仏頂山〜高峯

2017年11月19日(日)
天気:
メンバー:T
行程:稲田駅 8:00 …楞厳寺 9:25 …仏頂山(431m) 10:10 …奈良駄峠 10:55 …418m標高点 11:10〜11:40 …高峯(520m) 12:05 …見晴らし台 12:15〜12:30 …登山道入口 12:55
ルート地図 GPSのログ(赤:徒歩、青:自転車)を地理院地図に重ねて表示します。

この週末は強い寒気が入って、北日本と日本海側では本格的な降雪、関東も日曜日は晴れるが、寒さが厳しいとの予報。急に寒くなってまだ体が慣れていない感じなので、比較的暖かくて天気が良さそうな低山がいいかな。という訳で、茨城・栃木県境の鶏足山塊の二座を繫いで歩いてきました。

桐生を未明の朝5時過ぎに車で出発。太田桐生ICから北関東道に乗り、東に向かう。夜明け前で、星が瞬く紺色の空が東の水平線から曙色に変わって行く様子が眺められる。栃木都賀JCTを過ぎた辺りで日の出を迎え、ほぼ真っ正面に太陽が昇る。目が、目がぁ〜!サンバイザーを降ろしても遮れず、大変眩しい。しかし天気が快晴なのは幸い。筑波山や加波山がくっきり見え、右手には関東平野の遥か彼方に白い富士山が浮かぶ。

桜川筑西ICで北関東道を降り、R50を少し西進して岩瀬市街で左折、北進して栃木県茂木町方面に向かう。低い丘を二つ越えると、広く開けた畑地の向こうに曙色に染まった高峯のゆったりとした山容が眺められる。低山だが、平野を画して聳えているので、なかなか見栄えがする山である。今日は県境の登山口にマイ自転車 Radon I 号をデポし、仏頂山から高峯へ縦走して来て、自転車でJR水戸線岩瀬駅に下山する計画である。

県道深沢岩瀬線で県境を山越えし、栃木県に少し入った所で「仏頂山・高峰山遊歩道案内図」の看板と道標に導かれて右折。林道を少し上がると、道標と4台分程の駐車スペースのある登山道入口に到着する。既に車が1台ある。Radon I 号をデポし、自転車で下る際のルートを、今回は長くて複雑なので、下見して覚えながら岩瀬駅に向かう。

昨年、加波山〜雨引山を歩いた際にも使わせて貰った岩瀬駅南のりんりんロードの駐車場に車を置き、岩瀬駅7:44発の列車に乗車。三つめの稲田駅7:56着で下車する。ここから仏頂山登山口の楞厳寺(りょうごんじ)まで、山麓の約5.6kmの道のりを歩く。

稲田駅前に出ると、歩道は真新しい御影石の石畳で、駅名標も御影石、駅舎の隣りには「石の百年館」というこれまた御影石の瀟洒な建物がある。ここに来るまで迂闊にも知らなかったのだが、稲田は稲田石と呼ばれる白御影(黒雲母花崗岩)の産地で、日本最大の御影石産地。最高裁判所や日銀本店新館などにも使われているそうである。へぇー。

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朝焼けに染まる高峯を望む

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稲田駅と石の百年館

駅前通りを北に進む。石のオブジェのある公園や石を讃える石碑など、いずれも新しい築造物がある。R50を横断して直進。この四つ辻には「石切山脈」と刻まれた大きな石碑があり、稲田石の石切場を指して、こう称しているそうである。ふと、脇を見ると、キャットタワーから眼光鋭く通りを監視中の2匹のネコと目が合う。なかなか美形のネコやね。

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稲田駅前の石碑

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ネコに遭遇

清流に沿って歩くと、行く手に石切場の大岩壁が見えて来るが、その手前で右折。後日調べて知ったが、あそこが石切山脈で、最近は観光スポットになっているそうである(見学希望の場合は要事前連絡)。これは立ち寄って、見ておきたかった。

少し坂を登ると、丘の上に石材工場が集まった一角(笠間市稲田石材団地)があり、その入口に「稲田匠の衆」と刻まれた巨大な石看板がある。これはでかい。重さはどれ位あるんだろう(ちなみに概算すると、花崗岩の比重を2.75g/cm3 = 2.75t/m3、形状を5m × 2m × 2m = 20m3の直方体として、質量は55tとなる)

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奥に石切山脈を見る

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石材団地入口の巨大な石看板

石材団地のある丘を下り、しばらく車道を辿ったのち、ショートカットの未舗装の林道に入る。溜池のほとりを通って、再び舗装道に出る。丘の上の吹上の集落を通り抜け、穭田(ひつじだ)が広がる浅い谷の山際を登ると、楞厳寺山門がある。

傍の石碑の説明書きによると、楞厳寺の創建の時代は明らかでないが、鎌倉時代中期、笠間城主笠間時朝(ときとも)が再興し、千手観音立像を寄進。本堂は江戸時代初期に火災で焼失したが、山門は(離れていたので)焼失を免れた。室町時代の貴重な建物とのこと。へぇー、そんなに古い物だとは。確かに素朴な感じがする。

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溜池のほとりを通る

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楞厳寺山門
(国指定重要文化財)

山間に入ると仏頂山登山道の入口に着く。2台分の駐車スペースがある他、参拝者用の広い駐車場がある。楞厳寺はここから直ぐなので、お参りして行こう。苔に覆われた参道石段を登って境内に入ると、古いお堂の奥に新しい本堂があり、正面階段には鉢植えの菊が飾られている。境内と裏手の山はヒメハルゼミの有名な発生地だそうだが、もちろん、今はシーンと静まり返っている。鳴き頃は7月中旬とのこと。

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楞厳寺参道石段

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楞厳寺本堂

登山道入口に戻って、山道に入る。この道は関東ふれあいの道にもなっている。小さな谷に沿って、下生えにアオキが繁る薄暗い樹林中を登る。やがて擬木の階段が現れて枝尾根上に登り着き、尾根を辿って登る。コナラやカエデ、モミなどの混交林に覆われているが、木の間から陽光が差し込み、黄葉した木々もあって、雰囲気は明るい。「仏頂山遊歩道」なる道の分岐を示す道標があるが、そちらの道は藪化しているようだ。

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仏頂山登山道入口

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鬱蒼と茂る樹林中を登る

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雑木林の尾根を辿る

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仏頂山頂上直下の階段坂

再び擬木の階段が現れ、やがて急勾配(道標によると斜度約28度)で一直線の階段坂となる。トレーニングのつもりで頑張って登り、一汗かいて平坦な尾根に登り着く。少し進んだところが仏頂山頂上だ。樹林に覆われた道の途中で頂上らしくなく、山名標識と三角点標識がなければ通り過ぎてしまうところだった。さらに少し進んだ地点が県境で、ベンチがあり、休憩とする。ここから北に茂木町への道が分岐するが、踏み跡は薄い。

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仏頂山頂上

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頂上の少し先のベンチ

一休みののち、県境稜線を西へ辿る。再び茂木町への道を北に分けると、階段坂の長い急降下となる。以降、自転車デポ地まで、登山道のある程度急な区間は悉く階段坂となる。階段は登りにくいので普通は敬遠しているが、今日は筋トレのつもりでガシガシ歩く。途中でソロのおじいさんハイカーとすれ違う(あと、2組4人のハイカーさんとすれ違う。山中で会ったのは結局これだけ)。

長い急降下が終わり、小さな登り降りが続く。樹林に覆われて展望はないが、一か所、北側が伐採地となって茂木町側の展望が開ける。低く広がる山並みと山間の長閑な田園の眺めが良い。

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階段坂を下る

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伐採地から北方の茂木町の眺め

稜線を緩く辿ると、道端に二つにパックリ断ち割られたような丸石があり、脇に「桃太郎石」と書かれた古い標識がある。ここから、木の間越しに高峯を眺めつつ下ると、深い切り通しとなった奈良駄峠に着く。北に茂木町上小貫への峠道を分ける。切り通しを左から回り込んで登り、稜線に復帰。明るい雑木林の稜線を辿ると、418m標高点にベンチがあるので、ここで早めの昼食とする。

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桃太郎石

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木の間越しに高峯を望む

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奈良駄峠

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418m標高点のベンチで昼食

小さい缶ビールを飲み、レトルトの鯖味噌煮とカップ麺のカレーうどんを食べる。少し風があるが、フリースを着れば寒くない。食事中、仏頂山直下ですれ違ったおじいさんが戻って来て、高峰に向かう。この階段だらけの稜線を往復するとは、なかなか健脚だなあ。

昼食後、高峰に向かう。すぐに、南飯田に下る関東ふれあいの道を左に分ける。分岐点には、茂木町が設置した「仏頂・高峰山遊歩道案内図」の看板が建つ。この先は関東ふれあいの道を離れるから階段はなくなるかと思ったら、整備の手に抜かりはなかった(^^;)

明るい雑木林の尾根をゆるゆると登る。上小貫からの登山道を合わせ、スズタケを幅広く刈り払った道を進むと、三角点標石とベンチのある高峯頂上に着く。

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南飯田分岐

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雑木林の尾根を緩く登る

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今日一番の紅葉

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高峯頂上

頂上は雑木林に囲まれて、展望は難台山と吾国山が木の切れ間から見える程度。先程のおじいさんがベンチで休憩中で、お話を伺う。この先にパラグライダー離陸所があり、筑波山などが見え、この周辺では随一の展望とのこと。また、先日は鶏足山〜花香月山を歩き、里山の紅葉が綺麗だったそうだ。それは時期を見計らって登りたいかも。

展望を楽しみにして先に進む。南麓の五大力堂への山道を分け、緩く下る。北側からの林道の終点を過ぎ、僅かに登ったピークが見晴らし台(パラグライダー離陸所)だ。南に芝の斜面が開け、話に聞いた通りの好展望。左には愛宕山〜難台山〜吾国山の山塊、八郷盆地を挟んで右に加波山、筑波山を眺め、南麓の田園や岩瀬市街を俯瞰する。筑波山の右にはスカイツリーまで見える。ベンチもあって休憩適地。風にそよぐ芒の穂もいい風情だ。

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見晴らし台

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見晴らし台から愛宕山(左)
難台山、吾国山を望む

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見晴らし台から加波山と筑波山(奥)

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見晴らし台からスカイツリーを遠望

見晴らし台から県境稜線を緩く下る。左に並行してマウンテンバイクのコースがあるが、今日は誰も利用していない。正面の木の間越しに雨巻山を望みながらヒノキ林に入って下る。砥石の採掘跡という窪地を過ぎて階段を下ると、自転車をデポした地点に到着する。見晴らし台での休憩時間を除くと、高峯からここまで僅か35分の行程だった。

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雑木林の尾根を緩く下る

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木の間越しに雨巻山を望む

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登山道入口

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南飯田より高峯を振り返る

自転車に乗って、岩瀬駅に向かう。県道深沢岩瀬線に出ると、県境まで短い登り坂となる。坂の天辺に雨巻山への登山道入口があり、微かな踏み跡が続いている。茨城県に入って下り坂を快走し、朝と同じ地点で高峯を撮影。小さな丘を二つ越え、35分の輪行で岩瀬駅の駐車場に着く。距離は8.8km、歩けば2時間程かかるから、ここは自転車を利用した。

帰途、R50沿いのゆららの湯(土日祝800円)に立ち寄る。ここに入るのは2回目。汗を流して温まったのち、桜川筑西ICから北関東道にのって、まだ陽の高いうちに帰桐した。


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