八王子山〜高倉山
土曜日に引き続き、今日も大間々町小平周辺の里山歩き。昨日、嵯峨宮から小平の里を取り囲む山々を眺めたとき、その中に小さな岩山があることに気がついた。あれが八王子山らしい。私にとっては桐生地域百山の未踏の山でもあり、俄然、興味が沸く。タイミング良く、土曜日の晩にMさんから近郊の山に行きませんかとのメールがあったので、Kさんもお誘いして、八王子山に登ることになった。八王子山だけでは行程が軽すぎるので、尾根を辿って駒見峠あたりまで歩く予定である。Kさんの記事はこちら→八王子山〜高倉山。
鍾乳洞公園の無料駐車場の隅に車を置いて出発する。三本木への車道を辿り、小さな尾根を乗り越す切り通しに、八王子山遊歩道の標識と案内図がある。
遊歩道入口には立派な鳥居が建ち、周辺には宝永年間の銘と蓮の花の浮き彫りのある水盤や安永年間の銘のある石灯籠があり、古くから信仰の山であったことがわかる。遊歩道として良く整備された参道を登るとY字路となり、左にわんぱくコース、右にほのぼのコースを分ける。入口の案内図によると、この分岐に千庚申塔があるはずであるが、探しても見当たらない。
ここは左のわんぱくコースをとると、すぐに岩尾根となる。岩尾根といっても子供でも登れるコースなので大したことはない。振り返ると小平の里を俯瞰し、昨日登った396m三角点峰辺りの稜線が見渡せて、意外と高度感があって良い眺めである。程なく樹林に囲まれた頂上に着く。大岩の上に八王子神社が建ち、やまの町桐生の八王子山の記事にあるように、深山の神韻縹渺(しんいんひょうびょう)とした雰囲気がある。
神社の左手からさらに尾根を辿ると、すぐに不動様に着いて、ここでほのぼのコースと合流する。覆屋の中に不動様と神変大菩薩の二つの石像が祀られている。
ここから尾根伝いに赤柴山稜を目指す。最初はちょっと笹藪が深いが微かな踏み跡があり、杉の植林帯に入れば藪もなくて歩き易い。30分程で「三本木山」の山名標識のあるピークに登り着く。三本木山(さんぼうぎやま)は山麓の三本木の集落から見えるこの辺りの山稜の総称で、一つのピークを指し示すものではないらしいが、一つのピークで代表させるとすれば、やまの町桐生の三本木山の記事にあるように、ここになるように思う。
檜の植林に覆われた稜線を左(北東)に辿ると、石祠のある三本木峠に着く。ここを訪れるのは3年前に赤地山〜駒見山〜谷山城址を歩いたとき以来、2回目である。石祠には「上仁田山邑」の銘がある。誰かが補修したようで、向拝の支柱が新しい。
さらに稜線を辿って、駒見峠へ。稜線上は風が冷たいので、少し下がった所の日溜まりに腰をおろして、早めの昼食とする。
予報では午後から天気が悪くなるとのことだったが、まだまだ保ちそうである。駒見山まで行ってみることにする。急坂を登り上げると、平坦な駒見山の頂上に着く。ここも風が冷たいが、シロモジが小さな黄色い花をつけていて、春の到来は間近だ。
下山は高倉山を経由して正福寺に降りることにする。やまの町桐生の赤柴山脈の記事によると、正福寺から高倉山へ登拝する道があり、途中に石祠や不動尊があるらしい。最近は登拝路は消え、不動尊の位置は定かでない。何か見つかるといいが。
駒見峠への稜線から分かれて右に下ると、植林に囲まれて高倉山の三角点標石がある。前回もそうだったが、ここは陽当たりが悪くてとても寒い。頂上から緩く下ると、大天狗、石尊宮、小天狗の三基の石祠が麓を向いて建てられている。「小平 正福寺」の銘もあり、建立者がわかる。
ここからの下りはやっぱり道がない。尾根も判然としないので、GPSでおよその方向を定めて、急な杉林の斜面を適当に急降下する。
すると、先頭を下るMさんから「あった!」との歓声。常緑樹に覆われた大岩の上に、こちらに背を向けた不動尊の石像が建つ。大岩の反対側は崖で、かなり大きな岩場だ。石像は崖を向いて建っているので、正面から写真を撮ろうとすると落っこちそうになる。それにしても、所在不明の石像を適当に歩いて発見できたとは、すごい幸運である。
不動尊からさらに杉の植林帯を急降下すると浅い谷間に降り立ち、最後は正福寺の墓地の裏手に出た。正福寺の本殿の前にはしだれ桜とモクレンの大木があり、どちらも満開で見事である。天気予報も外れて、青空が広がっていた。
鍾乳洞公園の駐車場に戻ると、おかぼ平〜陣近平でお会いした小平サクラソウの会の会長Mさんとぱったり出会う。なんという奇遇。Mさんから小平の里の所長さんを紹介して頂き、周辺の山についていろいろ話を伺った。396m三角点峰には山名はない(残念!)とのことであったが、近くにあると聞いていた機神山の場所を教えて頂けたのは大収穫だった。小平には近日中にまた来ることになりそうである。
このあと、昨日見つけた青面金剛像にKさんとMさんを案内し、親水公園近くの「豆腐山房あさの」で白ごま豆腐と厚揚げ(どちらも美味しかった)を買い込んで帰途についた。