1138m三角点峰〜高ジョッキ〜丸岩

2017年11月12日(日)
天気:
メンバー:T
行程:諏訪神社 7:50 …大峰 8:30 …展望岩場 9:05 …1138m三角点峰 9:25 …1132m標高点 10:20 …1209m三角点峰 11:10〜11:45 …高ジョッキ(1238m) 12:05〜12:20 …須賀尾峠 12:55 …丸岩(1124m) 13:30〜13:35 …須賀尾峠 14:05
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

2週連続で週末を直撃した台風や締切仕事のため、約一ヶ月、山歩きからご無沙汰した。今度の日曜日は天気が良さそうなので、久し振りの山行を計画。行き先は東吾妻町と長野原町の境にある高ジョッキにする。R406が越える須賀尾峠から一般登山道が通じ、往復1時間半程で登れるポピュラーな山だ。しかし、それではアッサリし過ぎで物足りない。地形図を見ると、町境稜線から南に派生する尾根上に標高1138.3m三角点の無名峰(以下、1138m三角点峰)があり、ここから尾根伝いに高ジョッキを目指すと面白そうだ。

1138m三角点峰にはどこから登ろうか。ネット上に登った記録はなく、唯一、点の記では西麓の矢竹地区から登っている(ちなみに点名は矢竹、2015年新設の三角点である)。それも登路の候補だが、地形図で南東山麓の須賀尾地区に記載された神社マークが気にかかる。もしかしたらここから山頂への参道みたいな物があるかも。Googleマップからこの神社は諏訪神社と言うことが判り、ついでにストリートビューで駐車場があることも確認する。これは好都合だ。諏訪神社を登り口とし、高ジョッキからは須賀尾峠に抜け、峠から自転車でR406を下って諏訪神社に戻る計画を立てて、出かけてきました。

桐生を朝5時過ぎに車で出発。R50、R406を走って須賀尾峠まで行き、マイ自転車 Radon I 号をデポ。道端の道路標識のポールにチェーンで固定する。須賀尾峠からR406を戻り、諏訪神社向かいの駐車場に車を置く。特に標識等はないが、多分、参拝者のための駐車場だろう。駐車場から見渡すと、温(ぬる)川の開けた谷の奥に浅間隠山が朝日を浴びてゆったりと聳えている。今日は快晴で穏やかな、絶好の山歩き日和だ。

まず、諏訪神社にお参りする。神社前には関越交通の「諏訪神社前」バス停がある(路線は権田車庫〜浅間隠温泉郷)。枯葉が積もった石段を上がると、屋根が朱色に塗られた立派な社殿が建つ。境内は杉の大木に囲まれて、なかなか荘厳な雰囲気がある。

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諏訪神社向かいの駐車場

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諏訪神社

神社左脇から山に向かう未舗装の林道がある。これを登ればいいのかな。民家の庭先にちょうどおばあさんが出ていらしたので、挨拶して、ここの裏山に登る道があるか尋ねると、あるとのお答え。この林道を登ると鳥居があり、沢を渡って尾根を登る。頂上にはお宮があり、10月にはお祭りで登る人がいる。子供がいないので、参加者は少なくなった、とのこと。山名は「おおみね」と言うらしい。道があるとは期待通りで、幸先が良い。

林道を辿り、電気柵をゲートグリップを摘んで開閉して通ると、おばあさんの話の通り、古い木の鳥居があり、これを潜って進む。

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諏訪神社左脇の林道に入る

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一番目の鳥居

道は微かな踏み跡となり、砂防堰堤の下で小さな沢を跨いで右岸に渡る。次の砂防堰堤を越え、沢に沿って踏み跡を辿るが、どうも道が怪しい。引き返すと、沢沿いの道から切り返して山腹を登る踏み跡を発見。これはうっかり見過ごしていた。

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沢を渡る

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切り返して山腹を登る

すぐに踏み跡は浅い谷に入る。谷の二股で踏み跡が分かれるところは左へ。なおも浅い谷を登ると、二つめの古い木の鳥居がある。

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左に入って浅い谷を登る

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二番目の鳥居

鳥居の先は急斜面で登るのは大変そうなので、左に折れて山腹を斜めに上がる。微かな踏み跡があり、これを辿ると楽に小尾根の上に出る。尾根は葉を落とした雑木林に覆われていて、藪は全くない。

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左の山腹を斜めに上がる

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小尾根の上に出て登る

露岩の多い尾根を登る。傾斜が増すとジグザグの踏み跡が現れる。これを頼りに急坂を登り切ると、石垣の上に立派な社が建てられた小ピークの頂に着く。この社は覆屋で、中に大小3基の木の祠が祀られている。ここはまだ目指す1138m三角点峰ではないが、おばあさんの言っていたお宮に間違いなく、おおみね(以下、大峰と漢字を当てる)と呼ばれる頂だろう。どうも私とおばあさんで、考えていた山がズレていたようだ。しかし、そんなことはどうでも良く、こんなに立派なお宮があるとは思っていなかったから、この発見はかなり嬉しい。

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大峰頂上直下の急坂

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大峰頂上に建つ立派な社

大峰から短い急坂を下るとすぐに登りに転じて、冬枯れの雑木林に覆われた尾根を落ち葉を踏んで急登する。山行のブランクで鈍った体にはきついものがある。急登が一段落すると、雑木林を透かして行く手の頂上稜線や、左手に浅間隠山を望む。もう少し早い時期ならば、紅葉が綺麗そうな樹林が広がる。

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一旦下って再び急登

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急登が一段落して浅間隠山を望む

再び傾斜が増して、左隣の枝尾根には岩場が見える。低木に覆われた急斜面に取り付くと、程なく岩場に突き当たる。正面突破もできなくはなさそうだが、ここは左から回り込んで登ると、あっさり岩場の上に出る。

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またまた急登

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岩場に突き当たって左から登る

小さな岩稜状の岩場の天辺には石祠がある。この岩場は南から東にかけて浅間隠山や笹塒山、榛名山の展望が開け、緩やかに開けた温川の谷間を俯瞰する。うーむ、素晴らしい。これは大峰に続く二つめの嬉しい発見だ。

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展望岩場

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展望岩場の石祠

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展望岩場から榛名山(右奥)を望む

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展望岩場から浅間隠山を仰ぐ

しばし展望を楽しんだのち、頂上へ最後の急坂に取り付く。この急登は地形図の等高線の詰まり具合から予想はしていたが、実際、かなり急。疎らな立木を頼りに、時々ズルッと滑りながら手足総動員で這い上がる。ようやく登り着いた頂上稜線は南北に延びてなだらか。北に僅かに登って菱形の大岩を過ぎると、1138m三角点峰の頂上に着く。

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頂上稜線へ最後の急登

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頂上手前の菱形の大岩

頂上に設置された三角点標石は、御影石製の見慣れた物ではなく、細いコンクリ柱に円形の金属プレートが埋め込まれた物。最近の標石は随分簡素だなあ。なんか、有難味が薄い(^^;)。周囲の樹林は多分測量の際に切り開かれたのだろう。疎らな木の間から、ちょこんと突き出た高ジョッキの鋭鋒や、大きな鈍角三角形の菅峰(かんぽう)、遠くに薄っすらと冠雪した浅間山を望む。

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1138m三角点峰
背景の鋭鋒は高ジョッキ

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H27年に設置された四等三角点

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1138m三角点峰より菅峰を望む

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1138m三角点峰より浅間山を遠望

しばらく休んだのち、町界稜線に向かって北に尾根を辿る。冬枯れの雑木林に覆われて、道型はないが藪もない。この山域の地質によるのだろうか、丸っこく大きな露岩が多い。(後日、地質Naviで調べると、ここの地質は安山岩・玄武岩質安山岩、溶岩・火砕岩だそうだ。)小さなアップダウンはあるが、概ねなだらかで歩き易い尾根が続く。

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北へ雑木林の稜線を辿る

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丸っこい大岩が多い

冬枯れの木立を透かして右側を眺めると、少し遠くに山を削った巨大な法面や工事現場らしき物が見える。あれはなんだろう。(後日調べると、山は金花山(1072m)で、八ッ場ダムの原石山・骨材プラントヤードがあるそうだ。)

町境稜線上の1132m標高点に近付くと丈の低い笹原が現れる。ふと気が付くと、少し先にカモシカがいて目が合う。笹を食べていたのだろう。丸々と太って銀色の暖かそうな毛皮に包まれ、見るからに健康そうな(そして美味そうな^^;)カモシカだ。好奇心が強いのか、しばらくにらめっこした後に去って行った。

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1132m標高点近く
低い笹原が現われる

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カモシカと遭遇

1132m標高点は雑木林に覆われた小ピークで、木立を透かして北面の白岩沢の谷とその先の吾妻渓谷が見下ろせる。谷から北風が吹き上がってきて、急に寒くなる。ここで左に折れて町境稜線を西へ、1209m三角点峰に向かう。

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1132m標高点
北麓の吾妻渓谷を望む

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1132m標高点から
1209m三角点峰(右)を望む

稜線の右(北)側は白岩沢へ切れ落ちた崩壊壁となっている。一旦下った後、崩壊壁の縁の痩せ尾根の急登となる。特に危険なところはないが、一箇所、岩場を直登し、続いて右から巻く所は注意を要する。

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稜線の右側は崩壊壁

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崩壊壁の縁を登る

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岩場を直登

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この岩場は右から巻く

灌木に覆われた稜線を、時々、枝を払いのけながら登ると、展望が開けた小ピークの頂上に出る。右側は切れ落ちた岩壁で、行く手に1209m三角点峰から高ジョッキ、須賀尾峠へと続く町境尾根、さらには、右に長く一直線に尾根を延ばす菅峰が眺められる。高ジョッキは稜線から正にΛ字形に突き出て、その尖り具合がなかなかカッコ良い。背景には白く冠雪した草津白根山の山裾が広がり、草津温泉も眺められる。高ジョッキのこちら側の稜線は登れるのか心配していたが、見た目、通行困難な岩場等はなさそうだ。

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展望ピークから菅峰を望む

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展望ピークから望む
高ジョッキの鋭鋒

展望ピークからガレた短い坂を下り、灌木の間の踏み跡を登って10分程で1209m三角点峰に着く。こちらの三角点標石は見慣れた御影石製。樹林に囲まれてスッキリした展望はないが、切り開かれた明るい小平地なので、ここで昼食にしよう。レトルトパウチの鯖味噌煮をつまみながらDRY ZEROを飲み、お湯を沸かしてカップ麺の豚汁うどんを作ろうと思ったら、( ̄▽ ̄;)!!ガーン、ガスカートリッジを忘れた。何か忘れ物をしているような気がしていたが、ここに至って判明。山行のブランクのせいか、ボケてんなー。まあ、残りの行程は短いし、非常食のブロックチョコレートを食べれば持つだろう。

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1209m三角点峰への登り

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1209m三角点峰頂上

簡略化した昼食後、高ジョッキに向かう。雑木林を透かし、とんがって聳える高ジョッキを眺めながら近づく。灌木の間の踏み跡を辿り、最後はかなりの急坂を四駆で登って、高ジョッキの頂上に着く。

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高ジョッキへ向かう

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高ジョッキ頂上直下の急登

頂上にはおじさんのハイカーさんが一人。変な方向から登って来たのでびっくりされていて、しかもこの方、これから町境稜線を金花山まで縦走するつもりとのこと。念の為、8mmザイルも用意されている(今回、私も細引きを携行したが、使わずに済んだ)。お互い、変なルート考えますね、と笑い合う。菅峰も須賀尾峠から往復できるけど、やはり×××が気になりますよね、とここでも意見が一致。工事関係の仕事でこちらにいらしていて、この近辺の山がとても気に入り、あちこち歩かれているそうである。

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高ジョッキ頂上

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高ジョッキから北麓の吾妻渓谷
王城山と高間山

話が楽しく盛り上がったが、頂上からの展望も素晴らしくて楽しい。北側は切れ落ちて、眼下に吾妻渓谷を俯瞰し、対面に王城山〜高間山を望む。その背後の彼方には上信越国境稜線を遠望する。まだあまり白くはなっていないようだ。

西には菅峰とその左奥に浅間山、北西にはなだらかで広大な山裾をもつ草津白根山を望む。東の眺めでは、小さいながらも険しい堂岩山が目を引く。奥に見える三角形の双児峰は吾嬬山と薬師岳で、その右に小さく岩櫃山も見える。

頂上の南側も浅間隠山から竜ヶ岳、笹塒山にかけての山並みが良く眺められる。

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高ジョッキから西の眺め

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高ジョッキから東の眺め
手前の瘤が堂岩山

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影高ジョッキと堂岩山(後方)

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高ジョッキから笹塒山、竜ヶ岳
浅間隠山(右)を望む

展望を堪能し、おじさんにお気をつけてと声をかけて別れ、頂上から西に下る。露岩のある急坂を下ると、烏帽子岩と丸岩がよく眺められる。特に丸岩は壮絶な岩壁を巡らして、何であんな形の山ができたのか、見るたびに不思議に思う。

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高ジョッキから西へ急な下り

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烏帽子岩と丸岩を望む

坂を下り切るとなだらかな稜線となり、明るい雑木林の間をのんびり歩く。振り返ると高ジョッキの鋭鋒が仰がれるが、常に木の間越しとなり、邪魔物なく眺められるポイントはない。やはり東の展望ピークが高ジョッキを一番格好良く眺められるポイントだな。

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なだらかな稜線を辿る

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1173m三角点峰

1173m三角点峰(点名は須賀尾峠で、ここも2015年新設)で左折し、菅峰を仰ぎ見ながら広く緩い尾根を下る。風も収まって、穏やかな秋の日差しが降り注ぐ。こういうのんびりした雰囲気の山歩き、良いよねー。

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菅峰を仰ぎながら峠へ下る

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須賀尾峠に到着

程なく須賀尾峠に到着。首がなく、代わりに球が乗ったお地蔵さんがある。自転車はデポしたまま、ちゃんとあるな。まだ13時で、充分な時間の余裕があるので、序でに丸岩に往復することにする。

峠の北側に車4台分程の駐車余地があり、ここからR406をショートカットして谷を緩く下る。再びR406に出会う辺りに丸岩入口の道標がある。入口付近の路側にも駐車がある。

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須賀尾峠の子育地蔵

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峠北側の駐車スペース

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北へショートカットして下る

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丸岩入口

入口から、細いがはっきりした登山道が山腹をトラバースして続く。ここで、今日唯一の綺麗な紅葉を見る。登山道は烏帽子岩の基部を横切って続く。この辺りは崖錐で岩がゴロゴロしており、見上げる烏帽子岩の岩壁は脆そう。頭上に注意を払いつつ歩く。

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今日唯一の鮮やかな紅葉

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烏帽子岩の崖錐をトラバース

烏帽子岩と丸岩の間の鞍部に出、なだらかな雑木林の斜面を登って丸岩の頂上に着く。展望のない地味な頂とは聞いていたが、その通りで、この下の断崖絶壁は見えない。しかし、樹林の間から北面を覗き込むと眼下に山麓の集落が見えて、急峻さの片鱗が窺える。

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なだらかに登って

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丸岩頂上

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木の間から北麓を俯瞰

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帰り道で高ジョッキを望む

須賀尾峠へは往路を戻る。防寒のため手袋とフリースを着けたのち、Radon I号で峠道を下る。程よい傾斜で小さなカーブが連続し、快適なダウンヒルが楽しめる。たったの11分で諏訪神社に到着。自転車の下りは楽だなあ。

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須賀尾峠に戻る

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鳩の湯温泉三鳩楼

帰りは浅間隠温泉郷の鳩の湯温泉三鳩楼に日帰り入浴で立ち寄る(800円)。年代を感じさせる旅館で、薄暗い廊下を下った奥に浴室がある(露天風呂もあるが、冬季閉鎖中)。湯船の蓋をどけて入浴する。山歩きの後の温泉も超久し振りである。ぬるめの湯に長湯して、かなり気持ち良くのんびりと過ごしたのち、往路を戻って桐生に帰宅した。


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