湯殿山〜野山〜大岩山〜天狗山

2020年4月11日(土)
天気:
メンバー:T
行程:足利公園 11:15 …水道山(93m) 11:20 …立岩山(96m) 11:50 …愛宕山(81m) 12:20 …船頭山 13:00 …湯殿山(160m) 13:25 …野山(297m) 14:05 …障子岩 14:35 …大岩山(417m) 14:55 …両崖山(251m) 16:00 …天狗山(259m) 16:25 …足利公園 17:10
ルート地図 GPSのログ(青:往路、赤:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

コロナ禍の終息が見えないなか、今週末は3密とリスクを避けて近場の低山を歩くことにする。ヤマレコで行き先を探して、足利の大岩山の南西尾根に野山と称する何とも素朴な名の山があることを知る。ハイキングコースが整備され、田中良房氏選定の足利百名山(以下、足百と略)の一座にも選ばれていて、近年よく歩かれているらしい。足利公園を起点にして野山、大岩山、両崖山、天狗山を周回する計画を立てて、出かけて来ました。

桐生をのんびり車で出発。最寄りのコンビニでパンとペットボトル飲料を買って、足利に向かう。通7丁目の切通しを過ぎてすぐ右折、丘の上の足利公園の駐車場に車を置く。

足利には所用でしばしば来ることがあるが、足利公園を訪れるのは初めてだ。良く整備された公園で、足利市街の眺めが良い。説明板によると、丘の上には大小10基の古墳が残されており、近代日本で初めて古墳の学術調査が行われた場所として知られているらしい。

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足利公園駐車場

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足利公園から足利市街の展望

駐車場の隣りに古墳の中で一番大きな第2号墳の塚があり、上がってみる。塚は綺麗な芝生に覆われていて、その天辺に立つと咲き終わりの桜の梢越しに太田の金山が眺められる。

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古墳の丘(第2号墳)から
太田金山を望む

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緑町配水場

駐車場に戻り、反対側の高みへ向かう。緑町配水場の立派な門扉を右に見送って左に登ると、長い階段坂の上に出る。ここから右手の山林に入り、配水場のフェンスに沿って進むと、石鳥居と石祠が配水場を守るように建つ。石祠の裏手が足百№79の水道山の頂上だ。何かの跡と思しきコンクリ製の八角形の台座がある。樹林に覆われて展望はない。

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水道山の取り付き

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水道山頂上の石鳥居と石祠

坂上に戻り、階段坂を下って足利公園西側の今福町に入る。ここから野山ハイキングコースの起点に向かって、今福町と五十部(よべ)町の市街を歩く。車道歩きとなるが、途中に小さな山がいくつかあるので、行き掛けの駄賃でピークハントして行く予定。

なお、この2町に大岩山、両崖山、天狗山のある大岩町を加えた3町は、合わせて三重(みえ)地区と呼ばれている。今日の山歩きでは三重地区の低山を一巡りすることになる。

次は足百№77の立岩山へ。車で桐生から足利市街に入る度に、中腹まで住宅が密集した様子を眺めていた山だ。地形図では96m三角点が置かれているが、山名の記載はない。

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長い階段坂を下る

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県道桐生岩舟線から立岩山を望む

今福町の閑散とした裏通り(三間道路)をしばらく歩いて右折。交通量の多い県道桐生岩舟線を横断し、立岩山の麓にある石鳥居に向かう。

鳥居を潜って石段を上がると、簡素な感じの社殿が建つ。神社名を示すものが見当たらないが、後日調べて稲荷神社と知る。社殿の左には5基の石祠を合祀した覆屋がある。名札によると御嶽神社、吾妻権現、秋葉神社、天満宮、織姫神社で、バラエティに富んでいる。

神社の裏手の車道に出て、古い住宅の間をジグザグに登る。地形図には三角点に至る破線路が描かれているが、その入口は酷い藪に覆われて、通れる気が全くしない。

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稲荷神社

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ここから立岩山に取り付く

藪を避けて最奥の住宅の裏手の通路に入り込むと「若宮八幡宮」の石碑と潰れた石祠がある。辺りの急斜面には廃屋とゴミが点在し、廃れた雰囲気。この先は道なし。木立を掴み、笹藪を掻き分けて急斜面を強引に登り、何とか尾根の上に出る。

少し期待していたが、尾根上にも道はない。右手の高みに向かうと「萬物供養塔」の石碑が建ち、「当山開発者中村元平建之 昭和三十…」と刻まれている。三角点標石が見当たらないのでGPSで位置を確認したら、三角点の150m程東に来ていた。

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萬物供養塔

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謎の東屋

引き返して尾根を辿ると、謎の東屋や「開発記念碑」が建つ。どうも高度経済成長期に山腹に宅地が開発された際、裏山にもいろいろ造られたが、その後、長年放置されて荒れ放題になっているようだ。極め付けは立岩山の頂上で、三角点標石が不法投棄されたバスタブに囲まれている。ヤマレコの記事で知ってはいたが、これはちょっとヒドい(^^;)

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開発記念碑

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立岩山頂上

立岩山から稲荷神社に下り、市街地を桐生方面に向かう。北には新緑に覆われた丘が点在し、その奥に大岩山が眺められる。次は丘の一つの愛宕山へ。登り口には立派な石鳥居が建ち、額束には愛宕神社と刻まれている。鳥居を潜り、幅広く立派な参道石段を一直線に登る。石段が尽きた後も広い山道が続き、緩く登って愛宕山の頂上に着く。

頂上の広い平地には愛宕神社の大谷石造りの社殿が建つ。神社の裏手に、神域にそぐわない電波中継塔があるのが玉に瑕だが、気持ちの良い頂だ。正午を回って腹も減ったので、ここで昼食にしよう。社殿の前に腰を下ろして、タルタルフィッシュロールとWピーナッツコッペパンを齧る。パン屑を地面にこぼすと、アリンコがワラワラと寄って来る。暖かくなって、虫の動きも活発だねえ。

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愛宕神社参道入口

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愛宕山頂上

愛宕神社からは、尾根を先へ辿ってミニ縦走を試みる。道型は薄く、藪っぽい。少し下って登り返したあたりが足百№83の中山のようだが、山名標識は見落とした。

ここから麓に下ろうとしたが、宅地開発で削られた崖に阻まれ、強引に下ったとしても人様の家の庭に不法侵入してしまう。右手の浄林寺の墓地には下れそうだが、折悪く人が居て、藪からガサガサ出て行ったら完全に不審者だ。

下り口をコソコソと探し回った挙句、電波中継所まで戻って西に下る。これも民家の庭先を通るので、素直に愛宕神社の参道を戻るのが吉だ。

住宅街を通り抜け、大岩山の稜線を眺めながら北へ通りを進む。この通りの左手の丘が、足百№90の船頭山だ。三重小学校の正門の向かいに登り口があり、ここから石段を登ると忠霊塔と三重村足利市合併記念碑が建つ。忠霊塔の裏手が船頭山の頂で、古びた山名標識がある。なお、山名の由来は、かつて渡良瀬川舟運で足利も栄えたことによるらしい。

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大岩山の稜線を行く手に望む

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忠霊塔への石段

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忠霊塔

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船頭山頂上

石段を降りて通りを北に進むと、すぐに別の参道石段があり、入口に石鳥居と「青木校長遺徳碑」石碑が建つ。石段を登ると社殿の跡地と思しき平地があり、石燈籠と石祠がある。ここは船頭山から尾根伝いでも来られたな。羹に懲りて膾を吹いてしまった(^^;)。なお、やまの町桐生の「船頭山」の記事によると、この神社は天神様とのこと。

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天神様参道入口

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天神様

通りに戻って北上し、ようやく野山ハイキングコースの起点(湯殿山入口)に到着する。全行程の1/3のところまで来て、2時間かかっているから(記事も長くなった^^;)、下山は17時くらいになりそうだ。まあ、もう日が長い季節になっているから、無問題だろう。

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湯殿山入口

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参道のはじまり

民家の間の車道を上り、二組の石柱の間に張られた猪柵を開閉して、参道の山道に入る。トラロープも張られた急な掘割道を一直線に登る。山神の潰れた石祠を過ぎて登ると、割拝殿のような建物に着く。軒下には注連縄が張られ、(写真では暗くて分からないが)「琴平山」の額が掲げられている。琴平(=金比羅)も舟運に関係する神様だ。

建物の奥には新旧の石祠が数基、思い思いの方向を向いて祀られている。中には「嘉永二己酉歳(1849年)五月吉日」の銘が読み取れる古いものがある。

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琴平山の建物

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琴平山の石祠

琴平山からさらに尾根を緩く登ると、右脇に電波塔を見て、石鳥居と玉垣に囲まれた石祠のある湯殿山頂上に着く。石鳥居の額束には「湯殿山神社」の銘がある。これは立派な神社だ。頂上は鬱蒼と樹林に囲まれているが、電波塔の周囲だけ樹林が切れて足利市街の見晴らしが得られ、ベンチもあって休憩適地。その他、「野山ハイキングコース 湯殿山155.6M」の山名標識、「足利百名山51座 代官山」の標識がある。

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なだらかな尾根を登る

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湯殿山頂上

湯殿山からさらに尾根を辿って緩く下ると、北関東道の切り通しに突き当たる。右折して、フェンス沿いに新設された舗装歩道を歩く。高速をビュンビュン走る車が近い。

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なだらかな尾根を下る

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北関東道に突き当たって右折

北関東道を潜って反対側に抜けると「野山ハイキングコース」の道標がある。フェンスに沿って進むと、屋根が差し掛けられた石祠(山神社)がある。高速の建設の際に移されたのだろう。今は五十部トンネルを出入りする車をひっそりと見守っている。

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北関東道を潜る

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山神社

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北関東道・五十部トンネル

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右の階段を登る

フェンス沿いの道から右に分かれる階段を登り、山道に入って、広い斜面を緩くジグザグに登る。だんだん尾根筋が明瞭になると、三角点標石のある野山の頂上に登り着く。

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広い斜面を登る

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野山頂上

頂上には「野山 三角点 296.8m」の山名標識がある。周囲の樹林は疎で、明るい雰囲気の頂だ。特に東側の展望が開け、これから辿る大岩山に連なる稜線や、両崖山、天狗山、その向こうには、2月に歩いた山王山〜鳩の峰、さらには大小山を遠望する。これらの山々は今がちょうど新緑の時期で、どこを見ても淡い緑が美しい。ベンチに腰を下ろし、水を補給しながら展望を楽しむ。

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野山から山王山〜鳩の峰を遠望

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野山から両崖山と大小山を望む

野山からは新緑の雑木林に覆われた稜線歩きとなる。林間には薄紅色のヤマツツジや薄紫のトウゴクミツバツツジがあちこちに群れ咲いて、目を楽しませる。

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ヤマツツジ

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新緑の尾根を辿る

ところどころで展望が得られ、天狗山(259m)を見おろして関東平野を一望する。左前方になかなか高い岩壁が現れる。岩壁を左手に見ながら細尾根を登る。振り返ると山麓のゴルフ場が俯瞰される。周囲には新緑の山野が広がり、遠くには広沢丘陵が長々と横たわる。

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天狗山と関東平野を望む

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左手に岩壁を見ながら登る

程なく細長く平坦な頂に登り着く。ベンチや「障子岩 378m」「山つつじ散策コース」の標識がある。確かにツツジが多かった。紅葉の時期も期待出来そうだ。展望も素晴らしいし、このピークはお勧めだ。コースを整備されたコロナ会の方々に感謝である。

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岩壁の上から山麓を俯瞰
遠景は広沢丘陵

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障子岩頂上

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障子岩から仙人ヶ岳方面の展望

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障子岩の標識

障子岩の少し先で右(南)に尾根が派生し、踏み跡が通じているが、そちらは私有地に付き立入禁止という旨の立て札がある。

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378m標高点の南尾根は通行禁止

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平坦な尾根を辿る

尾根を直進すると、右斜面が広大に伐採された地点に出る。行く手には大岩山が間近に眺められる。伐採地を囲む防獣ネットの沿って尾根を辿る。伐採の範囲は山麓に至り、谷間を走る北関東道が見える。その向こうには両崖山と天狗山が並んで眺められる。

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伐採地の上に出て大岩山を望む

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両崖山と天狗山を望む

大岩山へは、一旦、鞍部に下って登り返す。鞍部では右に大岩山西公園の駐車場への道を分ける。両崖山からの縦走路を合わせ、ひと登りすると頂上に着く。

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大岩山〜両崖山縦走路に合流

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大岩山頂上

大岩山(足百№9)に来たのは5年振り3回目だ。時刻は既に15時で、日没まで3時間余。大岩山〜両崖山両崖山〜天狗山はそれぞれ歩いたことがあるから、ここからはピッチを上げて歩こう(山行記録も簡潔に記す)。

大岩山から椿の混じる樹林帯をジグザグに下って、車道終点になっている東公園に出る。左に分岐する登山道は、行道山を巻いて浄因寺に通じているらしい。一度、歩いて見たいかも。縦走路を直進し、一旦、車道を経て、275m三角点峰に登る。この登りはなんか足が重いぞ。三角点を越えると展望の良い岩場があり、北関東道や三重地区の市街を望む。

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大岩山東公園

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縦走路を辿る

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一旦、車道に出る

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展望岩場から天狗山(左)と
北関東道の眺め

少し下って車道を横断し、階段道を交えたアップダウンの多い尾根筋の道を辿る。ハイカーさん数組と交差。遅い時間帯なので、人数は少ない。大岩町への道を右に分けて階段道を上り、雷電神社分岐を通過。天狗山がだいぶ近づいて来た。

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車道を横断

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急な階段道を登る

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雷電神社分岐

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天狗山を望む

日が傾き始めるなか、誰もいない両崖山(足百№31)頂上に到着。水を飲んで少しだけ休憩し、天狗山に向かう。

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両崖山まであと0.1km

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両崖山頂上

両崖山から天狗山との鞍部に下る道はトウゴクミツバツツジが盛りだ。ヤマツツジも咲いている。鞍部で左に本経寺、右に大岩山への道を分ける。天狗岩の岩場を登り、稜線を少し辿って天狗山(足百№30唐沢山)の頂上に着く。

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天狗山に向かう

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トウゴクミツバツツジ

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天狗山頂上

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天狗山から大岩山を望む

天狗山からの展望は相変わらず素晴らしい。北には、今日歩いて来た野山ハイキングコースの稜線と大岩山が眺められる。あのなだらかな稜線の中央が障子岩だが、大きな岩場があるようには見えない。南には足利市街とこれから歩く南尾根を俯瞰し、関東平野を一望する。傾きかけた日差しがいい感じの色合いを与えている。今日一日良い天気だったが、薄雲が広がり始めているようだ。

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天狗山から南麓の眺め

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天狗山から南尾根を俯瞰

あとはほぼ下り一方だ。かわら山(202m標高点)付近で本経寺への道を分け、展望台(富士見岩)は今回は立ち寄らず通過。須永山(足百№43)を経て、観音山(足百№56)からちょっと急な下りとなり、子安観音に着く。それから参道石段を下って県道桐生岩舟線を横断し、坂道を登って足利公園の駐車場に帰り着いた。

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須永山頂上

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観音山頂上

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庚申塔群と子安観音

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階段を下って県道桐生岩舟線へ

今日は足百のピークを11座も踏んで、低山とは雖もなかなか歩き応えがあった。また、後半、足が重くなったが、先週の仙人ヶ岳より調子が良かった。やはり、睡眠と週一の山歩きは重要だな。帰りにココイチに立ち寄って夕食を摂ったのち、桐生に帰った。

P.S. この山行記録を編集中の4/16に、新型コロナ対策として緊急事態宣言が全国に発令された。私の職場も在宅勤務となり、自宅に引き籠もっているように、との圧を感じる(^^;)。宣言が解除されるまでは、近場のマイナー低山歩きが続きそうである。

参考URL:足利市HP「ふるさと「みえ」散策マップ・みえの里山ハイキングコース」、やまの町桐生「かわら山」「湯殿山/琴平山」。


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