大小山

天気:☀️
メンバー:T
行程:足利病院 10:50 …やまゆり学園 11:15 …展望ベンチ 11:35〜11:50 …大小山(282m) 12:00 …妙義山(314m) 12:10 …中岳 12:30〜12:45 …がま岩 12:45 …あいの山 12:55 …越床山 13:10 …ロウソク岩 13:20〜13:30 …越床山 13:35 …越床峠 13:45 …足利病院 14:00
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

年明けから此の方、桐生ではほぼ毎日晴天だが、最高気温が10度辺り、最低気温が氷点下の寒い日が続いた。この週末も寒いとの予報なので、高い山には登る気がしない。いろいろ用事もあるので、近場の里山を軽く歩こう。数年前、大小山南尾根を歩いたとき(山行記録)、途中の分岐でやまゆり学園へ下る道のある尾根を一望して、眺めが良くて面白そうだと思ったことを思い出す。という訳で、この尾根道で大小山に登り、越床峠を経て周回するコースを歩いてきました。

桐生を朝遅くにのんびりと車で出発。足利市街を通り抜け、大沼田町に入って、大坊山〜大小山の山並みを眺めつつ田園を北上。山間の奥の足利病院の裏手の高台にある駐車場に車を置く。ここは病院スタッフの駐車場らしいが、特に標識はないし、広くて空きが十分にあるので、部外者が駐車しても多分大丈夫だろう。

ここからは、低層の建物がさながら工場のように建ち並ぶ足利病院が見おろされ、その向こうには、大坊山が低山ながら端正な三角形の山容ですっくと聳えている。ULDジャケットを着込み、手袋を嵌めて出発。来た道を少し戻って、やまゆり学園に向かう。途中の分岐には毛野大坊山〜大小山ハイキングコースの道標があり、地図を見なくても歩ける。

足利病院裏の駐車場より大坊山
来た道を戻って関東平野を望む

鷹巣の集落から急坂を登ると、尾根の上にやまゆり学園の。手作りクッキーやプリンを販売しており、知っていたら買って行くところだが、知らなかったので財布は車の中に置いてきた。残念。

やまゆり学園に向かう
やまゆり学園

坂道を上がって身体が温まってきたので、ULDジャケットを脱ぐ。登山道に入るとすぐに樹林を抜けて、冬枯れの雑木が疎らに生えて露岩やザレの多い道となる。日が差し込んで明るく開放的で気持ち良い。

登山道に入る
疎らな雑木林の明るい尾根道

標高が上がると、左手には大坊山〜足利鉱山の稜線が見え、(写真では判らないが)越床峠の遙か向こうには日光白根山の冠雪した頂が僅かに覗いて見える。振り返れば関東平野を一望。彼方に奥秩父の山影を望み、(これも写真では見えないが)白い富士山の頂を遠望する。いやー、イイ眺めだ。

大坊山を望む
振り返って関東平野を一望

前方には妙義山の頂上が見えてくる。左隣の三角錐のピークは中岳(通称)か。頂上付近はザレて樹林も疎らで、稜線だけ見れば300m級の低山らしからぬ高山的な雰囲気がある。

尾根を緩く登り、階段状の岩場を越えると、見晴らしの良い岩尾根の上に着く。南向きの岩棚に小さなベンチが設えてあるので、ちょっと休憩。お湯を沸かしてカップ麺で昼食にしようかと思ったが、ここは足利市内。市条例でコンロが使用禁止であることをすっかり忘れていた😅。仕方なく、ブロックチョコを齧って小腹を満たす。

妙義山(中央)を望む
岩尾根にベンチ

さらに疎らに松が生えた露岩の多い尾根をゆるゆると登る。斜め左前方には妙義山と大小山も見えてくる(両方合わせて大小山とも呼ぶ)。短い急坂を登ると南尾根の登山道に合流する。やまゆり学園からここまでの登りは、期待通り眺めが良くて面白いコースだった。

妙義山(左)と大小山
南尾根の登山道に合流
合流地点から関東平野の眺め
妙義山と大小山を望む

大小山へは、冬枯れの雑木林に覆われた露岩の多い尾根道を登る。右へ大小山展望台へ下る道を分けると、行き交うハイカーさんの数がグッと増える。右側が切れ落ちた岩壁(=「大」と「小」の文字が掲げられている岩壁)の縁となった岩場を登ると、大小山の頂上。特に基準点のないピークだが、山名標識には282mと細かい数値が記されている。お隣には妙義山(標高314m)が一段高く見える。

大小山へ急登
大小山頂上

ちょっと下ってから、妙義山に登り返す。「滑落注意」の標識を過ぎ、最後は急な岩場の登りとなる。ここを下ったことは数回あるが、登りは初めてなので、新鮮で楽しめる。

妙義山へ岩場を登る
妙義山頂上

狭い頂上は休憩中のハイカーさんでほぼ満杯。風は穏やかで、日が当たっているとそう寒くはない。時間が遅いので靄が生じて遠くは霞んでいるが、360度の展望はやはり素晴らしい。北には袈裟丸山から皇海山、錫ヶ岳、日光白根山、一際大きな男体山、女峰山まで、雪を戴く峰々を遠望する。東には晃石山と三毳山の二つのミニ山塊が平野に横たわり、彼方に筑波山の山影を望む。

袈裟丸山(左)〜日光連山を遠望
筑波山を遠望

西には大坊山の左肩に(写真では見えないが)冠雪した浅間山を望む。右には赤城山も見える。黒檜山の頂上が少し白くなっているだけで、雪は少なそう。

大坊山と奥に浅間山
大坊山(左奥)と中岳

展望を一通りカメラに収めたのち、越床峠への縦走路に入る。この道も数回歩いているが、逆コースは初めて。頂上から下る途中で、次に登る中岳の台形の頂がよく見える。段差のある岩場(ここは覚えがある)を下り、鞍部から岩尾根を登って中岳の頂に着く。簡易なベンチがあり、腹が減ったので休憩して、残りのブロックチョコを食べる。ここから西の鷹巣へ降りる尾根道が分岐する。このコースも面白そうだし、シャリバテしそうなので降ってみようか、とも思ったが、初志貫徹、縦走路を進む。

岩場を下る
中岳頂上から妙義山を振り返る

弛みへ下って登り返すと毛野山の頂上。足利百名山№123の古い山名標識がある。頂上から次に登る「あいの山」の頂と大坊山に円弧を描いて連なる稜線が眺められる。逆コースだと、途中のピークが大きく見える気がするが、単にシャリバテで弱ったせいかも。

毛野山頂上から大坊山(左)
がま岩

毛野山からの下りの途中に岩場があり、がま岩の標識がある。登山道は左から巻いて下っているが、前回はここは直進して通ったような気がするので、記憶に従って直進。ちょっとスリルのある岩場を下って、巻いてきた登山道と合流する。

疎らな雑木林の明るい尾根を登って、小広く開けた「あいの山」の頂上を越え、露岩と松を配した尾根道を下る。次に登る越床山から、越床峠、足利鉱山にかけての稜線が眺められる。雑木林の尾根道を辿り、越床山の頂上に登り着く。

あいの山頂上
雑木林の尾根道
越床山への登りから大坊山を望む
越床山頂上

ここから北に枝分かれする尾根の上にロウソク岩と称する岩があるそうだが、前回までは先を急いで割愛していたので、見たことがない。今日はここから往復して立ち寄って行こう。最初は小さな岩場やアップダウンのあるなだらかな尾根を進むが、途中から急下降となる。越床山の頂上からだいぶ下ったので、そろそろ着かないと帰りの登りが大変だ。これでしょぼい岩だったら、ショックとシャリバテで登れなくなるかもしれん。

などと考えつつ下ると急峻な岩稜が現れ、岩塔が忽然と聳え立つ。その形や色は正に巨大なロウソク。基部は括れて岩稜に繋がっている。その様はかつて仙人ヶ岳にあった「つなぎ石」を思い出させるが、大きさは数倍はあり、周囲の樹林から群を抜いて突き出る。つなぎ石は2011年の大震災で崩落してしまったが、この岩はよく持ち堪えたものだ。

北尾根を下ってロウソク岩へ
ロウソク岩

傾斜のある岩場をロウソク岩の基部近くまで下って、岩塔を見上げる。これは迫力。大小山の近くにこんな奇観があったとは。満足して引き返す。「これは来た気があったなあ」と声に出したら、ちょうどハイカーさんがやって来た。独り言を聞かれたかも。

ロウソク岩を見上げる
越床山に戻って越床峠へ

しょぼい岩だったとガッカリすることなく、(ちょっときつかったが)無事に登り返して越床山の頂上に戻る。頂上から縦走路を越床峠に下る。前回来たときは気が付かなかったが、峠には石碑があり、正面に裃(かみしも)に脇差という姿の武士の線画が刻まれていて、興味を惹かれる。江戸時代の道標だろうか。

越床峠
越床峠の石標

越床峠から南側へ、足利病院へ下る。斜面を大きくジグザグを切って下ると道幅が広くなり、広くなだらかな谷間を下ると、すぐに足利病院の裏手に出て、駐車場に帰り着く。3時間ちょっとのごく短い山歩きだったが、終始快晴で展望に恵まれ、ロウソク岩も初めて訪問することができ、なかなか楽しめた。

幅広くなだらかな山道を下る
足利病院の裏手に出る

帰りは足利鹿島園温泉に立ち寄る。ここは足利市内では数少ない日帰り入浴できる温泉で、来るのは確か3回目。浴室が地下にあって些か殺風景だが、湯船が広くてゆったり浸かることができ、快適なのでリピートしている。山歩きで冷えた身体を温泉で温めて気分良くなったのち、帰途についた。