大平山(松木山)〜社山

天気:
メンバー:T
行程:銅親水公園駐車場 6:55 …1179m三角点 8:15 …大平山(松木山)(1960m) 10:20〜10:35 …縦走路に合流 11:00 …凹地 11:20〜11:55 …社山(1827m) 12:55 〜13:05 …久蔵雨量観測所 14:30 …銅親水公園駐車場 15:25
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先週に続いて足尾の山へ。松木尾根から大平山(松木山)に登り、中禅寺湖南岸尾根を社山へ縦走して、社山南尾根を下る三角形の周回コースを歩いてきました。

今日は長めの行程なので、早朝に桐生を車で出発。登山口の銅親水公園駐車場に着くと、朝早いにも関わらず既に10台程の車がある。天気が良いので、ハイカーさんも多いのかな。三川合流ダム脇のゲートを通り、これから歩く松木尾根や大平山、社山、南尾根を高く仰ぎながら、久蔵沢林道を歩く。荒廃した山肌にポツポツと戻って来た森林の新緑が鮮やか。安蘇沢林道に入り、南尾根末端を回り込んで安蘇沢沿いに歩く。

銅親水公園駐車場
石塔尾根を望む
三川合流から松木尾根を望む
三川合流から社山南尾根を望む
安蘇沢林道を辿る

安蘇沢の右岸に渡り、1179m三角点から東に落ちる支尾根の末端に取り付く。この支尾根はそんなに急ではなく、藪もなくて登り易いが、シカのフンが多いのは仕方ないところ。シカにも数度遭遇。行く手に食事中のシカの群れがいるのに気がつき、写真を撮ろうとそっと近づくが敢えなく察知され、ケンと一声鳴いて逃げていくシカの白いお尻を見送る。

松木尾根の主尾根に登り着いたところが1179m三角点の標石があるピークだ。四方の眺めが開け、松木渓谷を隔てて峨々とした岩肌を巡らせた中倉山〜沢入山が眺められる。また、松木尾根の奥には大平山の頂上付近の稜線を仰ぐ。

ここから支尾根に取り付く
支尾根を直登する
隣の尾根に鹿が三頭
1179m三角点から松木尾根を仰ぐ
松木渓谷を隔てて石塔尾根を望む
新緑に覆われた尾根を登る

1179m三角点の先には稜線が崩落した個所がある。ここは右から通過。新緑の樹林帯に入って登っていく。高度が上がると、白い木肌が綺麗なダケカンバの林が現れる。ワイヤー等が残置されているから、伐採後の二次林かな。ヤマツツジは今が見頃だ。

ダケカンバ林が現れる
ヤマツツジが満開

林道を横断し、法面を攀じ登ると太陽電池の付いた観測装置?がある。高度が上がり、沢入山の奥にオロ山と皇海山が見えて来る。空気がカラッとして澄んでいるので、クリアで申し分ない展望が得られる。

林道を横断
1356m標高点にある観測施設
皇海山を遠望
カラマツ林の尾根を急登

カラマツ林に覆われた尾根はやや幅が広くなり、笹原の中に踏み跡が続く。長い登りに耐えると林が段々疎らになり、展望が開けて笹原の奥に大平山の頂上稜線を仰ぐ。

笹原の踏み跡を辿る
大平山の頂上稜線を仰ぐ

この先は笹原に覆われた闊達な尾根となり、四方に眺めが開けて素晴らしい雰囲気。振り返れば渡良瀬川の三川合流辺りの広い河原を俯瞰し、その左には赤倉山から半月山への稜線、社山と男体山も見えて来る。石塔尾根を見れば既に中倉山は下となり、皇海山と鋸山の向こうには袈裟丸山がせり上がって見えて来る。

男体山(奥)と社山を望む
渡良瀬川を俯瞰

笹原に通じる微かな踏み跡を辿り、うねるように高まって行く尾根を登る。ところどころにダケカンバの疎らな林を配し、実に絵になる風景が続く。正直、この辺りの尾根の気持ちの良さは期待以上である。

笹原とダケカンバの尾根を登る
笹原に微かな踏み跡が通じる
皇海山と袈裟丸山(奥)を遠望
大平山の頂上は近い

大平山の頂上を眺めながら笹原の尾根を登り詰める。頂上稜線に達して右折。笹原の中に僅かな残雪とシカの頭骨を見る。コメツガ林に覆われたなだらかな稜線を辿ると、三角点標石と山名標のある大平山の頂上に着く。

頂上は樹林に囲まれているが、南東面は広大な笹原の斜面で、登ってきた松木尾根や足尾市街を俯瞰する。標高差は約1200mあるから、なかなか登り応えがあった。少し休憩したのち、社山に向かう。

大平山頂上
大平山より松木尾根を俯瞰

コメツガに覆われた広く平坦な稜線を北東に向かい、樹林から抜け出て黒檜岳〜社山の縦走路に合流する。この縦走路は一度歩いたことがある(山行記録)が、展望の良い笹原の稜線が続くから、また歩けるのは楽しみである。

黒檜岳〜社山縦走路に合流
行く手に社山と男体山(左奥)

足尾側の展望を楽しみながら笹原の稜線を緩く下ると、行く手に社山の三角錐や半月山、そして左に一際大きく高い男体山が見えて来る。今日初めて、ハイカーさんと交差。縦走路は稜線南側の小さく浅い凹地に下って行く。凹地で大休止。風を避けて砂地に腰を下ろし、レトルトパウチ鯖味噌煮とWHITE BELG、COOPソース焼きそばで昼食とする。

凹地
社山への稜線

凹地からなお続く笹原の稜線を辿る。満々と水を湛えた中禅寺湖とその周りを取り囲む男体山や太郎山、そしてまだ雪を残す白根山を眺める。起伏と屈曲を繰り返す稜線は変化に富むし、木立の疎らな笹原の縦走路からは始終展望が楽しめ、どこを切り取っても絵になる風景が続く。日光でも白眉のルートではないかと思う。

中禅寺湖と日光白根山を望む
男体山と太郎山(中央奥)を望む
男体山を眺めながら縦走
社山に向かう

社山の手前の鞍部に下って行くと、遠くからも目立つ一群のピンク色の花がある。もしやと思って近づけば、やはりアカヤシオ。今シーズンはほとんど見ていなかったし、ここで見られるとは期待していなかったので嬉しい。

鞍部から社山へは急坂となり、密なコメツガ林の間を登ると社山の頂上に着く。阿世潟峠から登ってくるハイカーさんも合流して、頂上には数組のハイカーさんが憩っている。

名残のアカヤシオ
社山頂上

社山頂上の西端辺りにはシャクナゲの群れがあり、花を咲かせている。盛りを過ぎた株もあるが、まだ蕾のものもあって、時期としてはちょうど良いくらいか。今シーズンの初シャクナゲなので、これも嬉しい。

ちょっと休憩してミニドーナッツを腹に入れたのち、下山ルートの南尾根に入る。最初は笹原の中に一般登山道と言ってもおかしくない明瞭な踏み跡が続く。

社山頂上付近のシャクナゲ
南尾根を俯瞰

やがてダケカンバ等の疎らな樹林の中に入るとシロヤシオがポツポツ咲いている。踏み跡は薄くなるが、尾根筋ははっきりしていて、ルートを迷う心配はない。

シロヤシオ
笹原と岳樺の尾根を下る

1568m標高点へは短いが右斜面が崩壊した登り返しとなる。ピークを越えると、再び丈の低い笹原の尾根の下りとなる。尾根の幅が広がり、傾斜が緩くなって高原的な雰囲気が出てくる。この辺りの踏み跡は少し窪んで幅が広く、昔の作業道の跡かも知れない。右側の緩斜面の林の中に光る物を見つけ、立ち寄ってみると小さな池がある。ヌタ場に水が溜まったもののようだが、オタマジャクシがうようよ泳いでいる。

1568m標高点へ登る
半月山を望む
微かな踏み跡を辿る
小さな池

標高が下がるとダケカンバの他にクロマツが混じり始める。緩く下ると砂礫地に出て、一本だけクロマツが生えている。樹林が切れて眺めが開け、石塔尾根の奥に皇海山を望む。正午を回って暑くなったせいか、景色にも少し靄が掛かっている。

この辺りから枯れススキが混じる笹原となり、ちょっと藪山の相が出てくる。1182m三角点はうっかり通り過ぎそうになって気がつき、少し戻って枯れススキの中に標石を確認する。三川合流はすぐ下に見え、半月山が高く望まれる。

一本松から皇海山を遠望
1182m三角点

三角点の先は短いザレた急坂となる。下りきって傾斜が緩むと、道端にコンクリ造の小屋があり「草木ダム管理所 久蔵雨量観測所」の看板が掛かっている。ここから「久蔵雨量局順路」という道標が現れる。この道標に従えば、やがて尾根上から離れて左側に下り、久蔵沢林道に出ることができるようだが、多少遠回りになりそうなので、もう少し尾根を下る。末端は林道の高い法面に行き当たるので(往路で偵察済)、末端の手前から右斜面を下る。しかしこの下りは脆くかなり急で危ない。やはり、道標に従って順路を下る方が良さそうだ。

クロマツ林の尾根を下る
久蔵雨量観測所
三川合流を間近に俯瞰
赤倉山を見ながら安蘇沢林道を下る

なんとか安蘇沢林道に降り着きホッと一安心。あとは陽射しに炙られながら林道を歩いて、銅親水公園の駐車場に戻る。観光客が次々と訪れていて、まだ駐車は多い。水沼に立ち寄ってさっぱり汗を流した後、帰桐した。