ヤシオ山〜仙人ヶ岳〜深高山〜石尊山

天気:
メンバー:T
行程:叶花集会所 7:40 …ヤシオ山 8:20 …白葉峠 8:50 …高萩山(377m) 9:00 …仙人ヶ岳(663m) 11:00〜11:45 …猪子峠 14:10 …深高山(506m) 15:00〜15:10 …石尊山(486m) 15:40 …叶花集会所 16:35
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

昨年はちょうど同じ日の3/27にヤシオ山に出かけたところ、アカヤシオが見頃だった。今年もヤシオ山でアカヤシオが咲き始めたというネット情報を得たので見に行き、ついでにトレーニングのために足を延ばして、仙人ヶ岳、深高山、石尊山を周回して来ました。

なお、ほぼ同じ行程を逆順で2017年4月にも歩いている(石尊山〜深高山〜仙人ヶ岳)。

桐生の自宅から車で約15分で叶花(かのうけ)集会所に着き、登山者用駐車場に車を置く。昨年は10時少し前に来たら広い駐車場が満杯で、アカヤシオの人気の程に驚いたが、今日は8時前と早く来たので、駐車は6台で余裕綽々。上空には薄雲がかかっているが良く晴れて、ずいぶんと暖かい。上はTシャツ1枚、下は薄手のトレッキングパンツという夏山の服装で歩き出す(この日の桐生の最高気温は23.7℃に達し、5月の陽気となった)。

叶花集会所
小俣川縁から石尊山を仰ぐ

すぐに小俣川を渡り、カタクリ群生地に向かう。入口付近は伐採が始まっているが、群生地には影響なく、カタクリがたくさん咲いている。アップして撮影したいが、シカ除けの柵に囲まれて近づけないので、なかなか難しい。

カタクリ群生地入口のゲート
カタクリ

群生地の奥へ小沢を詰めて稜線に上がり、右へ尾根道を登るとヤシオ山の頂上に着く。アカヤシオは咲いていて、落ちている花はなく、蕾も混じっているからフレッシュで綺麗だ。花の数は昨年に比べると明らかに少ないが、今シーズン初のアカヤシオが見られたのはとにかく嬉しい。

稜線に上がる
ヤシオ山
アカヤシオ(1)
アカヤシオ(2)

風に搖れるアカヤシオをなんとかカメラに収めたのち、先に進む。左に姥穴山(御嶽山)のもっこりとした頂を眺めつつ、烏ヶ寝処の岩尾根を登る。振り返ると最近登った彦谷湯殿山、その向こうに行道山〜大岩山が眺められる。

姥穴山(御嶽山)と烏ヶ寝処
湯殿山を振り返る

烏ヶ寝処から下ると伐採されて笹原に覆われた斜面の縁に出、左に姥穴山への道が分かれる。ここは迷い易い分岐であったが、新しく「姥穴山→」との標識が設置されていて、大変分かり易くなった。今回は姥穴山には立ち寄らず、真っ直ぐに白葉峠への道を辿る。しばらく伐採斜面の縁を辿り、桐生市街や吾妻山、赤城山の眺めが良い。赤城山の雪はほとんど消えて、黒檜山の頂が少し白いだけだ。

姥穴山分岐の道標
桐生市街と吾妻山、赤城山の展望

小ピークを越え、短い急坂を下って白葉峠に着く。車道を横断し、すぐに仙人ヶ岳への県境稜線の山道に入る。この道は昨年の4月にも歩いた(山行記録)。そのときは新緑が芽吹いてヤマツツジなどが咲いていたが、それより2週間早いので、周囲の樹林はまだ冬枯れだ。短い急坂を登って、三角点標石のある高萩山の頂上に着く。桐生市街の方向の樹林が開けて眺めが良いが、松の幼樹が育っており、そのうちに展望を遮る丈になりそうだ。

白葉峠へ下る
白葉峠
高萩山への急登
高萩山頂上

高萩山から下って、少し作業道を辿り、すぐに山道に戻る。急坂をひと登りして399m標高点を越える。しばらく進むと、右斜面が伐採された尾根となり、小俣川の谷に点在する集落や石尊山の展望が開ける。

作業道から山道に入る
399m標高点
小俣町を俯瞰し金山を望む
伐採地の縁を登る

尾根道を登って行くと、斜め右前に県境稜線から派生して小俣川に落ちる枝尾根が現れる。この枝尾根の途中にはゴツゴツした小岩峰があり、以前からちょっと気になっている(ネットで調べると、この枝尾根を登った山行記録がある)。やがて「↓小友・群大グラウンド」の新しい道標があり、左に踏み跡が分かれて、すぐ下まで来ている作業道に通じている。

ちょっと気になる小岩峰
新しい道標

ザレた急坂を登り、件の小岩峰を右下に俯瞰するようになって、一色展望台分岐に着く。ここで、休憩中の男性ハイカーさん二人組に遭う。さらにひと登りして、小岩峰のある枝尾根の分岐点に登り着く。この先は山林火災の跡地が広がって展望が開け、前仙人ヶ岳から仙人ヶ岳へ連なる小さくギザギザした稜線が眼前に横たわる。左の黒川に面した斜面も焼けた山林が整理され、広大に切り払われて、桐生市街や吾妻山、赤城山、関東平野の展望が開ける。さらに遠くに目を凝らすと、浅間山や八ヶ岳の白い頂が見出せる。

ザレ尾根を登る
一色展望台分岐
広大な山火事跡に出る
桐生市街と吾妻山を望む

防獣ネットに沿って登り、「鷹ノ巣沢」の標識を通過。この辺りで足の速いソロハイカーさんに先を譲る。さらに「(仮)南荒倉山」の標識のある小ピークを経て、風化したザレ道を急登し、荒倉山の頂上に着く。ここにも新しい標識「足利百名山№102荒倉山」がある。足百が増えているとは知らんかった。№101はどこだろう(後日調べると№101は小天狗、№103は裏天狗だそうだ)。それにしても今日のコースは新設された標識が多い。

仙人ヶ岳(右奥)を望む
荒倉山頂上

荒倉山から小さなアップダウンを経て、前仙人〜仙人ヶ岳の主稜線に登り着き、さらに山火事跡で開け、小さなギザギザが連続する稜線を仙人ヶ岳へ辿る。途中、「直進 孫仙人 左 巻道」の道標は、ちょっと疲れてきたので巻き道へ。次のピークには「(仮)女仙人ヶ岳」の標識がある。孫〜とか女〜とか、いつの間にかなんとか仙人の山名が増えている😅

主稜線から荒倉山を振り返る
主稜線を仙人ヶ岳へ向かう

ようやくなだらかな登りとなって仙人ヶ岳の頂上に着く。まだアカヤシオシーズン前なので、ハイカーさんはそう少なく、2、3グループを見かける程。頂上は風が吹き抜けて少し寒い。すぐ先の東の肩(赤雪山分岐)まで移動すると風が弱く、ここで昼食休憩とする。レトルトパウチのさば味噌煮をつまみに缶入りのノンアル赤ワインを飲み、ガソリンコンロでお湯を沸かし、カップヌードル欧風チーズカレーを作って食べる。

仙人ヶ岳頂上
東の肩で昼食休憩

昼食休憩で元気を回復して、猪子峠へ向かう。こちら側は風が弱く、陽射しに当たっていると暑いくらいの陽気だ。例年、アカヤシオが咲く区間にそろそろ入る。蕾くらいはあるかなと期待していたが、まだ早すぎるようで、花芽も見かけない。熊の分岐を通過し、知ノ岳を過ぎると眺めが開けて、まつだ湖やこれから歩く猪子山に至る稜線、遠くに薄らと筑波山の山影を望む。

熊の分岐
知ノ岳からまつだ湖を俯瞰

知ノ岳から急降下して、宗ノ山へ登り返す。この先でようやく1株だけ、蕾を付けたアカヤシオを見かける。

アカヤシオの蕾
蛙に見える岩

小さな上下の多い岩尾根を辿り、犬帰りの鎖場に着く。ここの鎖場、今日は何となく下りたくない(実は結構疲れている)。そう言えば、ここの巻き道は歩いたことがないなあ、と理由を付けて鎖場を回避し、巻き道を歩く。しかし、巻き道も大きく下って登り返すので、そんなに楽ではなかった。

まつだ湖に近づく
犬帰りの巻き道分岐
巻き道をとる
犬帰りの鎖場

維ノ岳を過ぎた所で、日当たりの良い斜面で1株のアカヤシオが咲いているのを発見。しかし、仙人ヶ岳〜猪子峠で見たアカヤシオはこれで最後。花芽をほとんどみなかったのが気になる。時期が早すぎて、これから花芽が出るのであれば良いが。

ほんのちょっとだけアカヤシオ
猪子山への途中の岩稜

猪子山を越えると岩尾根は終わり。尾根幅が広がり、いくつか小ピークを越えて、猪子峠に下り着く。薄暗い杉植林に入り、ヒンヤリと涼しくて気持ち良い。疲れたので、小俣北町に下って車道を歩いて帰ろうか、とも真剣に考えたが、深高山まで上がれば石尊山まで平坦で、あとは下るだけだから、初志貫徹で頑張ろー。なお、猪子峠から猪子トンネル西側入口に下る道は通らないで東側入口に下るように、との主旨の現地標識がある。

猪子峠への下り
猪子峠

アミノバイタルと芍薬甘草湯を一包づつ飲んだら、ちょっと元気が出た(気がする)。深高山への登りにかかる。緩く歩き易い山道で、思ったより楽だ。林道粟谷松田線の脇を通ると階段道の急坂となり、登り切るとしばらく平坦な稜線が続く。

林道粟谷松田線の脇を通る
路傍の石祠
階段道を急登
しばらくなだらか

もう一段、急坂を登ると深高山の頂上に着く。山頂は小広く、ベンチもあって休憩適地だが、既に15時で時間が遅いせいか、誰もいない。寝不足の影響も出て来たので、ベンチに寝っ転がってしばらく横になり、元気復活。

頂上直下の急坂
深高山頂上

石尊山へはほぼ平坦でなだらかな尾根歩きだ。途中、左に岩場があり、岩頭から南面の眺めが得られる。ゆるゆると登って、石尊山の頂上に着く。三角点標石と大きな山名標識がある他は、樹林に囲まれて展望に乏しい。ここはサクッと通過して、すぐ先の石尊山見晴台に向かう。

石尊山に向かう尾根道
岩頭から行道山、大岩山を望む
なだらかなアップダウンが続く
石尊山頂上

見晴台は草地の広場にベンチがあって、休憩するのに気持ち良い所だ。ベンチに寝っ転がってのんびりしたのち、すぐ下の石尊宮に立ち寄る。麓の砕石場を見おろすと、よくあることだが、その一角にソーラーパネルが広く敷き詰められている。

石尊山見晴台
見晴台下の石灯籠
石尊宮
石尊宮からの展望

石尊宮から、松と露岩が多い尾根道を下る。途中、北側に張り出した岩場があり、仙人ヶ岳の左右に延びる稜線が一望できる。今日はあの稜線を左から右に歩いた訳で、いやー、良く歩いた。

露岩の多い尾根道を下る
途中の岩場から仙人ヶ岳を望む

岩尾根から植林帯に入り、ジグザグに下る、女人禁制碑を過ぎると傾斜が緩まり、石尊不動尊のある登山口に着く。以前は針葉樹の大木に囲まれて鬱蒼とした雰囲気があったが、伐採されてすっかり明るく開けている。

女人禁制碑
なだらかになった山道を下る
石尊不動尊
石尊山登山口

登山口から車道を少し歩いて、叶花集会所に戻る。もう日が傾きかけている時刻なので、アカヤシオを見に来たかハイカーさんの車は粗方帰って、2台しか残っていない。今日は久しぶりに長い行程を歩いた。疲れたが充実感を感じつつ、帰宅の途についた。

登山口の石灯籠
(この先は車両侵入禁止)
叶花集会所に帰り着く