鳥屋ヶ峰・金毘羅山

天気:
メンバー:T
行程:魚沼田中駅 8:40 …菅原神社 9:10 …古峯神社 9:30 …一本杉 9:45 …沢コース分岐 10:30 …鳥屋ヶ峰(681m) 11:05〜11:45 …展望台 11:55 …大倉口分岐 12:00 …大倉登山口 12:45 …旧佐藤家住宅 12:55〜13:00 …金毘羅神社入口 13:45 …金毘羅山(247m) 14:00〜14:05 …魚沼田中駅 14:35
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

桐生を早朝に車で出発。赤城ICから関越道を走り、国境の長いトンネルを抜けて新潟県に入る。天気はドが付く快晴で、巻機山や越後三山のスカイラインが青空に高々と浮かび、車窓からの展望でテンションが上がる。

小出ICに近づくと、正面に曽遊の権現堂山〜唐松山の連山、その左奥に鳥屋ヶ峰(とやがみね)ののっそりとした山塊が見えて来る。今日はこの鳥屋ヶ峰に初めて登りにやって参りました。ネット上の山行記録(山の想い出「鳥屋ヶ峰」)を参考にさせて頂き、小平尾(おびろう)登山口から鳥屋ヶ峰に登頂し、大倉口に下って周回する予定。

小出ICで高速を降り、破間川(あぶるまがわ)に沿ってR291を走る。周回コースを歩くのでJR只見線の魚沼田中駅を起点/終点とし、駅周辺の駐車スペースに車を置かせて貰う。1日4往復のローカル線、かつ休日で通勤の利用客もいないだろうから、長時間駐車しても問題ないだろう。草の繁り具合を見ても、普段から使われている様子がない。

魚沼田中駅(奥に駐車)
小平尾へ車道を歩く

もう10月も末なので寒いかなと思ったが、良く晴れて風も穏やかだから、薄手の長袖シャツとトレックパンツを着て来て正解だ。R291を渡って緩い坂道を上がるとすぐに暑くなり、上はTシャツ一枚になって歩く。とっくに刈り入れが終わって二番穂が伸びた広大な田圃が広がり、その向こうに下権現堂山や越後三山、巻機山を一望する。いい風景だなあ。

越後駒ヶ岳と八海山を遠望
鳥屋ヶ峯遊歩道案内図
(画像クリックで拡大表示)

駅からのんびり歩いて30分程で、登山口の菅原神社に着く。神社の前に「鳥屋ヶ峯遊歩道案内図」という文字が掠れた看板があり、古くから登山道が整備されていたようだ(後日調べると、昭和40年代に整備されたらしい)。菅原神社にお参りした後、神社の右脇の車道を登る。ここには「鳥屋ヶ峯登山口」の標識が立つ。

菅原神社
「鳥屋ヶ峯登山口」

R352の古峰シェルターの上を渡り、ヘアピンカーブをひと登りすると開けた畑地に出る。畑地の端に朽ちた木の鳥居が立ち、ここから古峯神社の参道に入る。入口はススキの藪に覆われているが、石灯籠や石段があり、杉と雑木の細尾根に乗ると草藪は消えて歩き易い山道となる。左手はところどころで樹林が切れて、山間に広神ダムの堰堤が見える。

畑地の端の鳥居から…
…山道に入って登る

やがてなだらかな頂に建つ古峯神社に着く。社殿は比較的新しい。正面扉の脇に雪囲い用の金具が付けられているのが、さすが豪雪地帯という感じ。周囲には摩利支天や庚申塔の石碑、高さ2mはあろうかという立派な石灯籠が建つ。この石灯籠も太い木柱で四方から支えられて、冬の雪の深さの程が察せられる。

古峯神社
古峯神社の石灯籠

古峯神社の先は低木帯となり、行く手が開けて、鳥屋ヶ峰へ向かってなだらかに起伏する尾根を見通す。里山にしては開放感があるのが、豪雪地帯の山らしい。紅葉も見頃だ。

低木帯の尾根から行く手の眺め
赤と黄色に紅葉

緩く尾根を登り、右から上がって来た作業道に合流すると、程なく杉の大木のある広場に着く。この杉が一本杉だ。樹勢が盛んで、膨らんだ三角錐の樹形🌲が逞しい。広場は木立に囲まれているが、越後三山方面に眺めが開ける。

一本杉
「一本杉」の道標

一本杉から再び山道に入ると、すぐに沢コースと尾根コースの分岐がある。左の沢コースも入口から見る限りは良い山道が続いている。ここは右の尾根コースを辿る。杉林を抜けると再び低木帯の開けた尾根道となり、破間川を隔てて下権現堂山を望む

左に沢コースを分ける
下権現堂山を望む

起伏の多い尾根を辿り、送電鉄塔を通過。左右に送電線巡視路を分ける。一旦、小さく下って、急斜面を登り返す。この辺りの階段状の地形は断層によるものだろうか。変化に富んだ尾根道で面白い。

起伏の多い尾根を辿る
送電鉄塔を通過
一旦下って…
…急斜面を登り返す

急坂を登り切ると明瞭な尾根筋の道となり、紅葉が盛りの低木帯の中を進む。右(東)側は相変わらず眺めが良く、守門岳から浅草岳、唐松山〜権現堂山にかけての山並みを一望する。唐松山の左奥には、毛猛連山の檜岳の鋭鋒が目を引く。毛猛連山は全くの未踏だ。行ってみたいなあ。

ナナカマド
眺めが開けた尾根を歩く
守門岳と浅草岳を遠望
毛猛連山(左奥)を遠望
右は唐松山〜下権現堂山

山麓からコトコトと走行音が風に乗って聞こえて来たので、カメラでズームして只見線の上り列車が走っているのを捉える。長閑だなあ。急坂を一段上がると、左の枝尾根からの山道を合わせる。先程の分岐から沢コースを辿るとここで合流するようだ。分岐には道標の残骸と思しき金属柱だけが立つ。

薮神ダム付近を走る只見線の列車
合流して来た沢コース

ここから少し細く急な尾根となる。振り返れば、さざなみのような山並みが広がり、その遥か奥に刈羽黒姫山米山の山影が見える。尾根直下の右斜面を絡むトラバース道となり、頂上稜線を間近に見ながら登る。細い道型は外傾して滑り易く、危険個所とまでは言わないが足元には要注意。

下権現堂山と越後駒、八海山
紅葉の尾根を登る
振り返って刈羽黒姫山と米山を遠望
尾根を絡んで登る

頂上稜線の一角に登り着けば、緩い尾根となり歩き易い。最後に短い坂を登って、鳥屋ヶ峰の頂上に着く。

傾斜が緩む
頂上直下の登り

頂上はなだらかで、鐘と鉄製の小さな櫓がある。西に向かって展望が開けた広場があり、その一角に三角点標石がある。刈羽黒姫山と米山を遠望し、右に目を転じると左右に長々と稜線を延ばす鋸山を望む。ここで昼食のため大休止。天気が良いと缶ビールがひとしお美味い。それからカップ麺の鴨だし蕎麦を作り、大展望を楽しみつつ、ゆっくり食べる。晴天、展望、他に誰もいなくて静か。こういうしみじみとした山はやはり良い。

鳥屋ヶ峰頂上
三角点標石と西面の展望
刈羽黒姫山と米山を遠望
鋸山を望む

昼食後、頂上を辞して、なだらかな尾根道を先に進む。こちらの道は幅広く刈り払いされている。すぐに小さな池が現れ、静まり返った水面に周囲の木立と青空を映す。これが小平尾登山口の案内看板に記載があった「孫太郎の池」のようだ。

平坦な尾根道を北進
孫太郎の池

池のすぐ近くに道標があり、大倉口へ下る道を右に分ける。そちらに下山する予定だが、左は展望台6分と記されているので、ちょっと寄り道してこよう。すぐ先で林道終点に出て、つまりここまで車で上がれば鳥屋ヶ峰まで徒歩10分とかからない(しかし、それでは面白みがない。小平尾登山口からの登山道はお勧め)。

大倉口分岐の道標
林道鳥屋ヶ峰線終点

延々と続く大きな雪庇予防柵を横目に林道を緩く下る。すぐに舗装道となり、右の道を上がると開けた尾根上に植林記念碑と電波塔2基が建つ。車で上がって来たおじさんが居り、発電機を回し、大きなアンテナを立てて無線通信を開局しておられる(この日、山中で会った人は結局この方のみ)。ここが展望台のようだが、展望用の施設は特にない。ススキ越しに毛猛連山を一瞥して、大倉口分岐に戻る。

左:スキー場頂上、右:展望台
電波塔と植林記念碑
展望台から毛猛連山と
唐松山〜権現堂山の展望
林道を戻る

分岐から大倉口へ下る道に入る。道型は確かで、思ったよりちゃんとした登山道だ。ただし、急な赤土の道が雨樋状に抉れて滑り易く、おまけに女郎蜘蛛が巣を張りまくり。枯れ枝を拾って振り回し、蜘蛛の巣を払いつつ下る。正面は毛猛連山と唐松山〜権現堂山の眺めが良いが、余所見をすると足元がズルッと行くので、気疲れすることこの上ない。

大倉口へ下る
毛猛連山と唐松山〜権現堂山を
眺めつつ急な尾根を下る
滑り易い急坂を一直線
山麓へ向かって急降下

やがてジグザク道となり、傾斜が緩んで歩き易くなる。と思ったら、最後は草藪が繁茂する斜面に突入。一応、刈り払いはされている。草を踏み分けて斜め左へ降りると畑地の間の農道に下り着く。この地点には特に道標や目印はなく、知らなければここから登山道が通じているとは思えない。ともあれ、短いがなかなか野趣に富んだ下山路で面白かった。

ジグザグで歩き易い道になる
最後は草藪を踏み分けた道
農道に出て振り返る
登る場合はここから左上へ
農道をのんびり下る

農道を下って緩斜面に民家が点在する大倉の集落に入り、県道に出る。すぐ左に旧佐藤家住宅があるので立ち寄ってみる。元文三(1738)年に建築されたという古民家だ。無人で中の見学は自由(協力金・資料代100円)。冬期間3〜4mの豪雪に耐えるよう柱は太く、造りが頑丈だ。昔の人はこのような家で厳しい冬を過ごしていたのだなあ、と感じ入る。

旧佐藤家住宅(国重要文化財)
茶の間とでい(座敷)

県道を下って、破間川沿いのR252に出る。正面に下権現堂山を仰ぎ、その手前の破間川の左岸に、低山だが巨大な岩壁を擁する山を見る。これが金毘羅山だ。今回、鳥屋ヶ峰の周辺の山についてネットで調べて初めて知った山で、山麓から登山道があり、往復30分程で登ることができるらしいので、ついでに登ろうと目をつけていた。実際に見るとますます登りたくなる。時間と体力には余裕があるし、これは登るべし。

車道を下ってR252に出る
薮神ダム付近から金毘羅山を仰ぐ

只見線の踏切を渡り、県道を歩く。さらに金毘羅山に近づいて、大岩壁を見上げる。岩壁が日陰に入り、写真では暗くてディテールが伝わらないのが残念。破間川に架かる三渕沢橋から眺めると、渓谷と岩壁の景観が素晴らしい。橋を渡ってすぐの所に金毘羅山への登り口があり、石鳥居が立つ。左にはゲートボール場があるが、短い草に覆われて使われていない様子。トイレも閉鎖されている。ここに駐車しても差し支えはなさそうだ。

三渕沢橋から薮神ダムと金毘羅山
金毘羅神社入口

鳥居を潜ると良く踏まれた山道が杉林の中に通じ、擬木の階段道を急登する。山道の分岐があり、左の尾根上の道に入る。短い急坂を登って、金毘羅山の頂上に着く。

直進は巻き道
左の尾根道に入る
尾根を急登

頂上には2基の石灯籠と小振りな社、石祠や三角点標石がある。北面は破間川に面して切れ落ち、眼下に薮神ダム湖のダークブルーの湖面を俯瞰する。落ちたら一巻の終わり。破間川の上流に守門岳を遠望する。この展望は期待以上に素晴らしい。

金毘羅山頂上
頂上から破間川を俯瞰し
守門岳を遠望

西には先程登頂した鳥屋ヶ峰を望む。高くはないが、左右に稜線と急崖を広げて、なかなか険しい山容を見せる。積雪期の眺めも見てみたい。

金毘羅山頂上から鳥屋ヶ峰を望む
頂上からさらに尾根上を進む

展望を堪能したのち、頂上を辞して尾根を先へ辿る。左側はダム湖に切れ落ちているから、今日一番緊張する(といっても大したことはない)。少し進んだ地点で右に折れて巻き道に入る。地形図には尾根上を直進する破線路が記載されているが、そちら方面は藪に覆われて道型は怪しい。

金毘羅山を振り返る
尾根道から右折して巻き道へ

巻き道を辿り、杉林に入って尾根道の分岐を経由し、登山口の石鳥居に戻る。往復30分程の軽い行程の山だが、小さいながらも険しく、頂上からの眺望は訪れる価値大だった。

巻き道を進む
尾根道との分岐点

あとは車道を歩いて車を置いた魚沼田中駅に向かう。破間川に架かる両道橋の上から鳥屋ヶ峰を仰ぐ。今日一日、最高の天気に恵まれ、山村風景と展望を満喫する山旅ができた。

破間川に架かる両道橋から
鳥屋ヶ峰を望む
魚沼田中駅に戻る

帰りはすぐ近くの神湯温泉に日帰り入浴で立ち寄る(HPの日帰り入浴用割引クーポン券を受付で見せると100円引きで600円)。設備が新しく、浴室や湯船も広くてゆったり浸かる。ここは下権現堂山の清本登山口でもあるから、権現堂山と合わせて再訪するのもありだな。さっぱり汗を流したのち、小出ICから関越道に乗って桐生への帰途についた。