鉢伏山〜二ツ山〜三峰山

天気:
メンバー:T
行程:桧の湯 5:45 …鉢伏山登山口 5:50 …営林小屋跡 6:55 …鉢伏山(1929m) 8:10〜8:35 …二ツ山(1827m) 9:45 …昼食地点 11:05〜11:35 …三峰山(1889m) 12:20〜12:45 …扉峠 13:50
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

この週末は土曜日に梅雨の晴れ間がありそう。山歩きの行き先を考え、以前、美ヶ原に登ったときに眺めて、なだらかな山容が印象に残った鉢伏山を思い付く。レンゲツツジで有名な山で、開花時期にも早目だが合いそうである。頂上直下まで車で上がれる山だが、それでは山歩きとして物足りないので、二ツ山を経て三峰山まで縦走する計画を立てる。このルートは美ヶ原高原ロングトレイルの一区間として、整備された登山道が通じている。

今回の行程は少々長いので、深夜に桐生を車で出発。佐久南ICで高速を降りてR142を和田峠方面に向かい、長和町和田からビーナスラインに上がって、扉峠の駐車場に車を置く。予報通りの良い天気。標高約1600mを越える高所だけあって、早朝の空気はキンと冷え、頭がシャキッとする。今日はここから自転車で扉温泉に下り、扉温泉→鉢伏山→三峰山と歩いて、扉峠に戻ってこようという計画である。

リュックを背負い、マイバイクRadon I号で移動。扉温泉の桧の湯の駐車場に駐輪する。なお、扉峠〜扉温泉間の林道(県道松本和田線)は、現在、土砂崩れのため全面通行止となっている。自転車ならば通れなくもないが( ̄▽ ̄)、保証しないし、お勧めもしない。

扉温泉の明神館の前を通ると、そのすぐ奥に鉢伏山登山口がある。山腹をジグザグに登って小尾根の上に出ると、規模は小さいが白樺の美林がある。


扉温泉の鉢伏山登山口


白樺の美林

小尾根を越え、わさび沢を木橋で左岸に渡り、沢から離れてシダの繁る薄暗い窪地を登る。この窪地は、ルート地図を見ると分かるように、わさび沢に平行して山腹を横切るように続いている。地滑りでできたものだろうか。妙な地形である。


わさび沢を木橋で渡る


シダの繁る窪地を登る

再び、わさび沢沿いの道となって緩く登る。左岸はカラマツ林となり、林床をシダがビッシリと覆う。クリンソウの鮮やかな紅色の花もポツポツと咲いている。最近、雨が降ったのか、沢の水は豊富で勢い良く流れている。やがて、沢に面した小平地があり、ここが営林小屋跡のようだ。


再びわさび沢沿いの道へ


クリンソウ


渓流沿いに登る


営林小屋跡付近

道標に従って沢を渡り、カラマツとササの尾根に取り付いてジグザグに登る。カラマツ林を抜けて鉢伏山の稜線直下に出ると、レンゲツツジの群落が現れる。大きく瑞々しいオレンジ色の花が一面に咲いていて見事。七分咲きといったところか。


カラマツとササの尾根


レンゲツツジ

レンゲツツジ原を登ると、前鉢伏山辺りのなだらかな稜線越しに槍ヶ岳が見えて来る。頂上稜線上の十字路に着くと、正面に鉢伏山荘の屋根が見える。鉢伏山荘までは車で上がって来られるので、まだ朝早いのにレンゲツツジの撮影に余念がないハイカーさんをここそこに見かける。


槍ヶ岳を遠望


稜線上の十字路

十字路を左折し、レンゲツツジ咲く緩斜面を登って鉢伏山に向かう。四方に展望が開け、特に美ヶ原の大きく平たい山容が目を引く。


鉢伏山への登り


美ヶ原を望む


鉢伏山と牧場小屋


二ツ山への分岐

頂上近くのレンゲツツジは、まだ蕾のものが多い。二ツ山への道を左に分け、緩く登って平坦な鉢伏山頂上に着く。ここには三角点標石といくつかの山名標があるだけ。展望はこの先の展望台の方が良い。登山道右脇の少し笹原に入ったところに、鉢伏神社の鳥居と石祠が建つ。石祠を囲む土塁が、冬期の風雪の厳しさを物語る。


鉢伏山頂上


鉢伏神社
(鉢伏大神、昭和35年6月吉日)

急な階段を登って展望台の屋上に上がると、少々風当たりは強いが、ベンチがあって休憩に持ってこい。ここからの展望は素晴らしい。西には薄紫に霞む松本平を俯瞰し、高度感がある。松本平の向こうにはまだ雪を残す北アが雲間に見える。南には諏訪湖を望み、その奥に南アの北岳、仙丈ヶ岳を遠望する。

ミニドーナツを齧りながら展望を堪能したのち、二ツ山への分岐に戻る。途中、レンゲツツジ原の中に板状の大岩が突き立っているのに気がつく。近寄ってみると高さ2m余の石碑で、大きな字で「鳴雷神」と刻まれている(後日調べると、鳴雷神は「なるいかづちのかみ」と読むそうである)。


展望台


展望台から松本平を俯瞰


展望台から諏訪湖を望む


鳴雷神の石碑

二ツ山への縦走路に入り、緩やかな笹原の斜面をトラバースする作業道を辿る。眼下の斜面も一面のレンゲツツジで覆われて見事である。花が目当てのハイカーさんはこの辺りまで来ているが、この先はぱったり人がいなくなる。緩やかなピークを越えると、二ツ山と三峰山が見えて来る。三峰山までは結構な距離があるなあ。レンゲツツジ原に通じる踏み跡を緩く下ると、ササとカラマツの稜線となる。


二ツ山へのトレイルに入る


二ツ山と三峰山(左奥)を望む


レンゲツツジと美ヶ原


ササとカラマツの稜線を行く

開放的な笹原の稜線が続く。登り返すと1842m標高点で、二ツ山はまだ遠い。


正面に二ツ山


振り返って鉢伏山

鉢伏山を時々振り返りつつ笹原を登ると、二ツ山の北峰に着く。道標があり、三角点標石のある二ツ山頂上は右に平坦な笹原を少し入ったところだ。頂上は明るく開けているが、樹林に遮られて展望はない。北峰に戻って小休止していると、トレランの人が追い越して行った。三峰山まで行くのだろうか、凄いなあ。

(当日は知らなかったので訪れなかったが、二ツ山頂上から下諏訪側に少し下ったところに大天狗、小天狗など多数の石碑があるそうである。いつか再訪したい。)


二ツ山頂上分岐


二ツ山頂上


山が一番さんの山名標


ジグザグの大下り

二ツ山からは、標高差約300mの大下りとなり、カラマツ林に入って急斜面をジグザグに下る。途中で約30人のハイカーさんグループとすれ違う。下り切ると稜線の左を巻く道となり、1668m標高点ピークは左から大きく巻く。展望はなく、ところどころ樹林の切れ間から美ヶ原や三峰山が見える程度である。延々と巻き道を辿り、ようやく稜線に復帰したところで腹が減ったので昼食とする。鯖味噌煮レトルトパウチをつまみにWHITE BELGで喉を潤したのち、カップ麺の天ぷら蕎麦を食べる。


左山腹を大きく巻く


稜線に復帰してここで昼食

腹を拵えて元気が出てきたところで、三峰山への登りにかかる。痩せ尾根を絡んで急登すると、笹原に覆われた三峰山のピークを仰ぐ。あとちょっとの登りだ。


痩せ尾根の急登


三峰山を仰ぐ

笹原の急斜面をジグザグに登って、三峰山の平坦な頂上稜線に出る。三峰山の三角点は稜線を右奥に進んだところにある。頂上からの展望は正に360度で素晴らしい。北には美ヶ原、南東には霧ヶ峰と遠く八ヶ岳連峰を望む。西には鉢伏山を望み、あそこからよく歩いてきたなあ、と感慨を抱く。東の山腹にはビーナスラインが通じ、バイクの爆音が響いてくるのはちょっとなんだかだが、気にしない。ハイカーさんも多く、マウンテンバイクのグループや、ラジコングライダーを飛ばして遊んでいる人もいて賑わっている。


三峰山頂上


頂上稜線
背景は鉢伏山


蓼科山を遠望


鉢伏山を望む

展望を楽しんだのち、笹原の稜線を下って、扉峠に向かう。この区間は「中央分水嶺トレイル」に属する。樹林に入ってジグザグに下り、平行するビーナスラインを木の間越しに見ながら登山道を歩く。


扉峠への稜線
背景は茶臼山


笹原の稜線を辿る


三峰山を振り返る


樹林帯を下る

小さな登降のある登山道を辿って、ビーナスラインに出る。扉峠まで残りの短い距離は車道脇を歩くが、最後は歩道がないので、通行車両に注意。車を置いた駐車場に戻る。


ビーナスラインに出る


扉温泉桧の湯

あとはアザレアライン、三城を経由して扉温泉に向かい、桧の湯に駐輪したRadon I号を回収。ついでに桧の湯に入る(300円)。源泉掛け流しで露天風呂もあり、なかなか良い湯である。お勧め。往路を戻り、桐生への帰途についた。