中ノ岳

天気:
メンバー:T
行程:十字峡登山センター 5:30 …一合 6:00 …二合 6:40 …三合 7:15 …四合 7:45 …五合 8:30 …六合 9:05 …七合 9:30〜9:40 …八合 10:15 …九合 10:45 …中ノ岳(2085m) 11:10〜11:55 …九合 12:10 …八合 12:30 …七合 13:00 …六合 13:30 …五合 13:55〜14:05 …四合 14:35〜14:45 …三合 15:05〜15:10 …二合 15:30 …一合 16:05 …十字峡登山センター 16:40
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

8月に入り、猛暑が続く。ヤマテンによると、この日曜は新潟の山で快晴との予報。暑いので、新潟でなるべく高い山に登ろうと考えて、標高2085mの中ノ岳に十字峡から往復して登ることにする。同じコースは2005年に歩いたことがあり、山行記録を読み返すと登り4:20、下り3:10で踏破している。もういい年齢なので、同タイムでは歩けないだろうが、現在の脚力を試すには比較しやすくて良かろう。という訳で、出かけてきました。

深夜に雨がそぼ降る桐生を車で出発。関越道を走り、関越トンネルを抜けると雨は止み、巻機山や八海山の山影が東雲色の空に浮かぶ。予報通り、天気は上々。六日町ICで高速を降り、三国川上流へ。しゃくなげ湖北岸を走り、十字峡に到着。登山センターの駐車場に車を置く。既に駐車が1台。中の人はどちらの山に向かったのだろうか。

十字峡には2005年に中ノ岳に登ったあとも何度か来ていて、本谷山桑ノ木山丹後山〜大水上山ネコブ山〜下津川山に登っており、久し振りに来て懐かしい。


十字峡登山センター


中ノ岳登山道入口

パンとペットボトル飲料で朝食を済ませ、登山センターのWCを借りて出発。コンクリート法面の階段をジグザグに登って尾根の末端に取り付き、ブナ林に覆われた尾根道を一直線状に急登する。蜘蛛の巣によくひっかかるので、今日のこのコースでは私が先頭らしい。最近、雨が降っていないのか、路面の赤土はひび割れ、落ち葉はカラッカラに乾いている。前回はトレーニングのつもりでペースをあげてガシガシ登ったが、今回、それをやるのはちょっと無理。ゆっくり登る。尾根上は木陰で風が通り、涼しくて助かる。


ブナ林の尾根を急登


一合

やがて「一合」の石標を通過。この先の水場の標識はなくなったのか、見落とした。樹林が低くなって展望が開け、左手には黒又沢の深い谷の奥に八海山、右手には三国川本流の谷を隔てて茫洋と大きな銅倉尾根が眺められる。こんなに見晴しが良い道だったっけ。あまり記憶にないが、それだけに新鮮な眺めで、再訪して良かったと思える。


展望が開ける


黒又沢の奥に八海山を望む


茫洋とした銅倉尾根(右)を望む


見晴しの良い尾根を登る

傾斜の緩い鎖場を通過し、その次の岩場を鎖で越えると開けて平坦な二合に到着。小休止して水分を補給する。今日は水2ℓに加えて、 ペットボトルのスポーツ飲料1ℓ を持って来ている。行く手になだらかな円頂の日向山が現れ、頂に雨量計測所の建屋が小さく見えてそれと判る。あそこが五合でようやく登りの半分だから、先は長い。


鎖が架かる岩場


二合(千本松原)

二合からは松と岩を配して眺めが開けた尾根を辿る。なだらかな尾根の途中の三合を通過。高度が上がるに連れて、銅倉尾根上部のネコブ山や、上越国境の下津川山がせり上がって見え、銅倉尾根の右奥には遠くに巻機山が現れる。


松と岩の尾根を辿る


行く手に日向山が現れる


三合


日向山を仰ぐ


銅倉尾根と下津川山(左)
巻機山(右)を遠望


見晴しの良い尾根道が続く

見晴しの良い尾根道から、ブナ林の緑陰に入ると四合に着く。一休みしてじっとしていれば、風が通って涼める。

四合から長い登りとなる。樹林が低くなって低木帯に入ると、眼前にドーンと高く大きな中ノ岳が現れ、笹原が広がる五合に到着する。左手の高みに雨量計測所があり、笹の切り分け道が通じている。あそこが日向山の三角点だ。すぐ近くだが、ピークハントする気力が湧かない。中ノ岳を眺めつつ、しばし休憩。登りのゴールは見えた。さて、頑張って行くとしますか。


さらに尾根を登る


四合


一直線状に急登


五合(日向山)から中ノ岳を仰ぐ

五合から広くてなだらかな起伏の尾根となり、生姜畑と呼ばれる池や草原が点々と続く。前回はこの辺は厚い残雪に覆われていて、池は見ていない。こんなところだったんだなあ。池の周辺には赤トンボが群舞し、水辺の草にはヤゴの抜け殻がしがみついている。池の水は褐色に濁り、中には大きなオタマジャクシがうようよ。水温が高くて、ぐったりしているように見える。雨が降らないと水が干上がりそうで心配だ。


最初の池と中ノ岳


草原と中ノ岳


二つ目の池


ヤゴの抜け殻

池と草原巡りののちに緩く登って、1548m標高点の頂上付近に六合がある。一旦、小さく下り、小天上と呼ばれる円錐形の小鋭鋒に向かって低木帯の切り開き道を急登する。


三つ目の池


六合


小天上の鋭峰を目指して登る


七合(小天上)

登り着いた小天上の頂に七合の石標が横たわる。眼前には中ノ岳が間近に聳え、笹原の急斜面を一筋の切り開き道が頂上稜線に向かって通じているのが見える。左の谷筋には僅かだが雪が残る。中ノ岳の左奥には八海山、右に目を転じれば兎岳、丹後山、本谷山、下津川山の上越国境稜線が三国川源流域を取り囲み、さらには巻機山を遠望する。


七合から八海山を望む


七合から中ノ岳を仰ぐ


七合から兎岳〜丹後山を望む


七合から下津川山(左)と巻機山(右)を遠望

七合から頂上稜線に向かって急登する。斜面の途中の道端、笹が覆いかぶさるところに八合の標石がある。右斜面の谷底(コウガイ沢)を見おろすと雪渓があり、吹き上がってくる風が涼しい。笹原の急斜面を登って、ようやく九合の標石がある稜線の上に着く。稜線の向こう側の斜面には草原が広がり、ちょんと尖った頂きの荒沢岳が眺められる。


頂上稜線に向かって急登


八合


頂上稜線へ最後の急登


九合(池ノ段)

高山的な雰囲気のある稜線を辿って中ノ岳に向かう。稜線直下の草付き斜面をトラバースする区間では野山の花が咲いているが、接写しようしてザックを背負ったまま屈むと疲れる。写真は帰りに撮ろう。意外と登りがあり、九合から25分程かかって中ノ岳頂上に着く。疲れたー、やっと着いた。


中ノ岳へ稜線を登る


雪渓が残る滝沢と荒沢岳(左奥)


なだらかな稜線を辿る


中ノ岳頂上

頂上は360°の展望が開ける小平地で、小さな鳥居と石祠、三角点標石、展望盤がある。小さなベンチもあり、それに腰掛けて大休止。まずはさば味噌煮をつまみに缶ビールを開ける。🍺うめー。それから、あまり食欲はないが、カップヌードルカレーを食べて、エネルギーを補給する。ここまでハイカーさんには一人も合わなかったが、九合の方からソロハイカーさんが到着。丹後山経由で来たのかな。

昼食後、頂上からの展望をじっくり楽しむ。東から南にかけては、荒沢岳、兎岳、丹後山と山並みが続く。南西には登ってきた日向山の尾根を俯瞰する。いやー、よく登ってきたもんだ。西から北にかけては八海山、越後駒ヶ岳を望む。また、頂上の北の稜線上には中ノ岳避難小屋が見える。


兎岳〜丹後山の稜線を望む


登って来た日向山の尾根を俯瞰


八海山(右)を望む


中ノ岳避難小屋と越後駒ヶ岳

頂上でゆっくり休憩したのち、往路を戻って下山にかかる。頂上稜線には花が多く、写真を撮りながら下る。マツムシソウは早くも秋の気配を感じさせ、ニッコウキスゲのぽってりと大きくて黄色い花が目を引く。


マツムシソウ


頂上稜線のお花畑


ニッコウキスゲ


タテヤマリンドウ

九合から笹原の斜面を滑らないように足元に気をつけて急降下する。ここにも数は多くないが、いくつかの種類の花が咲いている。


日向山を俯瞰しつつ急降下


キオン


ハクサンフウロ


クガイソウ

下りは楽だ。七合(小天上)の小ピークを越えてさらに下り、池を巡りつつ緩々と登って五合(日向山)に戻り着く。一休みし、振り返って中ノ岳の勇姿を仰いだのち、十字峡に向かって樹林帯の尾根を下り始める。


七合(小天上)を越えて日向山へ


再び池を巡る


池の奥に日向山の雨量計測所


五合から中ノ岳を振り返る

標高が下がるに連れて気温が上がり、段々暑さが応えて来る。往路で吹いていた風もピタリと止まった。四合までは樹林に覆われて陽射しが凌げるが、三合から二合にかけての見晴しの良い尾根は炎天下の歩きとなる。岩場の鎖や岩もチンチンに熱せられて、摑んでいられない。腕や首筋が日焼けしてヒリヒリ痛い。日焼け止めを持って来るべきだった。


三合へ炎天下の尾根を下る


二合から日向山を振り返って仰ぐ

二合を過ぎると眼下に十字峡が見えてきて、十字峡にある発電所(東北電力五十沢第一発電所)の薄緑色の建物も見える。しかし、ここからが、また、長かった。


十字峡が見えてきた


十字峡登山センターに下り着く

樹林の尾根道となり、のろのろ下って、ようやく十字峡登山センターに着く。合計3ℓの水分は飲み切って、ぎりぎり足りた感じ。登山センターは、以前は売店が営業していて、飲み物やアイスが買えたが、今は休業している。車内に入り、エアコンで涼んで、ようやく人心地がつく。それにしても、やはりハードなコースだった。登り5:40、下り4:55。前回と比べるとがっくり落ちたが、前回が速すぎだろ😅

帰りはまず最寄りの畦地温泉に立ち寄ったが、日帰り入浴はなくなったとのこと。金城の里で日帰り入浴し、汗を流してさっぱりしたのち、桐生への帰途についた。