富良野岳
(この記事は、北海道の山1日目、十勝岳からの続きです。)
白金温泉「山辺の家族」に2泊して3日目の朝、温泉に入り、朝食をしっかり頂いて、チェックアウト。天気は、昨日よりは少し良いが、やはり曇りがちだ。今日は十勝連峰南端の雄峰、富良野岳に登る予定である。登山口の十勝岳温泉へ車で向かう。
原生林の中のつづら折れの車道を上がって十勝岳温泉に到着してみるとビックリ、広い登山者用駐車場が満杯で、手前の車道の路側にも駐車が列をなしている。かなり手前にようやく路駐する。まあ、三連休の中日だからなあ。駐車場まで歩いて登り返し、ハイカーさん達に続いて、富良野岳への登山道に入る。
ハイマツ原を切り開いた幅広い登山道を緩く登って行く。周囲の山肌にはちらほらと紅葉が見える。行く手の山は霧に覆われて見えない、と思っていたら急に霧が切れ始め、ギザギザの稜線が見え始めた。おお、これは凄い眺めだ。すっかり霧が消えると、安政火口を取り巻く火口壁と、その上に連なる上ホロカメットク山辺りの主稜線が姿を現す。
安政火口に近づくと、荒涼とした谷底の一面から盛んに上がる噴煙が眺められる。登山道の左手斜面の上には、ごつい監視カメラが設置され、火口の様子を見守っている。火山活動の生々しい脅威が感じられる光景だ。
安政火口の手前で荒れた涸れ沢を渡り、反対側(左岸)山腹を緩く登りながらトラバースする。ハイマツの緑の中に紅葉や黄葉が点在し、美しい。
登山道はやがて小尾根を越えて小さな涸れ沢に入る。ここの紅葉も見事だ。涸れ沢を離れると、左に上ホロカメットク山への道を分ける。
ハイマツと笹に覆われた緩い斜面をトラバースして行くと、行く手に三峰山、さらにはその奥に富良野岳が現れる。どちらの山も高山的で、本州の3000m級の山のような風格がある。特に富良野岳は頂がキリッと引き締まった山容が格好いい。
三峰山沢の広い河原を渡り、富良野岳を眺めながら三峰山中腹の笹原の緩斜面をトラバースする。ここも、ところどころの樹林帯が紅葉している。振り返ると、雲の間に十勝岳のピークが見える。昨日登ったばかりの山だし、端正な金字形のピークが見事で、何度も振り返りつつ歩く。
ハイマツと笹の斜面を緩く登ると、ゆったりと幅広い主稜線に登り着く。三峰山や十勝岳の眺めが良い。主稜線上はさすがに風当たりが強くて寒いので、長袖シャツを着込む。
富良野岳へ稜線を登る。整備された階段道を上がり、小ピークを巻いて稜線直下の草斜面をトラバースする。この辺りは草紅葉が盛りだ。また、クロマメノキがたくさん実をつけている。草斜面から遥か下に見おろす山麓は原始ヶ原といい、樹林帯のあちらこちらに枯れ草色の高層湿原が広がって、名の通りの原始境だ。
最後の急坂を登り切って、富良野岳の頂上に着く。南面と北面が切り立った頂上からは360度の展望が得られる。生憎の曇り空で遠望は利かないが、十勝連峰を縦覧して三峰山や上ホロカメットク山、十勝岳、美瑛岳まで眺められる。これを見ると上ホロカメットク山まで縦走したくなるが、往路を戻るよりプラス2時間となり、今回は時間の余裕がないので断念。展望を堪能したのち、素直に往路を戻って下山し、十勝岳温泉に戻った。
十勝岳温泉のカミホロ荘で日帰り入浴(600円)して汗を流したのち、今晩の宿泊地の滝川に向かう。カーナビ任せで車を走らせると、十勝連峰の山裾を下り、上富良野の市街を突っ切って、千望峠という所を通りかかる。ここは十勝岳連峰と富良野盆地を一望できるビュースポットだそうだが、残念ながら十勝岳連峰の頂は雲の中だ。
空知川と根室本線に沿ってR38をドライブし、空知平野に出て、今夜の宿の滝川のホテルスエヒロに到着する。なぜここに泊まるかというと、松尾ジンギスカン滝川本店が数ブロックの近くにあるのであ〜る。という訳で、直ちに出撃。店内は地元のグループがちらほらで、一人焼肉でも違和感ない雰囲気。生ビールとジンギスカンをたらふく食す。特上ラムや上マトンはもちろん美味いが、並のマトンでも充分に美味くて、もう大満足である。
明日は札幌を17時に発って帰らなければならない。当初は暑寒別岳に登ろうかなと思っていたが、行程が長過ぎて無理である。ノートPCでネットから情報を集め(結構、行き当たりばったりである^^;)、滝川から近くて行程も適切なピンネシリに登ることにした。