後袈裟丸山

2025年11月16日(日)
天気:☀️
メンバー:T
行程:郡界尾根登山口 8:55 …八重樺原(1415m) 9:30 …境の十二様 10:15 …後袈裟丸山(1908m) 11:30〜12:20 …境の十二様 13:20 …八重樺原(1415m) 14:00 …郡界尾根登山口 14:30
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

10月は週末毎にいまいちの天気が続き、加えて多忙や身内の入退院もあって、2ヶ月近くも山歩きの間隔があいた。この週末は天気も良く、ようやく山に行けそう。最初は栃木百名山の富士山と前黒山に出掛けようかと思ったが、この時期の日光・塩原方面は紅葉シーズンで渋滞しそうなので、遠出する気力が湧かない。足も鈍っているから、リハビリをメインにして、近場の後袈裟丸山に登ることにする。後袈裟丸山に登るのは2022年7月以来、4回目。

桐生を朝、車で出発。大間々を経由して渡良瀬川沿いにR128を走る。天気は快晴で、周囲の山々は薄らと紅葉し、なかなか良い眺め。小中で左折して、小中川の深い渓谷を上がって行く。小中大滝付近の紅葉は見頃🍁で、駐車場にも車が数台、観光客の姿も見える。大滝の先のT字路を左折して、郡界尾根登山口に向かう。登山口駐車場には駐車が1台。先行者がいるようだ。

郡界尾根登山口駐車場
郡界尾根登山口

車外に出ると流石にキリッと空気が冷たくて寒いが、風はなく穏やか天気だ。冬枯れで陽射しが明るい樹林の中、落ち葉を踏んで急坂の木の階段を登り始める。すぐに大きなカメラを携えたおじさんが下って来るのとすれ違う。駐車場の車の持ち主だろう。ということは、今日、これから郡界尾根を登るのは私以外に居ないようだ。

木の階段を急登
大岩

小尾根を急登し、大岩を木の梯子で越えると、程なく郡界尾根の上に登り着き、丈の低い笹原と疎な樹林に覆われた幅広くなだらかな尾根となる。登り着いた地点には「八重樺原」と刻まれた木製の道標がある。

郡界尾根に登り着く
幅広くなだらかな尾根を登る

幅広くなだらかな笹原の中に一本通じるしっかりとした踏み跡をゆるゆると登る。ここは気分良く歩けて、何度も来たくなる所だ。少し傾斜が増すと、三角点標石(標高1415m、点名:赤子沢)のあるなだらかなピークに着く。疎な樹林に囲まれているが、この時期は葉が落ちて、木の間越しに後袈裟丸山と前袈裟丸山が見える。また、少し進むと開けた斜面の上に出て、後・前袈裟丸山が小中川本沢の谷の奥に遮るものなく並んで眺められる。

八重樺原の三角点標石
後袈裟丸山(中央奥)と前袈裟丸山

広くなだらかな尾根を小さく上下して進む。カラマツの幼樹の黄葉や芒の穂が日差しに照らされて、和む雰囲気。岳樺が混じる尾根を登って、後・前袈裟丸山が間近に眺められる小さな瘤の上に着く。ここには「つつじ岩」と刻まれら御影石製の石標がある。倒れていたので立て直しておいたが、土台がなく、地面に建てただけなので、またすぐ倒れそう。

「つつじ岩」の石標
つつじ岩から後袈裟丸山と前袈裟丸山を仰ぐ

やがてシャクナゲの群落が現れる。濃い緑色の葉に木漏れ日が当たってツヤツヤと輝き、来年の開花期に向けて元気を蓄えている様子。小さな岩場を登り、密なシャクナゲ藪を切り開き道で通り抜けると、十二様の大きな石祠がある。

ササとシャクナゲの尾根を辿る
境の十二様

石祠を過ぎると岩場が混じる細尾根となり、針葉樹林帯に入って奥山らしい雰囲気となる。木の間越しに前袈裟丸山の端正な鈍角三角形の頂が近づいて見える。いよいよ傾斜が増して、笹が下生えの針葉樹林中を急登する。鈍った足にはなかなか応えて、時々立ち休みを入れつつ登る。

緑深い尾根を登る
前袈裟丸山を仰ぐ
尾根を急登
西の肩に登り着く

漸く後袈裟丸山の西の肩に登り着く。あとは樹林に覆われ、傾斜の緩い稜線を小さく上下して登る。シャクナゲが繁茂し、5月末に登ったとき(山行記録)は花が見事だった。ところどころで樹林が切れ、右手には前袈裟丸山、左手には中袈裟丸山から奥袈裟丸山にかけての連山が眺められる。最後に樹林中の短い急坂を上がると後袈裟丸山の頂上に着く。

前袈裟丸山を望む
後袈裟丸山を望む
奥袈裟丸山を望む
後袈裟丸山頂上

頂上は小広く笹原が開けているが、樹林に囲まれて、展望は僅かに前袈裟丸山の頂が見える程度だ。二人組ハイカーさんが居らして、話を伺うと前袈裟丸山から縦走して来たそうだ。そちらは歩く人が少ないようで、道は不詳な箇所があり、八反張は崩壊が進んでいたとのこと。しばらくして、前袈裟丸山に戻って行かれた。

あまり風がなく、長袖の山シャツとULDジャケットを着ればポカポカと暖かい。昼食はガソリンストーブでお湯を沸かして、カップ麺のCOOP&マルちゃん天ぷらそばを食べる。

頂上でのんびり小一時間過ごしたのち、下山にかかり、往路で登山口駐車場に戻る。登り2:35、下り2:10は、前回のコースタイム(登り2:30、下り2:00)に比べるとちょっと遅くなったが、リハビリなので、まあこんなものか(翌日は筋肉痛になった😅)。

帰りは久し振りに水沼温泉に日帰り入浴で立ち寄る。水沼温泉は長らく休業していたが、運営会社が変わり、名称も「水沼の湯」に変わって、この4月にリニューアルオープンしている。このことは知っていたのだが、料金が1,550円とお高いので、これまでなかなか足が向かなかった。

今回、行ってみると、建物の外装・内装は一新されて非常に綺麗になり、浴室や湯船も広くなり快適。お客さんはそこそこ居る感じ。料金にはワンドリンクが含まれているので、風呂上がりにパインジュースを飲む。以前の水沼温泉は、大昔の話だが、休憩室でカラオケ大会が行われ、地元のお年寄りが大盛り上がりするような、地域の交流の場であった。現在は、完全に都会の富裕層がターゲットの施設になっている。悪くはないが、値段が値段なので、やはり気軽に訪れることはないかな、と思いつつ桐生に帰った。