尾瀬ヶ原

天気:のち
メンバー:T
行程:鳩待峠 6:20 …横田代 7:35 …中原山(1969m) 8:10 …アヤメ平 8:20 …富士見小屋 8:45 …竜宮小屋 10:30〜11:00 …山ノ鼻 12:10〜12:40 …鳩待峠 13:25

5日土曜日の天気予報は、週末としては久しぶりに関東一円で晴れ。どこへ出かけても良い天気になりそうなので、逆にどこに出かけるか迷ってしまう。鳩待峠への道路は10月中旬からマイカー規制が解除されているが、11月7日から来年の4月末までは冬季閉鎖。車で鳩待峠まで入れるのは今週末が今シーズンの最後ということになる。

ということで、行き先は尾瀬ヶ原に決定。歩いたことのないアヤメ平を経由し、尾瀬ヶ原を竜宮→山ノ鼻と歩いて鳩待峠に戻る予定を立てる。My Civic を車検に出していて、5日17時に受け取りに行く約束があるので、今日は軽い行程である。

代車(初代 Civic Ferio)で桐生を4時に出発。県道沼田大間々線を経由して、2時間ちょっとで鳩待峠に到着。峠の駐車場はガラガラに空いていて、2パーティほどが出発準備中。上空を覆う雲がすごい速さで流れている。至仏山への稜線も雲の中だ。予報では晴れだったが、やはり山の天気は厳しいのかなぁ。天気の好転を期待して出発する。

登り始めからダケカンバ、オオシラビソとササの緩い登りが続く。尾瀬でもマイナーなコースだし、この時期この時間帯なので、歩いている人はいなさそうである。尾瀬保護財団のHPのツキノワグマ目撃情報によると、このコースでも木道上を歩いているクマに距離3m!で遭遇という事例があったので、音を立てたりして用心して進む。

鳩待峠
至仏山は雲の中
アヤメ平への道
鳩待峠2.0km←→富士見峠3.7km

樹林帯から横田代の傾斜湿原に出ると青空が少し広がり、ちぎれるように雲が流れて行く。意外と広い草原だ。振り返ると、頂上はまだ雲の中だが、至仏山の大きな山体が見えた。横田代を横切って、標高1939mのピーク(といってもほとんど平ら)から僅かに下って登り返し、ベンチのある小さな湿原を過ぎると中原山の山頂だ。

横田代から至仏山を振り返る
1939mピークから中原山

頂上には「中原山」と記した標柱と三角点があるだけだ。この少し先からアヤメ平が始まる。再び雲が多くなって、期待していた燧ヶ岳の眺めは得られない。湿原自体も植生復元作業中で人工的な物が目について、ちょっと物悲しい雰囲気だ。

アヤメ平を過ぎると、稜線の南側はササ原の急斜面となり、その下に緩やかな谷が広がって、富士見下からの車道が走っているのが見える。また、前方には富士見小屋の青い屋根も見える。ただし、滑り易い木道の下りなので、余所見歩きは厳禁。

中原山山頂の標識と三角点
アヤメ平
湿原植生復元作業実施中

尾瀬ヶ原に下る長沢新道との分岐には富士見田代の丸い形の池塘がある。周囲のオオシラビソの梢をかすめるように雲が流れて、さっきよりも空が暗くなった気がする。予定では長沢新道を下るが、富士見小屋はここからすぐなので、立ち寄ってみることにする。

富士見小屋も冬季休業中で、建物の横にジムニーが駐車されている他は、人の気配もなく静まり返っている。立派な公衆WCがあるので拝借。小屋の前の階段に腰を下ろし、ビスケットを齧って休憩する。

富士見小屋から少し戻って、長沢新道を下る。前半はオオシラビソとササの緩い尾根の単調な道だが、後半はブナ林の中の少し急な下りとなる。天気が良くなって来て、木の間越しだが景鶴山や陽差しに黄金色に輝く尾瀬ヶ原の草原が見えて来る。

冬季休業中の富士見小屋
竜宮へ下る長沢新道の途中から
尾瀬ヶ原と景鶴山

尾瀬ヶ原に降りたときには、すっかり青空が広がっていた。竜宮十字路のベンチでは、大展望のど真ん中でハイカーさん数人がまったりとしていたが、風があるので竜宮小屋まで行く。こちらの小屋も冬支度が済んでいて、小屋前のベンチは板が取り外されて積み上げられている。ここに腰を下ろして、風を避けて昼食にする。晴れたので、まずは缶ビール。お湯を沸かして餅入りカップスープを作る。

昼食を済ませ、山ノ鼻を目指して尾瀬ヶ原の木道をのんびり歩く。行き交うハイカーの数はごく少ない。紅葉は終わっているが、黄金色に広がる枯れ草の原と青空に浮かぶ白い雲、ダケカンバの白い幹と梢の赤みがかった冬芽、池塘に残る色付いたヒツジグサがきれいだ。燧ヶ岳や景鶴山もくっきり見えている。至仏山は逆光でちょっともわっとした感じだ。

竜宮小屋から景鶴山
中田代付近から至仏山
中田代付近から燧ヶ岳
上ノ大堀川橋の下流
牛首付近から燧ヶ岳
今春の豪雪で曲がった
原の川上川橋の鉄骨と仮設の橋

お目当てのアヤメ平からの展望はなかったが、冬支度の尾瀬ヶ原の風景を満喫できたのは良かった。山ノ鼻の至仏山荘の前で林檎を食べて休憩した後、鳩待峠まで戻る。車の数は増えてはいたが、まだ余裕が十分ある状態だった。駐車場の管理人さんがいて、ここに車で来ること3回目にして初めて駐車券(2,500円)をゲット(^^)。帰途、戸倉かもしか村の風呂で温まって帰った。