの句は「悠久の 平和を祈る 八幡宮」だ。八幡神社から木の葉が舞う車道を歩いて、車まで戻った。
参考URL:計画の際、「やまの町桐生」の橋木山と八幡山の記録や、「気ままな男の山歩き」の仙人ヶ岳の記録を参考にさせて頂きました。