前袈裟丸山

天気:
メンバー:T
行程:折場登山口 6:30 …賽の河原 7:25 …小丸山(1676m) 8:10〜8:15 …前袈裟丸山(1878m) 9:10〜9:45 …小丸山 10:35 …賽の河原 11:10 …折場登山口 11:55
ルート地図 GPSのログを地理院地図(赤:往路、青:復路)に重ねて表示します。

この週末は日曜日が晴れの予報で、絶好の山歩き日和になりそうだ。先々週に庚申山〜鋸山を歩いたとき、袈裟丸連峰を一望して久し振りに登りたくなったので、以前から興味を持っていた中尾根を登り、奥袈裟丸山、小法師岳を周回するルートを検討してみる。

しかし、ネットで山行記録を調べると、周回する場合にはかなりの長丁場となるようで、既に日の短いこの時期(昼の長さ11時間)では日帰りは難しそうなことが判明する。途中、泊まりを考慮するか、でなければ日が長くなる時期までおあずけだな。

今回は軽い行程にして、折場登山口から前袈裟丸山に登ることにする。このコースを歩くのは2002年5月以来で、久し振りだ。春のアカヤシオで有名なハイキングコースだが、この時期は紅葉が期待できそうだし、展望も期待大だ。と言う訳で、出かけてきました。

桐生を薄明の5時半頃に車で出発。小中大滝を経由して林道小中西山線を上がり、6時過ぎに折場登山口に到着。駐車場に車を置く。早朝にもかかわらず、既に車が2台あり、直後にもう1台到着する。夜が明けて関東平野を一望し、秩父山地の上に真っ白に冠雪した頂を覗かせる富士山を遠望する。道理で今朝は冷え込んで寒い訳だ。


折場登山口


冠雪した富士山をズームして撮影
右手前のピークは芋木ノドッケ

長袖シャツを着て出発。色付いた葉と枯れた葉が混じる樹林の中を登り、左斜面が伐採地跡で一面の笹原となった尾根の上に出る。眺めが開けて、ヒライデ沢の谷を隔てて前袈裟丸山を仰ぐ。上空は雲一つない青空が広がって、予報通りの快晴だ。谷間は紅葉しているが、まだ山陰で日が当たらないので、色が映えない。紅葉の鑑賞は帰りに期待しよう。


前袈裟丸山を仰ぐ


笹斜面の縁を登る

前袈裟丸山を眺めながら笹斜面の縁を登り、樹林を抜けると、平坦な賽の河原に着く。櫓の展望台があり、梯子を登って上がってみたが、袈裟丸連峰の方向は木の梢が邪魔をしてイマイチだ。まあ、展望はこの先にたくさん良いところがあるだろう。


つつじ平付近


展望台

塔ノ沢登山口からの登山道を合わせ、広くなだらかな稜線を辿る。この辺りの紅葉は、所々にハッとする鮮やかな赤があるものの、既に終盤で、色付かずに枯れてしまった葉も多いようだ。地面には薄く霜が降りて、秋の深まりと冬の近づきが感じられる。


賽の河原


賽の河原の石地蔵


なだらかな稜線を辿る


ツツジの紅葉

樹林に入って緩く登り、最後に短い急坂を上がると小丸山の頂上に着く。展望が開けて、行く手には前袈裟丸山をはじめ、袈裟丸連峰を一望。さらに皇海山、先日歩いた鋸山(稜線が皇海山に重なってわかりにくい)から庚申山、奥には日光白根山が眺められる。袈裟丸連峰の中腹と中尾根の中間辺りで紅葉が盛りだ。今日はやはり中尾根に行けば良かったかな、とも思うが、しかし、ここからの眺めも捨てがたい。


小丸山頂上


小丸山から前袈裟丸山(左)
後袈裟丸山を望む


小丸山から後袈裟丸山(左)
〜奥袈裟丸山を望む


小丸山から皇海山(左)
庚申山を望む

小丸山から少し下った鞍部の広場に避難小屋(カマボコ型のシェルター)とWCがある。避難小屋の中を覗くと綺麗にしていて十分使えるが、ちょっと狭くて湿気が高い。この広場には、大昔に袈裟丸山を単独で縦走した際に、テントで泊まったことがある。夜になると鹿がテントの周りをケンケンと鳴きながらうろついていたことが記憶に残っている。


小丸避難小屋


岳樺林越しに前袈裟丸山を仰ぐ

避難小屋から軽く登って小ピークを巻くと、岳樺林越しに前袈裟丸山を間近に仰ぐ。笹原の切り開き道を進んで、頂上への最後の急坂に取り付く。この辺りは自然林が綺麗なところだ。途中、木の根、岩角、トラロープを摑んでの登りとなるが、そう長くはなく、程なくなだらかで笹原に覆われた稜線上に登り着く。左手に赤城山を望み、振り返れば関東平野が一望できる。


笹原の広がる鞍部


最後の急斜面を仰ぐ


急登の途中から後袈裟丸山を望む


ロープが懸かる急登


なだらかな稜線に登り着く


赤城山を遠望

ゆるゆると笹原を登って、前袈裟丸山の頂上に着く。入れ替わりに単独行のおじさんが下山し、私は今日の登頂の二番手となったようだ。頂上は開けた平地だが、樹林に囲まれて、意外と展望がない。ザックを置き、後袈裟丸山の方へ向かう。入口には「注意 前袈裟丸山から後袈裟丸山の間・八反張は風化が激しく危険ですので通行を禁止します 東村」との看板がかかる。前回も通行禁止の看板があったが、実際にはあっさり通過できた。今はどうなんだろう。

すぐに樹林を抜け、露岩のある斜面に出て、北側の展望が開ける。八反張のギャップを隔てて後袈裟丸山、さらに奥袈裟丸山に続く稜線を望む。その先には皇海山、日光白根山を遠望する。これは素晴らしい眺めだな。


前袈裟丸山頂上


頂上の少し先から後袈裟丸山を望む

右へ眺めて行くと、ゆったりと延びる小法師尾根を前景として、庚申山や遠く男体山を望む。左へ目を転じれば、後袈裟丸山から郡界尾根がなだらかに高度を落とす。その向こうには武尊山や沼田市街を望み、霞んでいるが谷川連峰まで遠望する。


頂上から日光白根山(左奥)
男体山を遠望


頂上から武尊山(右奥)を遠望

眺めを満喫していると、後続のハイカーさん3人組が到着。やはり、山岳展望に感嘆の声が上がる。彼らはここで昼食にするようだ。私は頂上に戻り、お湯を沸かしてコーヒーを入れ、小さなクリームパンを腹に入れる。まだ昼には早いし、今日は午前中に下って、温泉に入った後に昼食にするつもりなので、ここでは軽く食べるだけにしておく。

下山は往路をそのまま戻る。関東平野を俯瞰しながら、なだらかな笹原を下る。関東平野の前に低く横たわる山塊の中には(写真では分かりにくいが)鳴神山や吾妻山を見いだすことができる。写真を撮っている間にハイカーさん数人が登って行く。急坂に入って急降下すると、再びなだらかな稜線の歩きとなる。さらにハイカーさん数人と交差する。


頂上直下から鳴神山方面を望む


急坂を下って小丸山方面を望む

避難小屋から小丸山へ短い坂を上り、頂上からもう一度、袈裟丸連峰を眺める。


再び小丸山頂上


紅葉は中腹がピーク

ポツポツとハイカーさんとすれ違いながら、稜線を緩く下る。賽の河原を過ぎ、袈裟丸連峰を見納めして樹林の中を下る。


賽の河原


袈裟丸連峰を見納め


色付いた樹林を下る


笹斜面から赤城山を遠望

黄葉した樹林を抜けて笹斜面に出ると、谷間の紅葉が日差しに照り映えて、なかなか綺麗だ。今年の紅葉は、多分これで見納めだな。笹斜面の中に連続して滝をかける小さな沢があり、ちょっと面白そう(本流のヒライデ沢は沢登りでよく歩かれている)。


中腹の紅葉を眺める


この辺りが一番綺麗

最後に紅葉した樹林を下って、12時前に折場登山口に帰り着く。山中でハイカーさんに会ったのは散発的だったので、そんなに多い感じではなかったのだが、十数台分の駐車場はほぼ一杯になっていた。流石に人気のある山である。

さて、水沼温泉へ向かおうとして、フロントガラスに何やら置いてあるのに気が付く。見ると水沼温泉のパンフレットで、入館料の割引券(600円から200円引き)が付いている。これはラッキー♪しかし、こんな所でプロモーションしているとは知らなかった。県外ナンバーも多いので、知名度アップにはなると思う。


紅葉した樹林を下る


水沼温泉で山うなぎ丼を食べる

水沼は、久々の行楽日和とあって、観光のお客さんが結構多い。割引券を差し出すと、早速使って頂いて、と感謝される。いやー、初手から来るつもりだったので、なんか申し訳ないです(^^;)。風呂に入ってさっぱりしたのち、館内の食事処「わたらせ庵」で昼食にし、山うなぎ丼(1000円)を注文する。山うなぎとは大和芋のことだそうだ。鶏モモ肉も入っている。味もボリュームも大満足。美味しく頂いたのち、日の高いうちに帰宅した。