竜ヶ岳(御坂山地)

天気:
メンバー:M,T
行程:本栖湖キャンプ場 8:35 …石仏 9:40 …竜ヶ岳(1485m) 10:25〜11:10 …端下峠 11:45 …端下峠入口分岐 12:25 …本栖湖キャンプ場 13:30
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

この週末は、関東甲信地方では土日とも晴天との予報が出たので、1泊2日で出かけようと計画。遠くて普段はなかなか行けない山域に遠出できる好機なので、富士河口湖町の根場(ねんば)民宿村に宿をとり、周辺の御坂山地の山に登ることにする。間近に仰ぐ富士山の展望が楽しみだ。御坂の山は初めて、というMさんに同行頂いて出かけて来ました。

初日は軽い行程で、本栖湖南岸の竜ヶ岳に登ることにする。桐生を朝5時に車で出発。北関東道、関越道、圏央道、中央道を経由して本栖湖に向かう。中央道の渋滞に巻き込まれないように早く出発したのだが、それでも八王子JCTで中央道に合流するところで渋滞。その先の中央道本線も車が多い。しかし、大月JCTから富士吉田線に入ればスイスイだ。

高速を河口湖ICで降りる。今日は晴れの予報が出ていたのに、灰色の雲が空を覆い、大きく見えるはずの富士山も中腹から上が雲の中だ。これはもしかして天気予報大外れ?おいおい晴れてくれれば良いが……。

登山口の本栖湖キャンプ場の駐車場に車を置く。とっても広い駐車場には「竜ヶ岳登山用駐車場」という看板も立っているので、気兼ねなく駐車できる。ハイカーさんの車が意外に多く、家族連れや流行の登山ウェアに身を包んだグループなど、大勢のハイカーさんが出発準備中だ。車から降りると、とても寒い。冬の低山歩きの服装(厚手の長袖シャツと裏地のあるズボン)を着て来て良かった。

駐車場からもっこりと大きく仰がれる竜ヶ岳に向かって出発する。あちこちに設置された道標に従って、松林の下に草地が広がるキャンプ場の中を進む。11月もキャンプする人がいるようで、売店も営業中。夏はかなり賑わいそうな、感じの良いキャンプ場だ。

本栖湖キャンプ場の駐車場から仰ぐ
竜ヶ岳
キャンプ場は営業中

キャンプ場を抜け、工事中の道路を横断して、竜ヶ岳の山裾に向かう。竜ヶ岳周遊歩道を右に分けてゲートを通ると「竜ヶ岳登山道入口」の道標がある。ここから山道となり、植林の山腹をジグザグに登る。寒いので、だいぶ登ってようやく身体が暖まった。

ゲートを通って竜ヶ岳へ
竜ヶ岳登山道入口

尾根上に出ると雑木林がほんのりと黄色に色付き始めている。尾根を緩く登ると平坦なピークに着き、ハイカーさんがベンチで休憩している。まだそんなに歩いていないので、ここは休まずに通過。

尾根を登る
緩やかなピークに到着

ピークから、笹原と疎らな樹林に覆われた緩やかで幅広い尾根を進む。正面には、竜ヶ岳がこんもりと盛り上がっているのが見える。笹原を切り開いた道の緩い登りとなり、周囲の展望が開けるが、残念ながら富士山は相変わらず雲の中だ。振り返ると黒々とした青木ヶ原樹海が広がり、その向こうには明日登る予定の十二ヶ岳〜鬼ヶ岳のギザギザの稜線が日差しを浴びて遠望できる。

緩い尾根を竜ヶ岳に向かう
振り返って青木ヶ原樹海と
鬼ヶ岳(中央奥)を望む

深い笹原を切り開いた道の脇にはリンドウが多いが、寒いのでまだ蕾のままだ。行く手の竜ヶ岳の斜面も笹に覆われ、その中に登山道がジグザグを描いて登っているのが見える。

この常緑樹林はアセビ?
竜ヶ岳の笹原の尾根を望む

やがて東屋に到着。ハイカーさんが大勢休憩している。晴れていれば富士山の絶景ポイントなんだけどなー。それでも山麓の眺めや竜ヶ岳の山腹の紅葉などの展望が素晴らしい。

東屋のすぐ先には格子戸で囲まれた小屋があり、中に3体の石仏が祀られている。格子に厳重に囲まれているのでよく見えないが、地蔵尊のようだ。曰く因縁がありそうな石仏だが、説明板の類は全くない。

東屋に到着
厳重に囲われた石仏

石仏から笹原の急坂をジグザグに登る。傾斜が緩むと、本栖湖畔から登って来た道が右から合流する。周囲の展望を楽しみながら笹原に覆われた幅広い尾根をゆるゆる登ると、だだっ広い竜ヶ岳の頂上に到着する。山頂は笹原を広範囲に切り開いた草地の広場となっており、100人ハイカーさんが来ても休憩できそう。今日は20人くらいのハイカーさんが、思い思いの場所にピクニックシートを広げて休憩している。

広場の中央に風で傾いだアセビの大株と山名標があり、傍らのベンチにたまたま空きがあったので、そこに陣取って、時間は少し早いが昼食とする。ここでMさんが自分の食料一式を車中に置き忘れて来たことが発覚(^^;)。私が持って来た甘栗とビスケットで凌ぐ。私は冬の低山での定番、鍋焼きうどんを食べる。寒い時はやはり暖かい食べ物が美味しい。

食後にコーヒーを飲みながら、時間に余裕があるし、ここから稜線続きで高く見えている雨ヶ岳に足を延ばそうか、などと相談していると、隣りに座っていた地元?の詳しそうなおじさんから、登る価値ないよ、とのお言葉。標高差が300mもあってかなり時間がかかりそうだし、早めに民宿に行ってのんびりするのが吉、ということで、おじさんのアドバイスに従って雨ヶ岳は割愛する。機会があれば、毛無山から雨ヶ岳への縦走が面白そうだ。

笹原の幅広い尾根を登る
だだっ広い竜ヶ岳頂上

昼食後、当初の計画通り、端下(はした)峠から本栖湖畔に下って駐車地に戻ることにする。天気が少し回復し、青空が覘いて南ア北部の山々が遠望できる。富士山は相変わらず雲の中だ。明日は見えるだろうか。

端下峠に下る
行く手の山は雨ヶ岳
白嶺三山と甲斐駒を遠望

笹原の幅広い尾根を緩く下る。やがて紅葉した樹林の中の下りとなり、行く手の雨ヶ岳との高度差がぐんぐん増す。眼下の端下峠付近の山腹は赤、黄、緑がモザイクを織り成した紅葉が見事だ。

端下峠への下りから見る
富士山側の山麓
端下峠への下りから仰ぐ
雨ヶ岳への急峻な尾根

竜ヶ岳から標高差200m程を下って、端下峠に到着する。樹林に囲まれて展望はない。峠には何故か大勢(10人位)のハイカーさんが休憩中。団体さんかな。ここから北側の峠道を本栖湖に下る。

端下峠付近から
竜ヶ岳を振り返る
端下峠(北側峠道から振り返る)

峠道はブナ林の山腹をジグザグに下る。紅葉が素晴らしく、深山の雰囲気がある。ハイカーさんの姿も、峠で出会った他は全く見かけることがなく、竜ヶ岳の往路や頂上の賑わいが噓のようだ。

山麓に下り着くと杉林の中に道標が立ち、左右に道が分れるので右に進む。石がゴロゴロの道を進むと、再び分岐があり、右は本栖湖畔歩道、左はすぐに県道本栖湖畔線に出る。車道を歩くより歩道を歩いた方が面白そうなので、右の歩道に進む。

紅葉を眺めながら山腹を下る
本栖の森の分かれ道は右へ

しかし、この本栖湖畔歩道は最近は歩かれていないようで、荒れている。湖畔に面した急な山腹をトラバースする道で、湖面からかなり高いところに付けられている。急斜面の下には車道が通り、ときおり行き交う車が見える。歩いている人が多いのは何故だろう(あとで、本栖湖ぐるりんウォークなるイベントが開催中であったことを知る)。ところどころ崩壊した個所があり、石を落とすと下の道を通る車や人に直撃の恐れがあるので、歩行には注意。倒木も多い。

荒廃進む本栖湖畔歩道
本栖湖の湖面を見おろす

木の間から本栖湖の湖面を眺めつつ、トラバース道を歩く。途中の木製橋を渡ると、湖畔歩道の約2/3を通過だ。本栖湖側の竜ヶ岳登山口に着き、県道に出る。湖畔沿いの車道を歩いていると、本栖湖ぐるりんウォークのスタッフさんにお疲れ様と声を掛けられた。本栖湖一周11kmを歩くイベントをやっているそうだ。ジョギングにちょうど良い距離だな。湖畔から対岸のパノラマ台や王岳を眺め、本栖湖キャンプ場の駐車場に戻る。予定よりだいぶ早い時間だが、宿に行ってのんびりしよう。

木製橋を渡る
本栖湖側の竜ヶ岳登山口に到着
本栖湖キャンプ場の駐車場に戻る
本栖湖西岸から望む竜ヶ岳

本栖湖と精進湖の湖畔をぐるっとドライブして根場民宿村に向かい、今日の宿の民宿山彦に着く。品の良いおばあちゃんに出迎えられて、眺めの良い二階の角部屋に通される。今日の泊まり客は我々だけのようだ。取り敢えず缶ビールで乾杯。夕方になると晴れて、部屋の窓から冠雪した富士山が眺められる。風呂に入った後、広間で夕食となる。奥さんが出て来て、給仕をしてくれる。牛肉の陶板焼や天ぷらなどが並ぶご馳走を食べ、大満足。その後も部屋で宴会をし、夜9時頃就寝した。

(翌日の毛無山〜十二ヶ岳〜節刀ヶ岳〜鬼ヶ岳の山行記録に続く。)