赤地山〜駒見山〜谷山城址

天気:時々
メンバー:4名
行程:赤地 9:35 …石祠 10:00 …赤地山(686m) 11:10〜13:00 …駒見山(614m) 11:55〜12:50 …高倉山(584m) 12:55 …駒見峠 13:15 …三本木峠 13:30 …谷山城址(449m) 14:10〜14:30 …雷電山(318m) 15:15〜15:30 …八幡宮 15:50
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

先週に続いて赤柴山脈の山歩き。今度はやまの町桐生の代表幹事代行さん、桐生みどりさん、激坂調査隊のげきさかさんとご一緒して、赤地(あかっち)山から谷山(やちやま)城址まで歩いて来ました。

代行さんを車に乗せて集合場所の川内公民館に向かい、桐生みどりさんとげきさかさんに合流する。私はげきさかさんとは初対面。げきさかさんは、桐生周辺の峠道や石仏について、文献に基づいて詳しく考察した紀行をHPに書いておられる。挨拶ののち、下山予定地の八幡宮まで車2台で移動する。

八幡宮の広い境内の一角に車を乗り入れると、県外ナンバーの車が1台停まっていて、1組のご夫婦が山歩きの支度をしている。こんなマイナーな所の山に登るとは、どういう方だろう?と思ったら、以前よりブログを拝見していた偏平足さんであることがわかり、一同びっくり。

偏平足さんは石仏を訪ねてあちこちの山を歩かれており、「里山の石仏巡礼」という本も著しておられる(代行さんに教わって、私も持ってます)。桐生周辺にも度々お越しになっており、今日はやまの町桐生の記事を参考にして、谷山城址を歩く予定とのこと。ここに来る時間が少しでもずれていたらお会いできなかったのだから、本当に奇遇だ。

いろいろお話したのち偏平足さんとお別れし、車を1台残して、もう1台の車で登山口の赤地に向かう。登路の赤地沢は、すぐ奥に新しくて大きな砂防堰堤が見えている沢だ。少し先の現地工事事務所の前のスペースに車を置く。今日は休日で誰もいないので、問題ないだろう。車外に出ると空気がひんやりと冷たく、フリースを着込んで出発する。

車道を歩いて砂防堰堤を越えると、ちょっと荒れ気味の作業道が赤地沢に沿ってなおも続いている。ほどなく、左手に岩屋が現われる。「赤柴山脈縦走」の記事によると、かつては可愛いほとけさんが祀られていたとのこと。桐生みどりさんが老朽化した丸木橋を渡って岩屋の中を探索してみたが、今回は見つからなかったようだ。

赤地沢入口
赤地沢沿いの作業道を辿る

登るにつれて作業道は段々荒れてくる。幹に刺が密生した立ち木(カラスザンショウ?)が多く、うっかり摑めない。沢が右に曲がり始めたところで左の杉林の中の浅い枝沢に入ると、石組みの上に無縫塔と宝形造の石祠が祀られていた。銘等は読めず、由来は不明。

ここから枝沢を赤地峠に向かって登るが、ルートをひとつ奥の沢に間違えたらしく、赤地山に直登する激坂となる。途中から進路を左に修正し、最後は急斜面のトラバースに肝を冷やして、赤地峠から赤地山寄りの稜線の上に出た。

無縫塔と宝形造の石祠
杉林の急斜面を登る

一息入れたのち、稜線を赤地山に向かう。樹木が疎らな尾根上は、北風が吹き抜けて寒い。枯れ葉の積もる斜面をよじ登って、赤地山の頂上に着いた。

頂上は平らで東西に細長く、三角点も山名標もないので、どこが山頂なのか判然としない。西端がわずかの差で一番高く、その西に少し下った所に三基の石祠が祀られているので、ここを赤地山の頂上としても良いのではないかと思う。

赤地山頂上直下の登り
赤地山の三つの石祠

来た道を戻り、さらに赤地峠まで下る。木の間を透かして、駒見山の意外と鋭いピークが見える。赤地峠の辺りは幅広い尾根だ。峠道の痕跡はどうもなさそう。ここからしばらく枯れた草原が続き、カラマツ林越しに真っ白くなった袈裟丸山を遠望して、気持ちの良い尾根歩きとなる。

少し登り返して駒見山の頂上に着く。もうすぐ正午だし、休憩適地なのでここで昼食とする。風を避けて稜線から少し下がった日溜まりで落ち葉の上に腰を下ろせば、ビールが飲めるくらい暖かい。500ml缶を4人で分けて乾杯し、最近定番のカレーヌードルを食べる。

駒見山への稜線
駒見山頂上

昼食後、主稜線からちょっとそれて、支稜線上の高倉山に立ち寄る。駒見山から意外と下って、高倉山の三角点の標石に着く。カラマツ林に囲まれて薄暗く、寒風が吹き込んで冷凍庫の中かと思うくらい寒い。山頂からさらに下った所にも3基の石祠があるそうだが、寒いので今回は割愛。早々に退散して主稜線に戻る。

三角点のある高倉山頂上
駒見峠へ下る

広い尾根を下ると、駒見峠に着く。ここは川内側、小平側とも道型がある。510m峰は右から巻き、次の520mの等高線を越えるピークで左に折れる稜線を辿る。

駒見峠
稜線を緩やかに下る

尾根を下ると、大きな杉の木に囲まれて石祠が鎮座ましましている。川内側に向かって小さな石段があり、神さびた雰囲気がある。杉の木の間には注連縄が張り渡され、今も参拝する人があるようだ。やまの町桐生の「三本木山」の記事に山神様として紹介されている石祠だが、この記事の地図の山神様の位置は間違いだろう。実際には主稜線上にあり、ここが三本木峠なのではないかと思う。

石段と石祠
三本木山付近の稜線

石祠の先は、標高450mを前後する低い尾根となるため、背の高いササが繁って藪っぽい。三本木山はこの辺りのはずだが、顕著なピークがないので、どこだか判らず通り過ぎてしまう。杉の植林とササがミックスした平らな稜線を辿り、最後にちょこっと登ると、谷山(やつやま)(別名、八ツ山)の頂上で、三角点の標石があった。

山頂には戦国時代に谷山城という山城があったそうで、現在は杉が植林されているが、小広い平地になっている。頂上の一角に塚があり、石祠が祀られている。石祠の銘文は風化して、4人がかりで読めそうで読めない。懐中電灯で斜め照明という激坂さん伝授の新技術(^^)で、ようやく「奉造雷天神宮 正徳六年三月吉祥日」らしいと判明する。

頂上の下には大きな段差が三段程続き、これも曲輪(くるわ)の跡とのこと。興味深い。

谷山頂上の雷電社
谷山城の曲輪の跡

谷山城址から広い尾根を南に下って、八幡宮に向かう。曲輪を下った所にも掘割のような遺構があり、傍らに石祠が祀られていた。少し登り返したピークには、桐生市基準点No.70の標石がある。

このピークからの下りは笹藪と倒木に埋もれて、道型がほとんどない。前の人と間隔があくと、すぐに見えなくなってしまう。小さな尾根が分岐して、進路がわかりにくい。

谷山城跡の掘割脇の石祠
笹藪の尾根

小ピークをいくつか越えて、2基の石祠(雷電社と愛宕社)が祀られた雷電山の頂上に着いた。既に陽が傾き始めているが、この先は参道があるので大丈夫だ。のんびり休憩して、ミカンを食べる。里山らしい穏やかな雰囲気が好ましい。

石祠の前から、参道が緩い尾根を真っ直ぐに下っている。落ち葉がふかふかに積もっているので、新雪を滑るシミュレーションなぞしていたら、足元が滑って尻餅を付いてもうた(^^;)

二つの石祠が祀られた雷電山
落ち葉を蹴立てて参道を下る

最後は八幡宮の裏手の車道に出、小さな墓地の横を通って、車を置いた神社の境内に戻った。車に4乗して赤地に置いた車を回収し、そこで解散となった。藪もある低山の山歩きだったが、石祠や城跡など、興味深いポイントが随所にある面白いコースでした。

八幡宮の裏手に出る
八幡宮の立派な社殿