後袈裟丸山
6/4に赤城山を歩いて以来、雨が降ったり(6/6に梅雨入り)、猛暑に見舞われたり(桐生では6/25に最高気温39.8℃を観測 )、忙しかったりで、山歩きの間が空いた。6/27には早くも梅雨明けとなったが、その後、梅雨が戻ったのか、ぐずつき気味の天気が続き、週一で桐生吾妻山にトレーニングで登って過ごす。7/16〜18の3連休も最終日になって、ようやく晴れそうだ。遠出する気力はないが、少し高い山に登りたくなったので、郡界尾根から後袈裟丸山を往復して来ました。なお、後袈裟丸山に登るのは2015年5月以来、3回目。
(2022-09-01追記:梅雨明け時期は、後日、気象庁により、7月下旬に訂正された。)
桐生を車で出発し、R122を走って小中で左折。小中川の深い渓谷の中の道を上る。追付橋バス停付近の最奥の民家を過ぎると、いよいよ山奥深くに入ってひんやりと涼しい。郡界尾根登山口まで舗装道が続くが、落石や路面の穴が多く走行注意。途中、釣り師の姿を見かける。登山口の駐車スペースには既に2台の駐車があった。先行者が居られるようだ。
登山道に入ると最初から木の階段道の急登となる。階段が断続する枝尾根を登り、苔むした大岩の右脇を木の梯子で登る。この梯子は老朽化して、一段分の横棒が折れている。
大岩を通過すると林床を丈の低い笹が覆うようになり、程なく広く平坦な尾根の上に登り着く。「←郡界尾根登山口 八重樺原 後袈裟丸山→」の道標がある。ここから笹原と疎な樹林に覆われた緩斜面を登る。広々として気持ち良い。かつては白樺が美しかったそうだが、今はその他の雑木が多い。緩々と登って、標高1415mの三角点標石(点名:赤子沢)のある平坦なピークに着く。三角点標石の脇には「小中口→袈裟丸山 20-8 伊勢崎市役所山岳部」と記した年代物の赤い道標が落ちている。
三角点標石のすぐ先から、右側の小中川本沢に向かって伐採跡地の斜面が広がり、本沢源頭に後袈裟丸山と前袈裟丸山が双耳峰となって聳えているのが良く眺められる。また小中川の下流には渡良瀬川東岸の山々も見渡せる。ここの山岳展望はなかなか良い。
伐採跡地の縁に沿って尾根を緩く登る。伸びきったワラビが大量に繁茂している。前回はもっと開けた尾根道だった記憶があるが、カラマツの幼樹が侵入して来ているので、眺めが得られるのも今のうちかも。緩くアップダウンし、短い坂を登って、本沢側に眺めが開けた平坦なピークに着く。ここには番号が「20-9」と一つ増えた赤い道標がある。
このピークから尾根道の様子が変わって、深い樹林に覆われた細い尾根の上の道となる。10分程で「つつじ岩」と彫られた標石が現れる。本沢側は(上から覗いても見えないので確かではないが)岩壁となっているようで、それが「つつじ岩」らしい。後袈裟・前袈裟の双耳峰にさらに近づいて仰ぎ見ることができ、素晴らしい眺めだ。
この辺りから青々と葉を茂らせたシロヤシオの木が多い。開花期や紅葉の時期に見てみたいな。やがて密に茂ったシャクナゲも現れる。前回はシャクナゲを見に来て、頂上近くで咲いているのを見た。シャクナゲ林の切り開き道を登ると、境の十二様の石祠が登山道の脇に沼田市側を向いて建つ。大体、この辺りが郡界尾根コースの中間点となる。
石祠を過ぎると傾斜が増し、尾根も細くなって、ところどころに岩場も現れる。コメツガ等の針葉樹も現れ、深山の雰囲気がある。樹林に覆われて展望は得られないが、本沢を隔てて前袈裟丸山が垣間見える地点がある。だいぶ近づいたが、標高差はまだまだある。
一段、急坂を上がると大岩のある小ピークに登り着く。露岩に木の根が絡む尾根を登ると、右手に木立を透かして八反張(前袈裟丸山と後袈裟丸山の鞍部)が見える。ここと大体同じ高さに見えるから、後袈裟丸山の頂上まであと標高差100mだ。ここから笹原とコメツガに覆われた急斜面となり、息を切らせて後袈裟丸山の西の肩に登り着く。
さらに、シャクナゲと針葉樹に覆われた稜線を登って頂上に向かう。前回はこの辺りのシャクナゲが見頃だった。今回、花は全くないが、その代わり、展望が意外と良く、前袈裟丸や奥袈裟丸山が眺められる。小中川本沢の谷間を見おろすと、下方は真っ白な雲に覆われつつあり、天気は徐々に下り坂のようだ。
最後に急坂をひと登りして、後袈裟丸山の頂上に着く。誰も居なくて、代わりにスイスイ飛び回るアキアカネの大群に出迎えられる。おかげで小さな羽虫の類は全く居なくて快適。樹林に囲まれて、展望はほとんどない。前袈裟丸山や奥袈裟丸山へ通じる道は、夏期ということもあって、ササや低木の藪に覆い隠されている。腰を下ろして、鯖味噌煮をツマミに缶ビールを飲む。夏は🍺が旨い。食欲はあんまりないので、カップ麺を作るのは止めて、シュガーラスクを齧って昼食とする。
下山は往路をそのまま戻る。登山口に帰り着くと、他の車は1台に減っていた。1台は釣り師で、残っている1台は奥袈裟丸山まで行っているハイカーさんの車かな。それにしても、3連休中にも拘わらず山中で他のハイカーさんに会わず、静かな山行であった。5時間程度の手頃な行程で1908mの高山に登れるから、良い山だなー、と改めて実感した。
帰りは水沼♨に立ち寄る。こちらもそう混んでなくて、ゆったり湯船に浸かる。汗を流してさっぱりしたのち、帰桐した。