鍋割山(丹沢)

2026年2月22日(日)
天気:☀️のち☁️
メンバー:T
行程:大倉駐車場 7:40 …二股 8:40 …林道終点 9:00 …後沢乗越 9:25 …鍋割山(1272m) 10:25〜11:10 …小丸(1341m) 11:35 …小丸尾根分岐 11:45 …作業道終点 13:00 …二股 13:30 …大倉駐車場 14:40
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

天皇誕生日の3連休は横浜の実家に帰り、2日目に近場の丹沢を歩くことにした。表丹沢の鍋割山の頂上には鍋割山荘があり、昼食時に提供している鍋焼きうどんが大人気メニューとなっているらしい。これは一度食べてみたい。

以前、鍋焼きうどん目当てで鍋割山登山を考えたことがあるが、ヤマレコのらくルートでコースタイムを調べたら約9時間の長丁場になるので断念して、このときは代わりに高松山に登った。

しかし、コースタイムを再考すると、これはどうも長く見積もり過ぎている。例えば、大倉尾根の登りコースタイムは5時間となるが、超ヘロヘロになって登ったときでも4時間だった(山行記録)。ということは、コースタイム×0.8位がちょうど良い見積もりで、それならば行けそうだ。

という訳で、鍋焼きうどんを食べに鍋割山に出かけてきました。

実家を車で出発し、秦野丹沢SICで新東名を降りて、大倉駐車場まで約40分。毎度の感想だが、アクセス便利過ぎ。駐車場は既に7割方埋まっている。渋沢駅からの路線バスが到着するたびに大勢のハイカーがやって来て、出発して行く。三連休の中日とあって、やはりハイカーが多い。大半が大倉尾根から塔ノ岳を目指すが、鍋割山に向かう人も少なくない。鍋焼きうどんは売り切れ次第終了するそうなので、少し慌てて出発。トレーニングを兼ねて速いペースで歩き始める。

大倉駐車場から大倉尾根を仰ぐ
西山林道への分岐

大倉の集落の間を歩き、集落の外れの「←二股 鍋割山」の道標から簡易舗装の道に入る。すぐに山道となり、ぐるっと半周して西山林道に出る。ここにはゲートがあり、車は進入禁止となっている。あとは二股の奥まで、四十八瀬川左岸の高所をトラバースする長く単調な林道歩きが続く。早足で歩いて次々にハイカーさんを抜いていくが、トレランの人には流石に抜かされる。ハイカーの格好で走って抜いていくグループもいて、言葉からどうも中華系の方々らしい。パワフルだなあ。

山道を辿る
西山林道を歩く

林道を歩いて、四十八瀬川の谷間の奥へ分け入って行く。木の間を透かして、鍋割山辺りの稜線が結構高く眺められる。四十八瀬川の右岸からの林道と合流。入口はゲートで封鎖されている。

途中に小園地があり「山の恩人・尾関廣氏之像」の銘のある銅像が設置されている(写真を見直して気づいたが、誰かがイタズラして😷をしている^^;)。説明板によると、神奈川県山岳連盟会長として(かつて二股にあった)県立登山訓練所の設立に尽力された方らしい。

鍋割山を仰ぐ
銅像のある小園地
尾関廣氏銅像
広い河原に沿って歩く

後日、奥野幸道著『丹沢今昔』の登山訓練所の項を読むと、1960年代の登山ブームにより全国で遭難が多発。群馬県から「谷川岳で遭難するのはほとんどが神奈川、東京からの登山者なので、善処して」との申し入れが神奈川に届き、1965年に登山訓練所が設立されたとのこと。老朽化により1997年に閉鎖され、現在は秦野戸川公園の山岳スポーツセンターがその任を引き継いでいる。

やがて水流に近づき、広い河原に沿って歩くようになると、程なく二股に到着。沢登りで人気の高い勘七ノ沢を飛び石伝いに渡る(ここまで書いてふと思い出したが、勘七ノ沢支流の小草平ノ沢は大昔に沢登りで歩いたことがある。ということは大倉から二股までは歩いたことがあるはずだが、全く記憶にない)。

二股
勘七ノ沢を渡る

勘七ノ沢を渡ったすぐ先に、復路で歩く予定の小丸尾根の入り口がある。「こちらの登山道は遭難の多い道です。」という注意看板があり、どんな道なのか、ちょっとワクワク。その先の道端には、水量は少ないが落差のある滝がかかっている。

小丸尾根登り口の看板
道路脇の滝

山の鼻を回ると、四十八瀬川の谷の奥に鍋割山〜小丸の稜線を高々と仰ぐ。この辺りで標高は約600m。頂上まで約700mの標高差があり、なかなか登り応えがありそう。

四十八瀬川本沢を渡ると、程なく林道終点となり、大勢のハイカーさんが一息入れている。ここには鍋割山荘が用意した水道水を詰めた大小のペットボトルがデポされており、体力に余裕があればボランティアで運んで欲しい旨、書いてある。今回はトレーニングも兼ねて来ているので、持って行こうかねえ。とは言え、3ℓは流石に重いので2ℓペットボトルを持ち、プラティパスで持参した2ℓの水は半分捨てる。1kg増ならば、バテることはないだろう。

鍋割山〜小丸の稜線を仰ぐ
四十八瀬川本沢を渡る
林道終点
歩荷のペットボトル

ミズヒ沢を木橋で渡り、大勢のハイカーさんと相前後して登山道を登る。最後に急斜面をジグザグに登ると痩せた尾根の上に登り着く。ここが後沢乗越だ。反対には中津川の谷を隔てて檜岳(ひのきだっか)山稜が眺められる。休憩するスペースはないし、尾根を越える風が冷たいので、写真だけ撮って休まずに歩き続ける。

ミズヒ沢を渡って登山道に入る
山腹をジグザグに登る
尾根へ向かって急登
後沢乗越
檜岳山稜を望む
尾根道を急登

あとは尾根をひたすら登る。芝の下生えと冬枯れの雑木林に覆われ、明るくて気持ちの良い尾根道が続く。標高が上がると道端に僅かだが雪が残っている。いつの間にか上空に灰色の雲が広がってきて、2月の山らしい寒々とした雰囲気に変わってきた。

冬枯れの雑木林を登る
尾根道をひたすら登る
鍋割山〜小丸の稜線が近い
頂上直下の登り

後沢乗越から1時間の登りで鍋割山の頂上に到着。頂上は大勢のハイカーさんで大賑わい。数あるベンチもほとんどが埋まっている。まだ10時半で予定よりだいぶ早いにもかかわらず、鍋割山荘の前には鍋焼きうどんを求める行列ができている。担ぎ上げたペットボトルの水を小屋の前の所定の場所に置き、芝生の斜面に休憩場所を確保。ULDジャケットを着込み、代金のシバサブロウ2枚を持って行列に並ぶ。

鍋割山荘
鍋割山頂上

ようやく順番が来て、鍋焼きうどんをゲット。芝生に腰を下ろして早速頂く。カボチャ天、油揚げ、半熟卵、ナメコにエノキ、ナルト、ほうれん草など具沢山で熱々のうどんは大変美味しい。鍋焼きうどんは元々大好物で、冬の山歩きでは、COOPの生麺タイプ鍋焼きうどんをガソリンコンロでグツグツ煮たやつをよく食べている。具は天ぷらしかないので、こういう風にトッピングを増やしたらもっと美味くなるかも。今度、やってみよう。

鍋割山から南面の展望
名物鍋焼きうどん

話題の鍋焼きうどんを食することができ、大満足。続々とハイカーが登り着き、小屋の前の行列は途切れない。この山頂で鍋焼きうどん以外のお昼を食べているハイカーは皆無。皆、うどん目当てで来ているのだから、凄いブランド集客力だ。

下山は予定通り小丸尾根に向かう。塔ノ岳への縦走路に入ると雪の量が少し増え、行き交うハイカーの数はグッと少なくなる。樹林に囲まれて展望は乏しいが、所々から北に鍋割沢の広大な河原を俯瞰できる。その向こうの丹沢山や蛭ヶ岳の主稜は、どんよりとした雲に覆われて見えない。

←雨山峠 塔ノ岳→
塔ノ岳に続く稜線を辿る
北側の鍋割沢を俯瞰
鍋割山(中央)を振り返る

小さなアップダウンが続き、ちょっと登って小丸の頂上に着く。標高1341mで鍋割山より69m高く、今日の行程中の最高地点だ。頂上は細長く平坦で、縦走路の途中という感じ。数分進んだ所から、南面の四十八瀬川の谷や秦野平野を俯瞰する眺めが得られる。

小丸頂上
南面の四十八瀬川の谷を俯瞰

しばらく平坦な稜線を辿ると、小丸尾根の下り口に着く。直進すれば、大倉尾根の金冷シを経由して塔ノ岳に至るが、塔ノ岳は何度も登ったことがあるので、今回は割愛。予定通り、サクッと小丸尾根を下る。下り口にも登り口と同じ「ご注意!」の看板がある。

小丸尾根分岐
ご注意!の看板

小丸尾根を下り始めると低木越しに南面の眺めが開け、なかなか高度感がある。すぐに急斜面をジグザグに下る道となる。道型は明瞭で迷うような所はないが、ジグザグの曲がり角に「⚠️キケン注意」のテープで通行止めにした箇所があり、もしかして、ここを突っ切って遭難したのかも。急斜面なので、登山道を外すと大事になる。

小丸尾根から南面を俯瞰
急斜面をジグザグに下る

ザレが混じる急斜面をドンドン下っていく。数人のハイカーさんとすれ違った他はひと気がなく、静かな山歩きが楽しめる。ようやく少し傾斜が緩んで、尾根筋がはっきりし、植林と雑木林の境を直線的に下る。立ち枯れたミズナラが点々とあり、倒れる恐れのある木の幹にも「⚠️キケン注意」のテープが巻かれている。途中にある石組みの台座は何なのか謎。

ザレた斜面をジグザグに急降下
尾根筋が明瞭になる
植林と雑木林の境を下る
石組みの台座

やがて「小丸まで1000m」の標識が現れる。振り返ると鍋割山辺りの稜線が既に遥か上だ。この尾根の逆コースは急登続きで登り応えがありそう。さらに下ると作業道に出て、「←小丸 二股→」の新しい道標が設置されている。なだらかな尾根上の幅広い作業道をダラダラと下る。「小丸まで2000m」の標識を過ぎ、植林の斜面をジグザグに下ると西山林道に着く。

「小丸まで1000m」の標識
作業道に下り着く
なだらかな尾根を下る
「小丸まで2000m」の標識

あとは往路の林道を大倉まで戻る。鍋割山を往復して下山して来たハイカーが多い。東欧系の女性2人組ハイカーさんも居て、(その他、往路で中華系のグループを見かけただけでN=2だが)丹沢は国際化しているなあ、と感心する。

西山林道に下り着く
大倉に帰り着く

大倉には往復7時間の行程で帰着。想定よりもちょっと早く、良いトレーニングになった。喉が渇いたので冷たい物を買おうと思って、大倉バス停近くのレストハウスに入る。ここ、昔はコンビニだったような気がするが、山道具も販売するお洒落なカフェになっていた(2020年オープンらしい)。ソフトクリームを買って食べたのち、実家に帰った。