473m標高点峰〜込縄山〜秋葉山

天気:
メンバー:T
行程:駐車地 9:30 …473m標高点峰(473m) 10:50〜10:55 …込縄山(476m) 11:35〜11:50 …秋葉山(432m) 12:20〜12:30 …足松橋 13:10 …駐車地 13:30
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先日、深高山の東の420m三角点峰(点名:松田)に登ったら、それまで無名と思っていた山の頂に「足利百名山 椿山 №120」という真新しい山名標識が設置されていた(山行記録)。この山名の由来は定かでないが、いずれにしろ固有の山名があるのは嬉しい。しかし、№が100を超えても“百”名山とは、此は如何に😅

ネット上の山行記録を調べると、№100超の足百の山名標識が足利のあちこちの山で発見されているようである。それらの情報を纏めるため、Googleマイマップで「足利百名山+番外」という地図を作成した。新情報を入手次第、随時更新中。今のところ№101小天狗から№129大月御嶽山まで、とびとびの№で19座の山名と位置が判明している。

これらの番外の足百の中で、足利・佐野市境稜線上にある№110の込縄山(475m標高点峰)に興味が湧いた。この山名も私は初めて知る。名草上町(なぐさかみちょう)の込縄(こみなわ)集落が山名の由来と思われる。市境稜線は駒戸山秋葉山〜須花浅間山の山行でだいたい歩いているが、込縄山の周辺は未踏だ。稜線繋ぎに特に拘りはないが、名のある山があると知れば、俄然行く気が増す。今週末は込縄山に行ってみようかな。

地形図を見て込縄山の登山ルートを考えているうちに、込縄山の西方の市境稜線から南に派生する尾根上の無名の473m標高点峰が良さげなことに気が付く。この尾根を末端の南麓から登れば、なかなか登り応えがあるし、ネット上の山行記録も見当たらないので、未知の楽しみも大きい。

と言う訳で、473m標高点峰から込縄山へ周回する計画を立てて、出かけてきました。

桐生を車で出発。県道名草小俣線を走り、猪子峠、藤坂峠を経由して、夏畑林道入口付近の広い空き地に車を置く。この空き地は標識類がなく、使われている様子もないから、半日、車を置かせて貰っても差し支えないだろう。駐車地の背後に秋葉山を仰ぎ、これから登る尾根を眺める。尾根の先、夏畑沢の奥に見えるピークが473m標高点峰のようだ。

駐車地から秋葉山を仰ぐ
右に夏畑沢と夏畑林道を分ける
これから登る尾根を望む

登る尾根はすぐそこに見えているが、その山裾は民家と畑地に囲まれて、尾根に取り付けそうな地点がなかなかない。県道を藤坂峠方面へ戻り、箕輪バス停を過ぎて、入名草バス停の手前で右に分岐する路地に入る。民家の間を抜け、右に分岐して小道に入ると、ネットで囲まれた家庭菜園がある。傍らには白梅が咲いていて、いい香りが仄かに漂う。

県道から路地に入る
民家を過ぎて右折
白梅が満開
登り口の石祠

小道の終点に石祠があり、その左脇から斜面に取り付く。道はなく、スズタケがポサポサ生えて藪っぽい杉林を登る。程なく、赤鳥居と屋根の下に石祠と木の祠を収めた神社に着く。祠には「大照皇大神宮」の古いお神札がお祀りされているが、神社名はわからない。

スズタケ藪にアンテナの残骸
神社

神社を過ぎるとスズタケ藪は薄くなり、冬枯れで明るく、疎らな雑木林の斜面を登る。やがて平坦な尾根となり、木の間越しに秋葉山を望む。広々として、気持ちの良い場所だ。

疎らな雑木林を登る
木の間から秋葉山を望む

ここから幅広い尾根を辿る。緩く下り、杉林に覆われた鞍部を通過。左右に微かな道型が通じている。尾根を直進して急登。一部は杉林、だいたいはヒサカキやアカマツを交えた雑木林に覆われた尾根を登る。

雑木林の急坂を登ると再び平坦な尾根の上に着く。すぐ左手に伐採地があり、南面の眺めが開ける展望地となっている。今日は暖かいせいで、遠望には春のような霞がかかる。左に名草川の下流方面を望み、正面には438m標高点峰が大きい。

足百№15藤坂山の標識は藤坂峠南西の319m標高点に設置されているが、私は、この438m標高点峰が藤坂山ではないか、と思っている。根拠は、こっちの方が山容が立派😅。なお、438m標高点峰には、最近、足百№109琴平山の標識が設置されたそうである。

広く平坦な尾根を進む
冬枯れの雑木林の斜面を登る
展望地から名草川の下流を望む
展望地から438m標高点峰を望む

展望地からも引き続き、明るい雑木林の尾根を辿る。348m標高点のピークは平坦で、ピークらしくない。古い赤テープのある辺りがそれらしい。サクッと通過する。

明るい雑木林の登り
348m標高点付近

尾根はザレてやや細くなり、小岩のある小ピークに登り着く。木立越しに名草川右岸の山並みを眺め、行く手には473m標高点峰のスックとした三角形のピークを間近に仰ぐ。

ザレた尾根を登る
473m標高点峰を望む
小岩峰(小岩のある小ピーク)
小岩峰から473m標高点峰を仰ぐ

小岩峰から少し下ったのち、ザレて露岩の多い尾根を一直線に登ると、南北に細長く平坦な473m標高点峰の頂上に着く。東西は急峻な斜面となり、低山ながら奥山の雰囲気があって、なかなか良い感じ。山名標識の類は全くない。

473m標高点峰への登り
473m標高点峰頂上

頂上で一休みしたのち、さらに北へ尾根を辿って市境稜線に向かう。岩場と松林を交え、小さなアップダウンのある尾根で、ここも良い雰囲気。左側が急峻な沢の源頭となった鞍部を通過し、ひと登りすると市境稜線上のピークに着く。コンクリ製の「栃木県 境界標」がある他は何もなく、展望もない地味な頂だ。

足利・佐野市境稜線に向かう
小さなアップダウンが続く
市境稜線に到着
込縄山(右奥)に向かう

ここから東へ、市境稜線を辿る。稜線上に道型はないが、藪もなく歩き易い。行く手に木立を透かして、緩く舟形のピークを連ねる市境稜線を眺める。右端のちょっと高いもっこりが込縄山のようだ。顕著なピークではないが一番目立つので、山名があるのも頷ける。

雑木林から檜林に入る。地形図にはここで南北に通じる峠道が記載されているが、辺りにそれらしい道型は見当たらない。緩く稜線を辿り、一本のツガ?の大木の脇を通る。

檜林に入る
ツガの大木

ゆるゆると稜線を登り、小ピークに着くと「山神宮」と刻まれた板状の石祠と崩れた石祠がある。山神宮には「明治十…十二月吉日…沢岩吉」の銘がある。さらに小さなアップダウンのある稜線が続く。北面、斜め後ろ方向に雑木林を透かして飛駒盆地を遠望。程なく、込縄山の頂上に着く。

山神宮と崩れた石祠
点々と露岩のある尾根を辿る
飛駒盆地を遠望
込縄山頂上

込縄山の頂上は広く平坦で、一面、杉植林に覆われて地味だ。杉木立に「足利百名山№110込縄山」の標識が架かる。林内は薄暗く冷え込むので、林が切れて日溜まりのある南端に移動。腰を下ろし、パンで昼食とする。風はなく、陽に当たれば暖かくて居心地が良い。

「足利百名山 №110 込縄山」の山名標識
頂上南端の日溜まりで昼食

込縄山からの下山路はどうしようか。地形図には、頂上のすぐ南の鞍部を東西に通る峠道(破線路)が記載され、これで夏畑沢に下ると面白そうだ。頂上から植林帯の斜面を下って件の鞍部に着く。しかし、峠道と思しき道型は東西どちら側にも見当たらないし、特に西の夏畑沢側の斜面はかなり急で険しい。峠道を下ることは断念し、秋葉山を経由して下ることにする。そちらのルートは一昔前だが一度歩いているから、不安はほとんどない。

込縄山から南へ市境稜線を下る
鞍部から軽く登り返す

鞍部から稜線を直進。軽く登り返して、秋葉山へ派生する尾根に入る。少し先で、見覚えのある道標を発見。文字は掠れて全く読めなくなっている(かつては「秋葉山・名草方面」と書かれていた)。いくつかコブを越えて行くと、冬枯れの雑木林を透かして、黒々とした杉林に覆われた秋葉山の頂が見えてくる。最後に短い急坂を登って、頂上に着く。

文字が掠れた道標
秋葉山の頂上が見えてきた
最後の急登
秋葉山頂上

頂上は広い平地で、三角点標石と大小2基の石祠、「足利百名山 第8座 秋葉山」の山名標識がある。前回は足百の山名標識はなく、大きい方の石祠は倒木の下敷きになって倒壊していた。それがすっかり修復され、整備の手が入っている。足百巡りで登る人が増えた様子が窺える。

「足利百名山 第8座 秋葉山」の山名標識
2基の石祠と三角点標石

秋葉山の南西尾根にもテープがあり、降りられそうなのでちょっと興味を惹かれたが、素直に登ったことのある南東尾根を下る。頂上を覆う杉林を抜けると、冬枯れで明るい雑木林となり、眺めが開けて存外に気持ちが良い。左手には市境稜線が横たわり、中でも449m標高点峰(足百№112下彦間山)の台形の岩峰が目を引く。

南東の尾根を下る
市境稜線の下彦間山を望む

さらに露岩を交えてザレた尾根を急降下。途中、左手の木立が開け、市境稜線上のピークで足松沢を隔ててスックと聳える419m標高点峰(足百№113彦間山)が眺められる。

尾根を急降下
419m標高点を望む

さらに5分程下ると小さなコブがあり、南から西にかけて眺めが開ける。正面に438m標高点峰、その右に藤坂峠への稜線が続き、奥に深高山や猪子峠〜仙人ヶ岳のギザギザの稜線を望む(同じ展望で季節違いの写真が前回の山行記録にある)。振り返れば、雑木林の斜面の上に僅かに覗く杉林が秋葉山の頂上だ。既にだいぶ降りてきた。

藤坂峠方面の展望
秋葉山の頂上を振り返る

山麓に近づいて、檜やヒサカキの林に入る。林間に小さな石祠を見出だす。やがて篠竹藪が現れ、道型が怪しくなる。おかしいなあ、よく踏まれた道型が麓まで続いているに違いないと期待していたのだが。すぐ下には山麓の民家が見え始めている。地形図の破線路に沿って左寄りに下ると、林間に崩壊した社やお稲荷様を祀った数基の新しい祠がある。社は前回、秋葉山に登った時にも見た記憶があり、山行記録には天満宮と記している。

雑木林から植林帯に入る
石祠
篠竹藪が現れる
崩壊した天満宮

天満宮からは明瞭な道型があり、山麓に下って畑地を囲む柵に突き当たる。右手に進んだら、民家の敷地を通って車道に出た。住人の許可を得て通行すべきところだが、誰もいないので無断通行しました。すみません🙇‍♂️。

前回は、たまたま住人がいらして、柵を開けて畑地を通して頂いている。これで、尾根末端で道型が怪しかった理由が判明。依然として民家の敷地を通らないといけないので、それを避けて、民家のない別の所が登降されているのであった。

畑地の柵に突き当たる
足松橋を渡って県道に出る

あとは車道を歩いて駐車地に向かう。足松橋を渡り、県道に出て、名草川に沿って歩く。右手には常に秋葉山を仰ぎ、眺めが良い。途中、込縄集落で左岸に渡って寄り道。川岸沿いの花壇に福寿草が咲いていて綺麗だ。春が近いことを感じさせる。

秋葉山(奥)を仰ぐ
川岸の花壇の福寿草

込縄橋を渡って県道に戻る。途中、市重文のエドヒガンがあるという臥竜院の入り口を過ぎる。桜の開花も待ち遠しいな。程なく駐車地に帰着、帰途についた。

込縄橋
駐車地まであと少し

なお、今回、断念した込縄山から夏畑沢に下るルートについて、後日調べると、烏ケ森の住人さんが2005年に(夏畑)林道から475ピーク(込縄山)に登っておられた。それによると、峠道の下部には道型が残っていたが、稜線直下は道がなかったそうである。