大山〜宗四郎山

天気:
メンバー:T
行程:天丸橋 7:10 …大山(1540m) 8:35〜8:50 …山吹峠 9:55〜10:00 …宗四郎山(1510m) 10:30〜11:30 …山吹峠 11:50 …山吹トンネル 12:05 …天丸橋 13:00
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

5年前、南天山に登ったとき、山頂から上武国境稜線を眺めていて、猫の耳のように突き出た双子の円錐峰があるのが目に留まった。居合わせた方に尋ねて、左(西)側の峰の呼称が宗四郎山であることを教わった。この山名は、最近の山と高原地図「西上州」にも掲載され、破線路も引かれている。ちょっと気になる山容の山なので、出かけて来ました。

これまでの11年間、登山の際に大活躍した My Civic が勇退し、今回からは新しい Freed Spike 号がアプローチの相棒だ。高速を快調に走り、下仁田ICで高速を降りて、コンビニで昼食を調達。湯ノ沢トンネルを経由して上野村に入り、野栗沢奥の天丸橋に向かう。今日は天丸橋から大山を経由して、宗四郎山に登る予定だ。天丸橋から林道を少し左に入ったところに駐車スペースがあり、ここに車を置く。大山、天丸山辺りは西上州でも人気の山と思うのだが、他の車は一台もない。まだ朝が早いからかな?

天丸橋の駐車スペースに
Freed Spike 号を停める
登山口より、奥に天丸山を望む

天丸橋から大山への天丸沢コースは、やはり5年前の10月末に歩いたことがある(山行記録)。そのときは紅葉終盤だったが、今日はまだ色づき始めたというところだ。10月中旬が見頃かな。沢沿いの道は、ナメ滝を高巻く個所があるなど、変化に富んでいる。

天丸沢に沿って登る
滝の高巻き道

コースはやがて沢を離れて、急な山腹をジグザグに登る。大山と天丸山の分岐に着き、まずは大山に向かう。

稜線に出ると、紅葉が少し進んで赤い葉が目立つ。東側には焼岩や大ナゲシ、赤岩岳、両神山などの岩峰群が雲海に浮かんでいる。これはなかなか素晴らしい眺めだ。

稜線直下は小沢に沿って登る
大山へ岩稜を辿る

岩稜を登って、二度目の大山の頂きに立つ。西側にも天丸山、帳付山、諏訪山に雲海が押し寄せている様が眺められる。前回、登った時はガスのために展望はほとんどなかったから、今回は展望に恵まれて嬉しい。

大山頂上
雲海に浮かぶ焼岩、大ナゲシ、両神山
大山頂上より天丸山、帳付山、諏訪山
頂上付近の紅葉

大山頂上で展望を楽しんだのち、上武国境稜線に向かう。岩稜を下り、樹林の中を登り返すと上武国境稜線上の倉門山(1572m)の一角に着く。稜線を右(西)へ進めば天丸山、帳付山方面。今回は稜線を左(東)に辿って、宗四郎山に向かう。笹が生えて若干藪っぽいが、道型は明瞭だ。

少し進んだ地点で、縦走路から僅かに外れた所に岩場があり、踏み跡を辿って寄り道すると、岩の上から大山のすっくと聳える勇姿が眺められた。縦走路に戻ったところで、逆方向から歩いて来た単独行のハイカーさんとすれ違う。今回の山行でハイカーさんに会ったのは、この方だけだった。

倉門山への登り
展望の良い岩場から大山の勇姿

稜線を進むと岩稜が現われ、しばらく岩稜の右側を巻いてトラバースする。一部、ルートがわかりにくい。しばらく平坦な稜線が続き、このあたりが焼山のピークらしい。やがて右に折れて、山吹峠に向かって非常に急な坂の下りとなる。今日は幸い地面が乾いているから滑ることはないが、雨上がりなど状況によっては危ない道だ。

焼山付近の稜線
焼山から山吹峠へ急降下

途中、傾斜が緩むが、再び急坂となって、一気に山吹峠に下る。山吹峠には小さな石祠が祀られ、稜線を南北に越える峠道がある。路傍の岩に腰を下ろして、小休止。峠を吹き抜ける風が冷たく、Tシャツではちょっと寒い。

ここから宗四郎山への道は最近、整備されているらしく、急斜面にはトラロープが張られ、稜線上の道は防火帯で、笹が綺麗に刈り払われている。ハイキングコースと言って良いレベルだ。途中の樹林の切れたところから、宗四郎山の鋭峰を間近に仰ぐ。頂上への最後の登りは見た通り大変に急だが、ここにもトラロープが張られている。

山吹峠の石祠
宗四郎山の鋭峰を仰ぐ
宗四郎山へ稜線を辿る
宗四郎山へ最後の急登

最後は頂上直下を巻き、反対側の稜線から頂上に登る。頂上は木立のある北面の一部を除いて三方が開け、鋭峰の天辺だけあって好展望が得られる。西側は焼岩や上武国境稜線の帳付山、滝谷山、南側は滝谷山から南天山に連なる稜線が、遮るものなく見える。南天山の奥に霞むなだらかな高山は、三宝山辺りの奥秩父の山並みのようだ。展望を楽しみながら缶ビールをあけ、ラーメンを作って昼食にする。

宗四郎山より南天山
宗四郎山より滝谷山、帳付山(右端)
宗四郎山より山吹峠と
焼岩(右の岩峰)
山頂の紅葉

宗四郎山から上武国境稜線をさらに縦走して、大ナゲシ、赤岩峠へ繫げるコースもあるが、車に戻るのが大変になるので、今日は山吹峠から峠の下を天丸トンネルで抜ける林道上野大滝線に下り、天丸橋まで林道を歩いて戻ることにする。

山吹峠に戻り、まず、群馬県側に降りようとしたが、峠道がはっきりしていたのは最初だけで、すぐに植林帯の藪の中に道型が消える。林道まで大した距離ではないので、ファイト一発で突破できなくはないが、藪はあんまり好きじゃない。

峠に戻って、埼玉県側の峠道を下ると、こちらは立派な山道が続き、山吹トンネルの前に出た。途中に「山吹峠 防火線 行止り」という道標があり、作業用の道らしい。林道から山吹峠に登る場合、登り口には何の印もない。

山吹峠の埼玉県側の峠道
山吹トンネルの入口に降りる

林道に降りて直ぐ左側、天丸トンネル方向の車道を見てビックリ。法面が大規模に崩落し、大量の岩石と鉄筋が飛び出たコンクリート塊が道路を埋め尽くしている。この様子では、復旧は当分の間なさそうだ。

まだ崩れそうな崩落現場を慎重に越え、天丸トンネルの埼玉県側入口に着く。長いトンネルなので、念のためヘッドランプを出しておく。出口の明かりがずっと先に見えるが、足元は真っ暗だ。

トンネルを抜けると、あとは焼岩と大山を巻くように付けられた林道を歩くだけだ。大ナゲシをはじめ、西上州の山々の眺めが良い。それにしても、こんな険しい山中に、よく車道を作ったものだ。現在、群馬県側から天丸トンネルまでは車で入れるが、落石が多いので注意。

林道上野大滝線の崩落現場
(天丸トンネルの埼玉県側)
天丸トンネルを抜け、焼岩を眺める

帰りは向屋(こうや)ヴィラせせらぎに入浴のため立ち寄る。今日は一日中涼しかったので、湯船で温まるのが気持ち良い。それから、菓心処信濃屋嘉助で好物の嘉助ロールと和菓子をお土産に買って、桐生に帰った。