大崩山・岩山

天気:のち
メンバー:T

関東甲信は平年より1週間遅い6/14に梅雨入りし、この週末の天気予報は早速の雨模様。西から天気が回復し、日曜の午後には晴れ間が出そうな地域もあるが、高い山は天気の回復が遅いから、登ってもガスに巻かれて、何にも見えないかもなあ。テンション下がりそう。低山を歩くことにするか。どこに出掛けようかなあ。

そんなとき、ネット情報で「下仁田あじさい園」のアジサイが見頃と知る。このあじさい園は下仁田ICを降りてすぐの所にあり、西上州の山に出かける度に真ん前を通るので気になっていたが、開花期に訪れたことはなかった。良い機会なので、アジサイを見に行くことにし、ついでに下仁田周辺で興味を持っていた滝を見て、低山2座に登ってきました。

下仁田あじさい園

桐生を朝のんびり車で出発。下仁田ICからR254に出て右折(あじさい園への案内あり)。次の信号を右折し、臨時一方通行の道で丘陵に上がると、一面に広がるネギ畑の中にあじさい園の無料駐車場がある。驚いたことに、あじさい園を見にきた観光客の車で広い駐車場は満杯。県外ナンバーも多い。スタッフに誘導されて、路側に縦列駐車する。ネギ畑から四方に眺めが開け、先月歩いた稲含山や大桁山、神成山など西上州の山々を一望する。

あじさい園は、段丘のR254に面した斜面に広がる。協力金300円を払って入園。斜面を覆うアジサイ群落を一周する遊歩道を歩き、大勢の観光客に混じって、一面見頃のアジサイを鑑賞する。

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馬山丘陵から神成山を望む

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ガクアジサイ

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アナベル

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遊歩道沿いのアジサイ

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アジサイ

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あじさい園より鹿岳を望む

このアジサイはR254からも見えるが、園内でアップで見ると見応えが増すし、山麓や西上州の山々を背景にして眺めるアジサイはなかなか良いものだ。訪れて良かったと思う。

大崩山

行程:下仁田町自然史館 12:30 …登山口 12:45 …大崩山 13:15〜13:30 …登山口 14:00 …下仁田町自然史館 14:05
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

次は下仁田市街を囲むクリッペの1座の大崩山(おおぐいやま)に向かう。その前に腹拵え。中心街の町営駐車場(無料)に車を置き、あじさい園で貰った下仁田のグルメマップを片手に昼飯処を探す。市街もツーリングやドライブの観光客を結構見かける。安兵衛という店に入り、下仁田かつ丼(800円)を食べる。かつは薄いが2枚のっていてボリューム十分。醤油ダレの甘さが美味い。

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下仁田かつ丼@安兵衛

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下仁田町自然史館

満腹したのち、下仁田町自然史館に移動して駐車。自然史館は入館したことがある(山行記録)ので割愛し、下仁田ジオパークの見どころの一つで、車道を隔てた真向かいにある「跡倉クリッペのすべり面」を見学する。これは水平から少し傾いた断層面が青倉川の岸に露出したもので、説明板によると下の青岩(御荷鉾緑色岩)の上に別の地層である跡倉層(恐竜時代の海の地層)が移動してきてできたものとのこと。興味深い。

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「跡倉クリッペのすべり面」入口

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すべり面を見る

すべり面の少し上流に架かる橋で青倉川を渡り、未舗装の林道を辿ると、曲がり角に「下仁田九峰 城山(大崩山)登山口」の新しい道標があり、山道が分岐する。ちなみに九峰とは、稲含山、大山、御嶽山、蛍山、富士山、大崩山、川井山、浅間山、伊勢山をいう(新ハイ№627の後藤信雄氏の記事による)。

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上流の橋を渡る

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城山(大崩山)登山口

杉林を登り、左下に草地となった耕地跡を見ながら浅い谷を詰めて、大崩山から南に延びる稜線上に出る。ここには「明治六癸酉(1873)年」の銘のある石祠が西を向いて建つ。

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谷間を奥へ

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稜線上の石祠

杉林に覆われて見通しのない稜線を登る。段々と尾根が細くなり、傾斜が増して、小さな岩場やトラトープが張られた急坂も現れる。行程の短い低山でも、こういうピリッとしたところがあるのに西上州の山らしさを感じて、ちょっと楽しい。

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樹林帯を登る

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細尾根を急登

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岩場も現れる

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トラロープが下がる

最後の急坂は右から回り込んで、大崩山の頂上に着く。頂上は小広い平地で、別名の城山の通り、物見でも築かれていたのだろうか。2020.2.2の日付が記された山名標識がある。緑に囲まれているが、ところどころ、木の間から展望がえられ、山麓を急角度で俯瞰して、小沢岳や四ッ又山、鹿岳、川井山、妙義山、大桁山を望み、浅間山を遠望する。

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大崩山頂上

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大崩山から小沢岳を望む

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大崩山から四ッ又山と鹿岳を望む

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大崩山から妙義山と大桁山を望む

痩せた頂上稜線を少し北に向かうと、下仁田の市街が俯瞰できる。さらに御岳山、大山、稲含山の綺麗な三角錐の山容が近くから遠くへ並ぶ。展望を楽しんだのち、往路を自然史館に戻る。約1時間半の短い行程の山だが、プチスリルに加えて意外と展望があり、楽しめた。次は、蒔田不動の滝に向かう。

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大崩山から下仁田市街を俯瞰

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大崩山から御岳山、大山
稲含山を望む

蒔田不動の滝〜岩山

行程:駐車場 14:40 …蒔田不動の滝 14:50 …林道終点 15:45 …岩山(555m) 16:00〜16:10 …林道終点 16:20 …駐車場 17:00
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

R254沿線のコンビニでアイスとペットボトル飲料を買って喉の渇きを癒したのち、横瀬川沿いの県道下仁田小幡線を走る。蒔田(まいた)不動尊入口の道標で右折。未舗装の枝道に入るとすぐに広い駐車場があり、ここに車を置く。他の車はなく、ガランとしている。

駐車場の一角に「蒔田不動の滝」の説明板があり、それによると正式名称は天雨瀑布(あまうのばくふ)で落差40m、安和(968)年に発見され、不動明王を祀ってお堂が建てられた。滝と上流の岩山は約2億7千万年前のミカゲ石でできている、とのこと。

(下仁田自然学校文庫⑤『下仁田町と周辺の地質』によると落差は25mで、実際に見た感じはこちらの数値の方が近いように思う。)

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蒔田不動の滝入口の駐車場

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西沢川に沿って進む

駐車場から横瀬川支流の西沢川に沿って、未舗装林道を歩き始める。周辺は低い丘陵で、大滝を秘めているような感じがしない。やがて樹林に覆われた谷間に入ると、ヒンヤリとした空気に包まれる。ジオサイトの「蒔田不動の滝」の道標で西沢川の左岸に渡る。

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「蒔田不動の滝」入口<

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穏やかな流れ

左に砂防堰堤を見、右に送電線巡視路を分けると、沢は右に曲がって蒔田不動の滝が現れる。上部は大岩壁を穿って流れ、下部は直瀑となっている。梅雨時で水量が多い。落口は見上げるように高く、見事な滝だ。

湿って滑り易い参道石段を登り、不動尊にお参りする。ここからも滝見ができ、さらに滝壺へ降りる小道がある。入口はトラロープで塞がれ、倒木と落石の危険があるため立入禁止との古い看板があるが、自己責任で侵入。滝壺の手前で滝を眺めて、写真を撮る。滝の右には小さな石仏がある。

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不動尊への階段と滝

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蒔田不動の滝(1)

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蒔田不動の滝(2)

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蒔田不動の滝(3)

不動尊に戻り、このあとどうするか思案。西沢川の上流には岩山(555m三角点峰)があり、その北西に藤山(453m標高点峰)が連なる。藤山〜岩山の稜線は鋸歯状の岩稜となり、北麓のR254からも良く眺められるので、以前から気にはなっていた。

藤山〜岩山を縦走した山行記録は、2018年のヤマレコのkirakirakira氏のレポをはじめ、ネット上にいくつかある。それらを読むと、遠くから眺めたまんまの危険なルートで、完全にエキスパートの領域。単独では歩けそうにない。

しかし、岩山の南の稜線には岩場はなく、ここから西沢川を詰めて南稜線に出れば、岩山に登頂できるかも。今日はアジサイ鑑賞と滝見ついでの山歩きだし、ダメ元、偵察の積もりで行ってみよう。

不動尊の左脇から裏手に回ると、杉林の斜面に擬木の階段道があり、これを登る。

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不動尊

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不動尊の裏手を登る

すぐに林道の三叉路に出る。左に登る道は送電線巡視路に通じているようだ。ここは右へトラバースする林道を進むと、蒔田不動の滝の落口のすぐ上を通る。覗き込むと白い岩を穿って水が落ち、その先は切れ落ちて見えない。

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林道の三叉路に出て右へ

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蒔田不動の滝の落口

滝の上流は穏やかな渓相で、林道は沢沿いをゆるゆると上がって続いている。いくつか作業道が分岐するが、メインの林道を辿る。やがて、沢の左岸をジグザグに登り始める。林道は荒れて、車両は通行不能だが、歩く分には支障はない。

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穏やかな沢を奥へ

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荒れた林道が続く

沢から離れた山腹をトラバースし、奥へ進む。樹林の切れた箇所があり、谷を隔てて黒内山の北尾根が眺められる。ここまで来ると、奥山に踏み入った雰囲気がある。開けた斜面に出ると、林道は夏草に深く覆われているが、左上に切り返してまだまだ続く。

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黒内山北尾根を望む

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林道は左上に切り返して続く

再び草深い斜面を突っ切ったところで林道は終点となる。GPSで現在地を確認すると、岩山の南稜線まで僅かの地点まで来ている。けものの踏み跡を辿って杉植林帯と草地の境界を登ると、ほとんど藪漕ぎもなく稜線上に着く。この地点には「一一二四」と刻まれた境界石標があり、下降点の目印になるだろう。稜線も疎らな樹林に覆われ、藪はない。

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林道終点

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稜線に向かって急登

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稜線上の「一一二四」石標

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なだらかな稜線を岩山へ向かう

なだらかな稜線を岩山に向かう。すぐに土塁のように盛り上がった頂上稜線が現れ、急坂を登って稜線に上がる。痩せて左側が切れ落ちた稜線を辿ると、程なく三角点標石のある岩山の頂上に着く。人の訪れが稀な頂らしく、鎌の錆びた刃先が落ちている他は、山名標識の類はない。

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痩せた頂上稜線を辿る

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岩山頂上

頂上は樹林に囲まれて展望に乏しいが、木立の間から小沢岳や御岳山が見える。鎌抜山(752m標高点峰)や大山が見える箇所もあり、両山の間には稲含山の鋭い頂が眺められる。稲含山はどの方向から見てもシャープな山容で、格好良い。名山だなあ。

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岩山から小沢岳(左奥)と
御岳山(右)を望む

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岩山から稲含山(奥)と
大山(右)を望む

林道が稜線直下まで通じていたため、運よく登頂できて嬉しい。時刻は16時を回り、陽も傾き始めて茜色に染まり始めた。下山は往路を戻るだけで無問題。1時間程で駐車場に戻り、ついでの山歩きにしては色々楽しめた1日を反芻しつつ、桐生への帰途についた。