光兎山
(この記事は、新潟県村上市周辺の山1日目、鷲ヶ巣山からの続きです。)
前夜は南大平ダム湖公園にテント泊し、翌朝、テントを撤収して出発。村上瀬波温泉IC近くのすき家に立ち寄って朝食をがっつり摂り、R290を経由して光兎山(こうさぎさん)登山口の関川村中束(なかまるけ)集落に向かう。中束から光兎山がシルエットとなって仰がれる。金字形の山容が格好良い。
集落内の中束バス停に「光兎山登山案内図」の新しく大きな看板があり、その先、藤沢川を二峯橋で渡って直ぐに光兎山登山口の道標がある。ここで右折して林道に入り、道なりに走ると光兎山の中束登山口に着く。50m程先に6台分程の駐車スペースがある。既に4台の車があり、驚いたことに湘南などの県外ナンバーの車もある。まあ、私もその中に入る訳だが(^^)。ここに車を置いて歩き出す。
登山道はアカマツや雑木の林の緩斜面を登る。林床には小さな白い花を付けたチゴユリの群落が広がる。「笹峰休み場」の標識のある地点を過ぎ、作業道を横断して登る。
やがて稜線上の登りとなり、左より千刈登山口からの登山道を合わせる。丸太のベンチがあり、腰を下ろして一休み。ここまでの登りは緩くて楽チンである。昨夜は良く寝たので、体調も良い。
ブナ林に覆われた稜線を緩く登り、2基の石灯籠と「虚空蔵菩薩」の石碑のある虚空蔵峰に着く。木立の切れ間から見える平野に浮かぶ山塊は、高坪山(570m)かな。稜線を僅かに進んだ小平地に三角点標石がある。
稜線を緩やかに辿ると、小さな木造りの祠がある観音峰に着く。祠の後ろの樹林の切れ間からは、光兎山と前衛の雷峰(いかずちみね)がすっくと聳えて眺められる。雷峰へは大きな登りとなるが、昨日の鷲ヶ巣山みたいに厳しいということはなさそう。
観音峰から短い急坂を下った鞍部には「←水場」の標識がある。水は充分あるので、先に進もう。右(南)側斜面がスラブとなって開けた陽当たりの良い痩せ尾根となり、樹林に覆われた山並みや、遠く白銀の飯豊連峰が眺められる。
展望が開けるのは良いが、雷峰への急登に差し掛かって強い陽射しが真面に当たると、あっちいあっちい。この辺りで先行して頂上から戻って来たハイカーさん数人とすれ違う。
樹林帯に入ってさらに急登すると、「雷大権現」の石碑のある雷峰の頂上に着く。ここまで来ると、光兎山を間近に眺めることが出来る。また360度の展望が開け、特に鷲ヶ巣山はさながら山並みを進む巡洋艦を思わせる山容で、格好良い。
展望を楽しみながら稜線を辿ると、姥石という大岩がある。かつて光兎山が女人禁制だったとき、禁を犯して登った女性が石になったという伝説があるそうな。
小さく上下しながら明るい稜線を辿り、「ヨ平戻の頭」の標識のある小ピークを越えて少し下り、いよいよ光兎山への登りに取り付く。右(南)側は豪雪に磨かれたスラブとなり、ときおり雪渓が崩れ落ちてドドドという音が響いてくる。急坂をこなし、最後は少し傾斜が緩くなって光兎山の頂上に登り着く。
小広い頂上には三角点標石と鉄製の祠があり、360度の眺望が得られる。ハイカーさんが数組休憩中で大展望を楽しんでいる。展望に関しては、ここも朝日連峰と飯豊連峰を一望し、鷲ヶ巣山に勝るとも劣らない。むしろ、鷲ヶ巣山が眺められる分、勝っているかも。
まだ昼には早いし、暑くてラーメンを食べる気にならないので、レトルト鯖味噌煮をつまみに缶ビールを飲んで、軽く腹を満たす。休憩している間にもハイカーさんが次々に登って来て、なかなか人気が高い山である。
下山は往路をそのまま戻る。下山中も、登ってくるハイカーさん多数とすれ違う。鷲ヶ巣山に比べればかなり楽な山だが、皆さん、今日の暑さには一様に参っている様子。観音峰まで来れば、あとはブナ林の木陰があり、ゆるゆると下るだけだ。戻った駐車場には、路側も含めて10台くらいの車があった。
予定ではもう1泊してあと1座登るつもりだったが、明日は天気が崩れるとの予報だし、登った2座が期待以上に素晴らしかったので満足。一風呂浴びて帰ることにする。取り敢えず、荒川沿いのえちご関川温泉郷に向かうと、偶然、湯沢温泉で共同浴場を発見。料金は200円也。小さな湯船でシャンプー石鹼はないが、如何にも共同浴場らしくていい。さっぱり汗を流す。登山後の温泉は最高。なお、近くの道の駅関川にも、日帰り温泉がある。
それから、道の駅神林にも立ち寄る。道の駅はどちらもGWの観光客で賑わっているが、大混雑という程ではなくて余裕がある。食堂で遅い昼食にとんかつ定食を食べて(美味かった)腹拵えをしたのち、帰途につく。途中、渋滞もほとんどなく、桐生に帰った。