開聞岳
(この記事は、南九州の山1日目、甑岳〜白鳥山からの続きです。)
南九州の山2日目、天気は快晴。今日は開聞岳に登る予定だ。空港近くのレンタカー営業所で車を借り出して出発。錦江湾の西岸を走り、桜島の噴煙が降り注ぐ鹿児島市街を抜けて南下する。左に海、右に山を眺めながらの快適なドライブだ。途中で海沿いの道から分れ、池田湖方面に向かう。行く手には意外に急な円錐形の山容の開聞岳が現れる。池田湖の湖畔のドライブインで展望休憩。南国らしく、湖面を渡って吹き付ける風が熱い。
JR指宿枕崎線の踏み切りを渡り、開聞岳の山麓を登ると「かいもん山麓ふれあい公園」の登山者用駐車場に着く。平日とは言え、車が意外と多いのはさすが日本百名山。周辺は公園として整備され、管理棟、WC、自動販売機等が整っている。
今回の身支度(昨日も同じ)は出張の荷物の軽量化のため、トレラン用シューズにナップザックという軽装だ。装備として雨具、GPS、デジカメ、それに昼食のパンと飲料を持つ。今日も暑いが、標高923mの低山だし、トレーニングも意識して早足で歩き始める。
芝生の広場を通り抜け、舗装された坂道を登ると「2合目あと3.5km」の標識があり、ここから登山道が始まる。鬱蒼と茂る樹林の中の掘割のように抉れた道をゆるゆると登る。2.5合目で車道を横切り、3合目も同じような樹林の中の道が続く。円錐形の山の山腹を斜めに登るので、傾斜は緩くて楽だが、眺めもなくて、この辺りの歩きはいささか単調。
4合目を過ぎ、5合目に着くと初めて樹林の間から展望が得られ、山麓や海岸線が眺められる。ペースを上げて歩いて、さすがに疲れたので、展望を楽しみながら一休みして水分を補給する。頂上まであと2.0kmだ。
5合目からは傾斜が増し、木の階段が現れたりして、登山道に変化が付く。7合目辺りは急な山腹のトラバース道となり、転石が多い。開聞岳を180度回り込んで来て、眼下には東シナ海が見える。海の見える転石の道から再び樹林に入ると、仙人洞という説明板のある岩洞(といっても大岩の隙間)がある。かつて、山伏たちがここで修行したのだそうな。
「9合目あと0.4km」の標識を過ぎると矮小な樹林帯の急登となる。御嶽神社の赤い鳥居と石祠があり、その裏手が開聞岳の頂上だ。登山口から1時間40分で到着、大汗かいたー。
開聞岳の頂上は大岩がゴロゴロと積み上がり、高山的な雰囲気がある。急峻な独立峰なだけあって、展望は正に360度。薩摩半島を一望し、池田湖や東シナ海の眺めが良い。特に岩場の先端から山麓を俯瞰すると、標高900m余とは思えない高度感があり、爽快だ。すると頂上で休憩していた3人グループのおじさんが、そこで写真を撮ってあげましょう、と言う。鹿児島の人はなんかfriendly。
頂上でパンの昼食と摂ったのち、往路を下山する。駐車場で着替えて、自販機で冷えた飲料(ビールじゃないよ)を買って飲む。うまーい。一休みしたのち、今晩の宿の垂水浜平(たるみずはまびら)温泉に向かう。
鹿児島港から桜島フェリーで桜島に渡る。このフェリーは、日中は10〜15分間隔で運行されていて、料金も千円ちょっとと安いので、大変利用し易い。噴煙を上げる桜島を眺めながら15分の航海で、桜島港に到着。船旅を楽しむ間がないのが、ちょっと残念。
桜島の南岸を走り、途中、有村溶岩展望所という所に立ち寄って、噴煙を上げる桜島南岳を眺める。広大な溶岩原と、荒漠とした山腹が迫力満点だ。
今晩の宿の垂水浜平温泉・別館江洋館は海沿いにあり、日帰り温泉に宿泊施設が付属している感じ。今日の泊まり客は私一人だ。まずはかけ流しの温泉で一風呂浴びて、汗をさっぱり流す。風呂上がりの缶ビールは、やっぱり最高やね。夕食は「黒豚しゃぶしゃぶコース」を頂く。黒豚美味い!量もたっぷりで、大満足でした。
(南九州の山3日目、大篦柄岳に続く。)