外秩父七峰縦走
東武鉄道が毎年春に開催している外秩父七峰縦走ハイキング大会に参加してきました。
私にとって、この大会に参加するのは8年振り2回目。前回は全行程42kmを10時間51分で完歩したが、現在の脚力ではどうだろう。ふと、試したくなって、申込締切(3/15)の数日前に応募したところ、定員7000人に対して受付番号が68○○の参加カードが送られて来た。滑り込みセーフ。相変わらず大人気の大会である(後日聞いた話によると、最終的な申込者は7678人に達したらしい)。
ハイキング大会と言ってもコースの半分くらいが車道歩きなので、履物は登山靴よりトレイルランニング用シューズが楽である。前回使ったトレランシューズは、その後に使い倒してさすがにボロボロになっている上、サイズが少しキツくて長時間歩行には辛かったので、同型の靴(ノースフェイスのヘッジホッグガイドGTX)で一つ大きいサイズの物を新調する。足元はこれでバッチリだ。
また、なるべく早くスタートするため、前回と同じく前夜は高崎に泊り、当日は八高線の始発列車で大会会場の小川町駅に向かうことにする。高崎駅前のビジネスホテルを予約して、準備は整った。
大会前日の土曜日の夕方、桐生からJRで高崎に移動して、予約した宿にチェックインする。天気はどんよりとして、予報では今晩から明日の午前中まで雨が降るという。高崎駅ビルのレストラン街でとんかつ定食をがっつり食べてスタミナをつける。ホテルに戻る頃には本格的に雨が降り出していた。
翌朝も雨。普段は雨が降ったら山歩きに出かけることはしないのだが、悪天候下での長距離の山歩きが経験できる貴重な機会だ、と逆に考えて、予定通り参加することにする。よーし、完歩するぞー、と気合いを入れる。
八高線の始発列車には、大会参加者が多数乗車している。雨具を着、ザックにカバーを被せて、小川町駅で下車。駅前の大会受付で参加賞(ハンカチとレジャーシート)、コースマップと記録カードを貰い、蝙蝠傘を差して出発する。雨のためにやはり当日の参加者は少なく、疎らな隊列をなして進む。
市街地を抜けて官ノ倉山の山麓に入る。この辺りは瑞々しい新緑に覆われているが、雨雲の下でくすみがちだ。暗い谷間の入って山道を辿ると、やがて急な登りに差し掛かる。ここでちょっと渋滞になったが、前回の大渋滞に比べれば大したことはない。
登り着いたピークには石祠が祀られ、石尊山との山名標がある。周辺の山並みを見回すと、山襞に雨雲が纏わり付いている。
石尊山から稜線上の山道を進み、官ノ倉山の頂上を巻いて少し下ると、官ノ倉山のCP(Check Point)だ。記録カードにスタンプを押して貰い通過。山道を下る。この辺りから雨と大勢の参加者に踏まれて泥濘がひどくなる。
山麓に降り着いて、しばらく車道を歩く。和紙の里で軒先に雨宿りして最初の休憩をとり、ペットボトルのお茶を飲んでパンを口に入れる。シャリばてしないためには、早め早めの栄養補給が肝要だ。
和紙の里の裏山を登り、山腹を巻いて林道を上がって行く。車道区間は意識して早足で歩く。途中で細い山道に入る。泥濘で滑りやすい所はみんな慎重に通過するので、少し渋滞が発生する。
再び林道に出て少し下ると、萩平の集落に出る。長閑な山村風景が広がり、晴れていれば大霧山を望むことができるが、今日は雲に隠れて微かに見えるだけだ。しかし、稜線に見える白いものは、もしかして雪?
萩平から笠山に登る山道に入り、杉の植林を登る。泥濘がますます酷くなり、急坂では泥の滑り台と化しているところがある。うへー。
やがて良い雰囲気の雑木林の中の山道となるが、この辺りからまさかの積雪。薄ら積もる程度なので歩行に支障はないものの、この大会で雪を見るとは思わなかった。参加者の隊列に続いて笠山CPに到着。頂上で一休みする。木の梢にも湿った雪が積もっていて、その下に居たら想定外の白い爆撃を盛大にくらった(^^;)
笠山からの下りにも雪があり、スリップしそうなので、両手を開けるために蝙蝠傘を仕舞って、軍手をはめる。笠山峠に降り、緩く登り返すと堂平山頂上だ。パラグライダーの離陸場となる頂上周辺の草地も一面真っ白。天文台脇のCPを通過して、しばらく稜線上の車道を歩く。
すぐに剣ヶ峰登り口のCPに着く。ここから段差が大きく急な丸太階段を登って剣ヶ峰を越え、すぐに下る。下り付いた所が白石峠で車道が通る。ここでようやく半分というところ。東屋があり、ベンチに腰掛けて一休み。雨も上がって汗をかいて来たので、雨具の上着を脱ぐ。トレランシューズなので足元の浸水は覚悟していたのだが、靴の中は全く濡れていない。
泥濘の酷い縦走路をさらに辿る。次の定峰峠には食堂・売店があり、こちらで休憩する参加者も多い。大霧山の頂上に登り着くと雲が上がって青空が覗き、北から西にかけての展望が開ける。行く手の登谷山はまだまだ遠い。CPでスタンプを貰って、ドロドロの急坂を下る。
粥仁田峠に降り着くと、この先しばらくは車道歩きとなる。泥濘から解放されてホッとする。牧場の牛の群れや笠山の眺めを楽しみながら歩く。牧場の売店では名物のソフトクリームを販売しているが、風が冷たくて食べる気にならない。しかし腹は減ったので、ベンチに腰掛けて残りのパンを食べる。
二本木峠を過ぎて再び山道に入り、緩く登り上げるとCPのある皇鈴山だ。新緑の雑木林に囲まれて草地が広がり、東屋がある。休憩するのに気持ち良い頂上だが、先を急ぐ。
皇鈴山から次の登谷山までは一旦下ってひと登りの短い行程だ。登谷山頂上からは関東平野の展望が良い。本来はここに最終CPがあるのだが、雨天のためこの先に移動したとの貼り紙がある。現地の大会スタッフの方のご苦労も、今日のコンディションでは例年に増して大変だ。
登谷山から簡易舗装道を下ると移動したCPがあり、湿気でよれよれになった記録カードにスタンプを貰う。あとは寄居のゴールまで約10kmの単調な車道歩きだ。
釜伏峠から緩く下って、中間平まで来ると展望が開ける。日が傾き始めて、ますます風が冷たい。つづら折れの道で山麓に下り、踏切を渡って鉢形城跡の脇を通るとゴールは近い。荒川を正喜橋で渡り、寄居市街に入ってゴールに到着した\^o^/。最後のスタンプを受け、完歩証明書と完歩賞のタオル(帽子かタオルか選択)を貰う。所要時間は11時間21分で前回より30分遅かったが、悪天とコースの状況からすると上出来だろう。
前回はゴール会場の売店で祝杯を上げたのだが、今日は寒くてビールを飲む気にならない。寄居駅発の八高線の時刻表が掲示されているので、高崎行きを確認すると8分後の列車があり、その次は1時間後である。慌てて駅へダッシュ、ぎりぎりで間に合って、首尾よく桐生への帰途についた。
なお、後日の情報によると、申込7678人のうち、当日の参加者数3028人、1年で完歩が872人、2年で完歩が430人とのことである。