アヤメ平

天気:
メンバー:W,T,Tm,T
行程:富士見下 8:25 …冨士見小屋跡 10:40〜10:55 …アヤメ平 11:35 …中原山(1969m) 11:50 …横田代 12:25 …冨士見小屋跡 13:25〜14:15 …富士見下 15:55
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

軽登山部で尾瀬の辺りを歩きたい、という話が持ち上がり、登山者が集中する鳩待峠や大清水からのアクセスを避けて、マイナーな富士見下からのルートを歩く山行が企画された。ただし、尾瀬ヶ原まで行くのは行程が長くなり、日帰りでは難しいので、富士見下からアヤメ平の往復にとどめる。最初は7月に予定されていたが、天気がイマイチだったので延期。仕切り直しとなり、この週末に軽登山部メンバー4名で出かけてきました。

桐生を朝6時にTさんの車に乗り合わせて出発。富士見下に8時過ぎに到着し、ゲート前に駐車する。他の車は7台程。予想より多いのは3連休の初日だからか。駐車場の一部は、大木の太い枝が落下する恐れがあるため、立入禁止となっている。昨日は11月並みの寒さ(桐生で最高気温が13.8℃)となり、今日も寒そうなので、冬用の厚手の長袖シャツとトレックパンツという出で立ちで歩き出す。天気は曇りで、空気がヒンヤリと冷たい。


富士見下


林道をジグザグに登る

冨士見山荘跡までは未舗装の林道歩きとなる。このルートは、以前、残雪期にテレマークで往復したことがある(山行記録)が、雪がない季節に歩くのは初めて。山腹をつづら折りに登り、大行山(だいぎょうさん)中腹の広い平坦地を進む。この辺りの樹林は黄色や赤に色付いて綺麗だ。


色づき始めた樹林


クリスマスツリーみたいな木

左手には田代原と呼ばれる湿原があるはずで、テレマークで歩いたときは雪原と化した湿原の真ん中を突っ切ったが、林道は離れた所を通り、樹林に遮られるので全く見えない。その先の馬洗淵と呼ばれる池も樹林で見えず、淡々とした林道歩きが続く。

林道が山腹のトラバースに入ると右側の景色が得られるようになり、冬路沢の谷を隔てて荷鞍山や頂上付近が笹原で覆われた白尾山が眺められる。


白尾山を望む


荷鞍山(中央)を望む

やがて、アヤメ平の笹原に覆われた稜線が見えてくる。この辺り、積雪期には稜線の雪庇から雪のブロックが落ちてくる場所なので、急いで通過した記憶がある。今の時期は、そんな危険は微塵もなく、稜線を見上げてのんびり歩く。


アヤメ平の稜線を仰ぐ


冨士見小屋跡に到着

最後に小さくジグザグを切って登ると、冨士見小屋の跡地に着く。小屋は取り壊し中で、油圧ショベルが壁を突き崩し、瓦礫の山を築いている。後日調べると、2015年の営業終了後に閉館したらしい。小屋の前のWC(チップ制)は使用可能である。


冨士見小屋は取り壊し工事中


鳩待峠登山道入口

冨士見小屋跡からアヤメ平への道に入ると、行き交うハイカーさんが急に増える。樹林を抜け、狐色の草原を渡ると、富士見田代の池塘が現れる。満々と水をたたえ、その向こうに雲を纏う燧ヶ岳を望む。しばらく待っていると雲が流れ去って、柴安嵓、俎嵓の双児峰が姿を現した。これは良い眺めだなあ。皆、写真を何枚も撮る。


ツツジの紅葉


富士見田代から燧ヶ岳を望む

富士見田代で尾瀬ヶ原に下る長沢新道を分け、台地状の稜線の縁に沿って登る。新しい木道が整備され、急な区間には滑り止めのゴムネットが張り付けられて、歩き易い。左側は笹原の斜面となり、展望が開ける。眼下には富士見下から登って来た谷がゆったりと広がり、白尾山や荷鞍山、その奥には日光白根山や錫ヶ岳を遠望する。


新しい木道を歩く


登って来た谷を俯瞰し
荷鞍山と白根山(奥)を望む

アヤメ平の稜線の下には草原と笹原の斜面が続き、これも良い眺め。富士見下から長い林道を歩いて来た甲斐があったというものだ。アヤメ平の広々とした草原の中の木道を歩き、程なく「アヤメ平」の道標と説明板のあるベンチに着く。

アヤメ平に来たのは2005年の秋以来(山行記録)。そのときは湿原の植生復元作業中で、人為的な痕跡が残っていたが、十数年が経過して、自然な感じに戻ったような気がする。薄らと至仏山が見えていたが、写真を撮ろうとしたらガスに覆われてあっという間に見えなくなり、寒風が吹き付けて来た。山の天気は変わりやすい。Tmさんは来週、尾瀬でキャンプをするそうで、こんなに寒いとは、とビックリして居られる。


アヤメ平の稜線


アヤメ平の草原


アヤメ平から白根山を遠望


アヤメ平の道標とベンチ

展望もきかなくなったので、この先どうしようかと相談し、まあでも横田代までは行ってみよう、と決まる。草原から樹林に入ってしばらく進むと、木道の脇に三角点標石と「中原山」と記された道標がある。ここが中原山の頂上だが、広く真っ平らで笹と樹林に覆われて、およそ山頂らしくない。


アヤメ平の池


中原山頂上

この先はゆるやかなアップダウンのあと、横田代へ緩い下りとなる。この辺の木道は老朽化したままで、湿った木の表面は非常に滑り易い。2回滑って転けたが、事なきを得る。やがて、横田代の上端に着いて、緩斜面に広がる草原を見渡す。晴れていれば至仏山が見えるはずだが、ますますガスが濃くなって、晴れる気配はない。ここで引き返す。


横田代へ向かう


横田代の上端で引き返す

冨士見小屋跡まで戻って、昼食とする。13時半と遅くなって、腹減った。Wさん持参のワインと、Tmさん差し入れのスモークチーズ、カルパス、アーモンドのおつまみセットを美味しく頂く。

あとは林道をテレテレ歩いて富士見下に戻る。途中、雨粒がパラパラ落ちて来て上ゴアを着るが大して降らず、無事、駐車地に帰り着く。お疲れ様でした〜。

帰りは尾瀬ぷらり館「戸倉の湯」に立ち寄る(500円)。感染症対策で人数制限中だが、そう待たずに入れた。ぬるぬるの泉質のお湯で温まったのち、桐生への帰途についた。