鳴神山
予報によると、この日曜日の天気は不安定で、午後からは雷雨になるとのこと。山歩きは休みにするかな、と思って、午前3時半からのサッカーW杯アジア最終予選をテレビで観戦し(バーレーンに3対2で辛勝)、試合終了後ベッドに潜り込み、朝8時頃にのんびり起き出ると…意外や意外、青空が広がって良い天気でないの。これは有効利用しないと、もったいない。午前中は好天がもちそうなので、近場の軽い山歩きに出かけることにする。まだ歩いたことがないコツナギ橋から鳴神山へのコースを歩いて来ました。
自宅を車で出発し、途中のコンビニで食料と飲料を調達して、鳴神山の登山口まで30分弱で着く。良く晴れているが、鳴神山の上には雄大な積乱雲がモクモクと湧き始めている。大滝口を少し過ぎた路側のスペースに車を置いて、コツナギ橋に向かう。途中の道路脇の岩場には多数の庚申塔と石仏、石灯籠がある。一面六臂で蛇を摑んだちょっと異形な青面金剛(しょうめんこんごう)像に目を引かれる。
コツナギ橋は支流にかかる小さな橋で、近くに小さなログハウスがある。橋を渡ってすぐ先が鳴神山の登山口で、登山道に入ると最初は沢沿いの作業道を歩く。杉林の下の湿った草むらにタマアジサイやミズヒキ、ツリフネソウが咲いていた。
作業道を10分程歩くと細い山道となり、左岸から右岸へ沢を渡る。沢は最近の長雨で増水していて、飛び石伝いに渡るのは危なっかしい。むしろ、流れに入って渡るのが吉(登山靴の防水が効いていれば、中は濡れない)。山道の足元は、水気たっぷりで生き生きした緑に覆われている。小さな滝(イズクの滝と呼ぶそうだ)があり、折からの増水が奔流となって落ちていた。
山道は何度も沢を渡り返す。ワサビ田の跡を過ぎると沢の水は徐々に減じる。杉林の斜面がロープで区切られたカッコソウ保護地の横を登ると、鳴神山の北の鞍部の椚田(裏の肩)に登り着いた。
椚田から鳴神山への稜線は、今年4月のアカヤシオの時期に歩いている(山行記録)。今はレンゲショウマが一輪と、ヤマジノホトトギスがポツポツ咲いていた。幹の下の方の皮が剝ぎ取られているアカヤシオが多いのが気になる。途中で会った、鳴神山に詳しいハイカーさんの話によると、これはシカの食害によるもので、肩の広場の下にあったレンゲショウマの群落も被害を被っていたとのこと。
鳴神山の山頂に着くと、ハイカーさんが3人寛いでいて、アキアカネがツイーツイーと飛び回っている。周囲の木の葉はちょっと色づき始め、頂上の一角にはススキの穂も出ていて、秋の気配が近い。やがてハイカーさんは下って行って、一人だけの頂上になった。もやって遠望はないが、周辺の緑深い山並の眺めを楽しむ。今度は紅葉の時期に来たいな。
パンを齧って空腹を宥めたあと、肩の広場を経由して大滝口に下る。しばらく下るとコンクリート簡易舗装の林道が現れる。短い区間だが、急坂に長雨でコケが付いてぬめっており、滑って危ない。その先の林道も流水で崩壊が進み、ガラガラの沢と化していて、注意して下る。
ゴロゴロの道(というか沢)を苦労して下ると大滝に着いた。以前、大滝を見た時は水量が少なくて、しょぼいなーと思ったが、今日は水量が多くて堂々の滝だ。滝の前には小平地があり、不動尊が祀られている。滝壺のほとりに腰掛けると、水飛沫で巻き上がった涼風が吹き当たり、とても心地良い。
大滝でしばらく涼んだ後、大滝口(滝からはすぐ)に下り、駐車地点まで戻った。天気がもったのは幸いだった。それから桐生♨湯ららに行って午後2時頃に帰宅すると、予報通り大粒の雨が降り出した。