白髪岩〜白髪山

天気:
メンバー:T
行程:桑本 7:10 …1499m標高点 9:35 …白髪岩(1512m) 9:55〜10:15 …御荷鉾スーパー林道 11:00 …白髪山(1521m) 11:20〜12:05 …杖植峠 12:25 …桑本 14:30
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

地形図で先週歩いた杖植峠道(山行記録)の尾根を見ると、その東に平行して、破線(徒歩道)が引かれたもう一つの尾根があることに気がつく。破線は、山麓の桑本から白髪岩の西の1499m峰まで延びている。地形図の破線は概して当てにならないが、この破線の道は通れるのだろうか。杖植峠道と同じ様な雑木林の尾根ならば、道がなくても歩き通せるかも知れない。白髪岩への面白い登路になるかも…

と考えて、早速、行って来ました。白髪岩に登ったのち、杖植峠へ稜線を辿り、先週、すぐ近くまで行きながら山頂を踏まなかった白髪山に登り、見つけられずに宿題となっていた杖植峠の「群馬の峠」記念標識を探して来ました。

桐生を未明に車で発ち、下仁田から青倉川を遡って桑本に向かう。桑本は渓流沿いに民家が点在する小さな集落だ。大岩の下に1台分のスペースを見つけて車を置き、歩き始める。尾根の末端に貼り付く民家の横を通り、杉林を抜けると林道に出る。しばらく林道を辿り、尾根上の破線に入る。杉林の中に道型があるが、伐採された杉の枝が散乱して歩きにくいので、道型の脇を歩く。新しい林道を数回横切り、尾根に忠実に登って行くと、ようやく疎らな雑木林となって歩き易くなる。

桑本の民家(注:登山口ではない)
雑木林の尾根に取り付く

しかし、気持ち良い雑木林の道は長くは続かず、再び杉林に入る。邪魔になる杉の枝がなくなったのは幸い。一か所、杉林が切れた枯れ草原から、小沢岳や大屋山、荒船山の展望が開けた。行く手の尾根を眺めると、北側の斜面が白くなっている。先日降った雪が残っているようだ。

尾根の途中から行く手を望む
尾根の途中から小沢岳と荒船山(右奥)

イバラに引っ搔かれながら枯れ草原を突っ切ると、再び杉やカラマツ林に入り、展望のない尾根を登る。道型を辿って調子良く歩くが、標高1300m付近で急斜面に突き当たると、道は消えてしまう。ここは地形図で見ても等高線が密で、登るのが大変ではと気になっていた地点だ。見上げると岩場があり、これを避けて左に回り込むが、やはり最後は急斜面を登ることになる。

道型が続いているが…
急斜面に突き当たる

灌木を摑んで強引に直登すると、緩い尾根の上に出た。背の低いミヤコザサに薄らと積もった雪を踏んで尾根を登り、御荷鉾スーパー林道と白髪岩を結ぶ稜線上の1499m峰に着いた。立ち木に「←白髪岩 登山口→」というプレートが掛かっている。稜線は明るい雑木林と笹に覆われ、その中を明瞭な踏み跡が通っている。

白髪岩に向かうと、途中で「直登コース」と「迂回コース」に分かれ(プレート有り)、直登コースを進む。白髪岩の登りに取り付き、大きな割れ目のある岩場を登ると展望が開ける。

1499m標高点
西の岩場より白髪岩頂上を望む

岩場の上からは、御荷鉾山地の緩やかな主稜線が間近に横たわり、その向こうに奥秩父の山々が連なっているのが見える。また南牧村の山々や、遠くには白く雪を頂く浅間山が眺められる。岩場で暫く展望を楽しんだ後、すぐ先の白髪岩の頂上に向った。

白髪岩を訪れるのは3年振り2回目だ(前回の山行記録)。頂上の雰囲気は変らず、山名標が少し増えたくらい?どっしりとした原三角点も健在だ。昼食の時間にはまだ早いので、少し休憩して頂上を辞す。

西の岩場より白髪山(中央)と
遠く奥秩父の山並
原三角測点のある白髪岩頂上

1499m峰まで往路を戻り、さらに稜線上の小笹の踏み分け道を辿って御荷鉾スーパー林道に出た。ここから白髪山に登るには、どこが歩き易いかな。林道を赤久縄山の方に暫く辿り、鮎川源流の浅い窪(といっても水は全く流れていない)を登る。踝くらいの深さの雪が一面に積もっている。

緩い稜線に上がると雪は消え、笹を刈り払った小道があった。森林公園の遊歩道だろうか。しばらくこの道を辿るが、すぐに稜線から離れて降りて行くので、ここから笹藪の中に入る。さして深くない笹を漕ぐと、樹林に囲まれた白髪山の頂上に着いた。

白髪山は、御荷鉾山地では赤久縄山に僅かに及ばないだけのNo.2の標高がありながら、日影山や日向山と同様、あまり登山の対象にされていない山だ。今日も山頂に誰かが居るはずもなく、古い山名標識が一つ、迎えてくれただけだ。林道からはアッという間で、どうと言うことはない山だけれど、麓から登って来たので、ちょっとした満足はある。

鮎川源流の窪を登って
白髪山に向かう
白髪山頂上と山名標識

笹の中に腰を下ろして、焼鳥缶詰をつまみに缶ビールを飲んだあと、先週の山行の残りの材料の餅ともつ煮込を温めて食べる。食後に、標高がほとんど同じの南隣りのピークに往復する。こちらも林と笹に覆われて展望はない。

白髪山からは、笹をガサゴソと搔き分けて杖植峠に降りる。付近をちょっと探し回って、今日一番の目的の「群馬の峠」の記念標識と対面することができた。『群馬の峠』著者の岩佐徹道氏が150番目の最終峠としてここを訪れ、標識を残したのは1971(昭和46)年10月。30年以上も前のことだが、金属製の標識は少し曲がったくらいで、刻み込まれた文字は鮮やかに読み取れた。

群馬の峠最終峠記念標識
雑木林の杖植峠道を下る

杖植峠からは、先週歩いた下仁田側の峠道を下る。標識付近に痕跡が残るかつての峠道を辿り、御荷鉾スーパー林道を横切って、さらに峠道を辿ろうとしたが、崩壊地に突き当たって断念。先週と同じ尾根通しのルートを取るしかないようだ。

ルート地図で尾根の途中から逸れて林道に降りているのは、明るい雑木林で気持ち良い落ち葉の斜面があり、下に林道が見えたので、思わず降りてしまった所。スキーじゃないけど、良い斜面を見たら下りたくなるでしょう(^^;)

林道を少し歩いて杖植峠道に戻り、あとは先週と同じ道を歩く。車道に出て、青倉のT字路は右折し、車を置いた桑本に戻る。例によって、かぶら健康センターかのさとの風呂で温まったのち、桐生に帰った。