熊倉山

天気:☀️
メンバー:T
行程:城山コース登山口 8:00 …996m標高点 8:40〜8:50 …日野コース分岐 10:20 …熊倉山(1427m) 10:30〜11:25 …日野コース分岐 11:30 …笹平 12:00 …水場 12:10 …官舎跡 12:40〜12:50 …林道三又線終点 13:15 …林道三又線起点 13:30 …城山コース登山口 13:40
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先月、秩父御岳山四阿屋山に登ったとき、荒川の南岸にギザギザとピークを連ねる熊倉山を眺めて、再び登りたくなった。熊倉山には、2019年のGWに矢岳〜酉谷山〜熊倉山を1泊2日のテント泊で歩いた際に登頂している。そのときは熊倉山の頂上から小幡尾根(城山コース)を下ったのだが、この下りが急で標高差も約800mあり、なかなか大変だった覚えがある。最近は小さな山歩きが続いたから、ここらで足試しに負荷のかかる山歩きがしたい。城山コースから熊倉山に登ると良いトレーニングになりそうだ。という訳で、城山コースを登り、日野コースを下って周回する計画を立てて、歩いてきました。

桐生を早朝に車で出発。R140バイパス、R299、白久駅前を経由して谷津川沿いの林道熊倉線を上り、城山コース登山口の駐車スペースに車を置く。他の駐車はない。

これから登る小幡尾根の急斜面を高々と見上げて気合を一つ入れたのち、尾根上の登山道を歩き出す。最初はなだらかな尾根道だが、すぐに杉林の急斜面に取り付いて、ジグザグを切って登る。道幅が狭く微かな区間もあり、とにかく急斜面なので滑落注意。

城山コース登山口
杉林の急斜面を登る

途中、中弛みがあるが、雑木が混じる杉林に入って再び急登。996m標高点に登り着いて、ようやく傾斜が緩む。この地点には「城山コース№8」の道標がある。

尾根道をゆるゆると登ると、だんだん尾根幅が狭まって「城山コース№6」の道標のある小ピークに着く。アセビなどの樹林に囲まれて眺めは乏しいが、木立透かして行く手に熊倉山や蝉笹山のピークが高く眺められる。頂上付近には白く積雪が見えるが、この時点では、雪の量は大してないだろうと思っていた(ので、軽アイゼンやストックは装備に入れていない)。

996m標高点付近
細尾根を辿る
「城山コース№6」標識
小ギャップから急登

小ピークから一旦少し下り、小ギャップの底から露岩に木の根が絡む急坂を登る。急坂を登り切った地点に「落石・足元注意!」という文字が掠れた看板がある。露岩の多い尾根をアップダウン。一部は小さな岩稜となっている。再び急坂の登りとなり、また「落石・足元注意!」の看板を通過。大岩が現れ、右から巻く。この辺りから残雪が現れる。先行者のトレースは全くない。小さな岩場を越え、杉林に囲まれた尾根道を登ると「奥秩父自然遊歩道№26-2」の道標のある地点に着き、ここで右から本谷コース(廃道)を合わせる。このすぐ先が1238m標高点のピークで、杉やアセビに囲まれた小広い平地となっている。

小さな岩稜を進む
尾根を急登
大岩を右から巻く
1238m標高点付近

1238m標高点のすぐ先で左前に蝉笹山が眺められる。蝉笹山の右手前のピークが熊倉山だろうか。頂上にだいぶ近づいて来て、あと一息に思える。細い岩尾根を辿ると日野コースへの旧分岐がある。左に下れば日野コースの笹平付近に出るが、そこまでの区間は廃道で、下り口はロープで塞がれている。道標もそちら方向を示す板は撤去されている。

蝉笹山を望む
日野コースへの旧分岐

旧分岐を過ぎると一直線状の急な尾根道の登りとなり、標高が上がるに連れて積雪も増えてくる。これは軽アイゼンやストックが必要になるかな。しかし、程よい堅さの雪で楽にステップが刻めるから、まだ壺足で大丈夫。問題はこの先の急坂だ。

積雪は5cmくらい
「落石・足元注意!」の標識

何度目かの「落石・足元注意!」の標識を過ぎると、崖に近い急斜面に突き当たる。ここは前回下ったときも怖かった箇所だ。雪がべったり残っており、凍っていたらアイゼン、ピッケルがあっても難しいが、程よい堅さの雪なので、壺足でも何とか登ることができる。雪が堅過ぎても、柔らか過ぎても、登りが難しくなるだろう。確実にステップを刻みつつ、慎重に登って、なんとか難所を通過。ホッとする。ここは下りたくない。下山の日野コースの雪は大丈夫だろうか。ちょっと心配になって来た。

崖に近い急斜面を登る
雪道を登る

この先も傾斜のある尾根道を登り、日野コース分岐の道標を過ぎて、熊倉山頂上へ最後の急坂となる。堅く締まった雪で、トレースのない雪面に一歩一歩ステップを刻んで登る。登頂後は日野コース分岐までここを下ることになるが、大丈夫だろうか。登りより下りの方が難しい。

日野コース分岐
頂上へ最後の急坂

残雪の量を甘く見たため、最後の方はヒヤヒヤしたが、何とか熊倉山の頂上に登り着く。頂上は細長く平らで、樹林に囲まれて展望は全くなく、地味な雰囲気。地味過ぎて、却って記憶に残っている。熊倉山登山道案内図の看板があり、その前は陽当たりが良くて雪が消え、地面が見えている。奥の小さな岩場の上に三角点標石と、錆びた鉄板に手書きされた「熊倉山」の文字が不気味で有名な山名標識がある。すぐ先の石祠に参ったのち、案内図の看板の前の日向に腰を下ろして昼食休憩。ガソリンコンロでお湯を沸かし、カップ麺の天麩羅蕎麦を作って食べる。

熊倉山頂上
頂上奥の石祠
熊倉山登山道案内図
サクサクと雪を踏んで下山

昼食後、下山にかかる。頂上で1時間弱過ごした間に雪が柔らかくなり、サクサクで丁度良い堅さになっている。お陰で下りもサクサクだ。こんなに雪質が変わるとは、やはり雪は生ものだなあ。

分岐から日野コースに入り、杉林の急斜面をトラバースして下る。この斜面も雪が一面に残るが、サクサクと下れて楽しい。大きく蛇行して下る。途中でこの日初めてのハイカーさんとすれ違い、挨拶を交わす。この先は当然トレースがあり、ちょっとガッカリする😅

日野コースを下る
大岩の横を通過

大岩の横を通過すると緩斜面のトラバースに入り、程なく「笹平」の標識を見る。かつては笹原が広がっていたのだろうか。現在は若い杉植林帯に覆われて、特段の風情はない。

緩斜面をトラバース
笹平

笹平から緩やかな谷間の中を下る。右岸の斜面をトラバースすると「水場」の道標あり。谷間に向かって僅かに下ったところに水場があり、塩ビパイプから滾々と水が湧き出している。

谷間を下る
「水場」の道標
すぐ下に水場あり
杉林の急斜面をジグザグに下る。

水場を過ぎると登山道は谷から離れて山腹をトラバースし、大きくジグザグを切って斜面を下る。途中には小さな岩場の下りもある。振り返って見上げると、蝉笹山から日野に向かって落ちる宗屋敷尾根がギザギザとピークを連ねて、奥山の雰囲気がある。やがて小さな谷間の底に下り着く。すぐ上流には巨大な岩壁を割るようにして水量の少ない滝がかかる。岩を覆う苔の緑が美しい。

下ってきた岩場を振り返る
滝の下流を横断

谷に沿って下ると小さな平地があり、「官舎跡」の標識がある。確かに建物の残骸や陶器の破片が散乱している。多分、営林署の山仕事のための拠点があったのだろう。陽当たりも良く、休憩適地。見上げると宗屋敷尾根が高い。

再び山腹をジグザグに下る道となり。程なく谷の二股に着く。地形はどう見ても二股だが、現地の道標は何故か「三ッ又」となっている🤔

官舎跡
三ッ又

ここからは沢の中を下る。数回、飛び石伝いに水流を渡る。渓流には小滝もあり、なかなか楽しいが、沢歩きはそう長くなく、程なく左岸の林道三又線終点に着く。

渓流を下る
小滝

林道終点は広く、5台くらい駐車可能。また、ここまで車で入ることができ、熊倉山への最短コースの登山口となる。あとは未舗装林道を歩いて林道熊倉線に出、車道を少し登って、駐車地点の城山コース登山口までは僅かの距離だ。今回は頂上直下の残雪の量の見通しが甘くて、ちょっと危ない目にあったが、行程は予想した程キツくなく、現在の脚力が確かめられたのは良かった。

林道三俣線終点
林道三又線起点
キブシ
城山コース登山口に帰着

帰りは地酒の日本酒を一升瓶で買いたかったので、酒屋を探しつつR140を秩父市街に戻る。市街は羊山(ひつじやま)公園で芝桜が見頃らしく、加えて「道の駅ちちぶ」前の秩父陸橋が撤去工事中(2028年3月まで)で通行止めのため、渋滞中。Googleマップで見つけた冨田酒店という店に行き、秩父錦の純米生原酒「霞」1.8ℓを買う。その後、日帰り入浴で秩父川端温泉梵の湯に立ち寄ったのち、桐生への帰途についた。