鳴神山

天気:☁︎時々☀︎
メンバー:T
行程:駐車地点 9:40 …コツナギ橋 10:10 …椚田 11:05 …鳴神山(980m) 11:25〜11:35 …大滝口 12:45 …駐車地点 12:50
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

9月22日〜24日の3連休は、どうも天気がイマイチ。その前は丸々1週間、奈良県に滞在して、その間の15〜17日の3連休で山歩きを堪能したし、多少疲れも残っているので、頑張って遠出する気力が湧かない。3連休の2日目までウダウダと過ごす。3日目も天気はイマイチだが、3連休でどこにも行かないのもなんなので、地元の鳴神山に出かけてきました。

自宅をのんびり9時過ぎに車で出発し、約20分で大滝口へ。少し手前の路側の広いところに車を置く。今日はコツナギ橋から登って、大滝口に降りてくるルートで歩くつもり。同じルートは10年前に一度歩いている(山行記録)。


大滝口手前の駐車地点


大滝口の石鳥居

コツナギ橋までは車道を歩く。大滝口の御嶽神社の石鳥居を前を通り過ぎ、木品集落の民家を見ながら歩く。その先の廃屋の敷地ではキンモクセイが良い香りを放っている。道端には庚申塔が点在し、持丸橋までに4基を見つける。


木品集落


道端の庚申塔

持丸橋の少し先の道路脇に岩場があり、石灯籠1基と多数の庚申塔、石像が集まっていて壮観だ。前回も見ているが、再度じっくり見ていこう。まず、一番立派な寛延元年の馬頭観音には「巡礼日本百所圎通道場」と刻まれている。


石碑・石像群


馬頭観音
寛延元戊辰(1748)年十月吉日

2体並んだ馬頭観音の一つは安永三年のもので、「汝是畜生皈依三宝発菩提心」という銘がある(後日調べると、馬頭観音に良くある銘文だそうだ)。もう一方は寛保元年のもので、「奉納西國秩父坂東百處巡礼供羪」と刻まれている。岩屋の中にも二体の馬頭観音がある。銘文は掠れてよく分からない。


左:寛保元酉(1741)年十月吉日
右:安永三甲午(1774)年十月十八日


岩屋の中にも馬頭観音

岩場の右寄りの場所には首のない石仏が集められいる。また、左寄りの場所には数基の庚申塔と1体の青面金剛像がある。像の銘は「奉造」以外はよく分からない。


首のない石像群


青面金剛

石碑・石像群を一通り見たのち、高沢(こうざわ)川沿いに歩いて広道橋を渡る。ふと橋の上から川を覗き込むと、大物が遊泳中。今度、釣りに来ようかな(^^)。なお、桐生川流域は両毛漁協の管轄で、来年2月末までは禁漁期間である。


川を覗き込むと…


コツナギ橋登山口

コツナギ橋を渡って、コツナギ沢沿いの登山道に入る。最初にマツカゼソウを見かけるが、花はもう終盤だ。木橋を渡るとイズクの滝が現れる。小さな滝だが、今日は水量が多くて勢いよく落ちている。


コツナギ沢沿いの山道


イズクの滝

登山道はこのあと木橋で数回、沢を渡る。前回、これらの橋はなかった。この時期、花はあまり咲いてなくて、キバナアキギリを見かけるくらい。フタバアオイの艶々とした♠︎型の葉を観賞する。


木橋で沢を渡る


フタバアオイ

登山道は、貴重な草花を保護する囲いがあったり、丸太に鉋をかけた真新しいベンチがあったりして、良く手入れされている。途中の杉林に緋色のもやしのようなキノコが群生しているのを発見。猛毒のカエンタケにちょっと似ていてギョッとするが、後日調べると、ベニナギナタタケという無毒なキノコらしい。


真新しいベンチ


ベニナギナタタケ

わさび畑跡に着くと中間点の標識があるが、ここまで来ると稜線は近い。パイプで引水した水場を過ぎ、傾斜が増して水流が消えると、ロープの柵で囲われたカッコソウ植生地に着く。ここには2年前のGWにもカッコソウの花を見に来た(山行記録)。今の時期のカッコソウは葉っぱも見えない。


中間点


カッコソウ植生地

カッコソウ植生地のすぐ上が椚田と呼ばれる鞍部だ。天気が良くないにも関わらず、ソロハイカーさん数人とすれ違う。


カッコソウの見張り番


椚田

椚田から鳴神山の頂上へ、ちょっと急な稜線を登る。山栗がたくさん落ちているが、中身は既に空のものがほとんど。第二展望台に着いて赤柴側を眺めると、新しい林道が山腹を刻んで延びているのが見えて、痛々しい。


鳴神山への登り


第二展望台からの眺め

鳴神山の頂上付近はアカヤシオの木が多い。鹿の食害を防ぐために、木の幹にテープが巻かれている。木々の中には紅葉が始まったものもあり、第一展望台から眺める尾根の樹林にも、ほんのり赤みが入っている。


紅葉し始め


第一展望台からの眺め


仁田山岳頂上


桐生岳との鞍部

登り着いた鳴神山の頂上は誰もいない。ハイカーさんの声が聞こえていたが、入れ違いになったようだ。雲が多く、遠方は霞んで袈裟丸山は見えないが、青空も覗いて、まあまあ良い眺めだ。アキアカネが数匹、ツィー、ツィーと飛んでいて、秋の訪れを感じる。


鳴神山(桐生岳)頂上


北の根本山方面の展望


東の大鳥屋山方面の展望


南の吾妻山方面の展望

頂上を辞して肩の広場に降りる。4月になるかみ小舎を利用させて頂いた(山行記録)ので、募金しようと思っていたのだが、また、財布を持ってくるのを忘れてしまった(^^;)。


肩の広場へ下る


なるかみ小舎

ここから大滝口に下る。カッコソウ植生地を過ぎると急な涸れ沢の下りとなる。


肩の広場下のカッコソウ植生地


涸れ沢を下る

左側は岩壁となり、沢に水流が現れる。古い注連縄が張られ、ふと気がつくと水場と書かれた道標がある。以前、この辺りは道が荒れて、石がゴロゴロと堆積した斜面の下りとなり、非常に歩き難かった。現在は、良く踏み固められた道型が付いている。鉋で削ったばかりの丸太のベンチもあり、最近、登山道に整備の手が入っているようだ。


沢の源流(水場)


良く踏まれた山道

やがて、古い作業道に出る。ここも以前は湿った簡易舗装に苔がついた非常に滑り易い急坂で、かなり危ない個所だったが、現在は脇に木の階段道が出来ていて、格段に歩き易くなっている。また、その下の作業道が崩壊した区間には、左に迂回路が作られている。後日調べると、ボランティアで道の手入れをされている方がおられるそうだ(鳴神山通信の記事)。大変な労力で、頭が下がる。


作業道脇に階段道ができている


新しい山道

途中に中間点の標識があり、ベンチも置かれている。沢沿いに下り、やがて昔の作業道を辿る。左山腹を切り返して下ると、大滝の下に着く。


ベンチのある中間点


荒れた作業道を下る


現役の作業道に出る


大滝の不動明王像
宝永六(1709)年己丑九月吉日

大滝の脇の広場には、2基の石祠と不動明王像がある。不動明王像には「奉造立不動明王乃二世安樂也」の銘文がある。岩壁の高い所に花が咲いているので、なんとか近づいて撮影。初めて見る花で、後日調べるとイワギボウシという花らしい。


大滝


岩壁に咲くイワギボウシ

大滝の下流では伐採作業中。重機が作業道を塞いでいるので立ち止まると、作業員さんとアイコンタクトがとれて、手招きで通過。その先ではクローラ運搬車で木材が運ばれている。重心が高くて、ひっくり返ったら大事だ、とハラハラしながら付いて歩く。すぐに左の山道に入って、樹徳高校大滝山荘の前に出る。駐車地点は車道を右へすぐの所だ。3時間ちょいのごく軽い山歩きだったが、新しい発見もあり、良い気晴らしになった。


大滝の下流では伐採作業中


駐車地点に戻る

帰りは梅田橋を左折した所の平和屋に昼食で立ち寄る。大家族の他、お客さんが数組いて繁盛している。ホルモン定食(730円)を注文。これはかなり美味しくて大満足。それから、梅田のカインズホームに立ち寄って買い物をしたのち、帰宅した。