白浜山
白浜山には一度、冬に単独で登ったことがある。そのときは石鴨から根本山に登り、白浜山に縦走して沢入駅に下った。白浜山からの下りは踏み跡も全くなかったが、樹林の疎らな尾根を下るのはそう難しくはなかった(山行記録)。
今回の白浜山は、昨年、桐生側から登って、頂上直前で時間切れのため敗退した代表幹事代行さんの雪辱戦ということで、桐生みどりさん、ハイトスさん、私が加わった4人パーティで、賑やかに登って来ました。代行さん以外の3人は白浜山に登った経験があり、沢入側からならすぐだよ〜、などと言っていましたが、実は記憶が結構曖昧で(^^;)、複雑な地形に右往左往して歩いて来ました。
旧大間々町役場の駐車場で合流し、My Civic に乗り合わせてR122を北に向かう。沢入駅の手前から黒坂石川沿いの道に入り、白浜山の登山口となる林道の入口を探す。えーと、この辺だったっけ?一度、行き過ぎて、やはりあそこしかないと引き返し、黒坂石川に架かる橋を渡る。
対岸の道は未舗装で、凸凹が惨い。最初のY字分岐は左へ。廃業した?石材店を過ぎ、その次の十字路は迷った末、直進する。暗い谷間の急坂を登ると、路面がコチンコチンに凍結していて、スタッドレスが空転。もう進むのは無理だ。道の脇のスペースに車を置いて、ここから歩くことにする。
藤川畑の渓流に沿って急な林道を登ると、左から幅の広い林道が合流する。こちらの林道の雰囲気はなーんとなく記憶にある。ここ、歩いたかな?しかし、ここまでの急な林道は歩いた記憶がない。はてさて?
林道を直進すると、右へ曲がって山腹をトラバースする。地形図上の実線の終点のさらに先まで、荒れてはいるが林道が続いている。藪漕ぎがなくて、ラッキー。
浅い谷を少し登った所で林道は終わるが、その先も谷に沿って杉林の中に踏み跡が続いている。ハイトスさんは、前回、左岸の尾根からこの辺りに降りて来たそうだ。かなり急で苦労したとのことなので、このまま踏み跡を辿ることにする。林間には花崗岩の巨石がゴロゴロあり、ちょっと神さびた雰囲気だ。
沢に沿って登るにつれ、だんだん植林の小枝が煩くなって来るが、踏み跡は続いている。左の枝尾根は低く、すぐに上に出られそうだが、この沢を詰めてみる。行く手に稜線が見え、源頭に近づくとタマゴ形の大石が現れる。
最後は白いザレの急斜面に突き当たる。稜線は近いので、密な灌木藪に突っ込んで強行突破を図る。稜線に登り着いて振り返ると、登って来た沢が眼下に横たわり、遠くに真っ白な男体山と中禅寺湖南岸の山々が輝いている。いい眺めだ。
しかし、稜線上は北風が吹き抜けてさすがに寒い。防寒にフリースを着込んで、白浜山に向かう。落葉した雑木林の尾根は明るく、気分が良い。この辺りに、天狗の太刀割り石という大岩があるということで、探しながら稜線を歩くと、右側の雑木林の斜面を少し下ったところに大きな岩場があった。巨岩が集まっていて、二つに割れたものもある。これが天狗岩だろうか?
(実は、天狗岩はここではない。後日、桐生みどりさんが再訪して探索したところ、我々が登って来た沢の右岸の尾根上にあったそうだ。)
大岩から尾根を緩く登ると、白浜山に登り着く。雑木林に囲まれているが、冬枯れのこの時期は明るく開けている。三角点の辺りの腰を下ろし、お湯を沸かしてMさん持参のカレーヌードルを食べる。あったかい食べ物がおいしい。
昼食後、前回、代行さん達が引き返した地点の白浜山南峰(通称、熊糞山)まで空身でピストンする。南峰から白浜山までは吊り尾根で、短い距離だった記憶があったが、実際は結構遠く、急な上り下りがある。南峰の頂上には「熊糞山」と書かれた新しい山名標が掛けられていた。この通称も広まってしまったようだ。
白浜山に戻り、北東に延びる尾根から下山にかかる。一度、通ったことのある場所で先頭を歩いていたら、どうも様子が記憶と違うなー。と思ったら、方向が違う尾根を降りかけていた(←コラコラ)。急な山腹を冷や汗かいてトラバースし、正しい尾根に戻る。少し下ると、北側斜面が広大な範囲で伐採された個所に出る。谷底まで遮るものがなく距離感が狂うが、かなりの標高差と傾斜があり、滑落注意。
(あとで考えると、前回はこの辺りから北北東に向かい、加藤畑(カドバタ)を下ったように思う。伐採により、様子は全く変わってしまっていた。)
北側に開けた大展望を楽しみながら、尾根を下る。尾根の末端は、地形図では等高線が込み合っているので心配していたら、案の定、ほとんど崖になっている。左の谷に下ったが、降りてから振り返ると、よく降りたなあという急斜面だった。谷には荒れた作業道が通じ、上流が何かの工事で伐採されていて、白浜山の頂上が見通せた。
作業道を下ると林道に出る。あとは林道を西に向かい、駐車地点まで戻る。手前の急坂は凍ったままだった。簡単に登れると思ったら、意外と大変な山だった。しかし、車に着いても、まだ油断はできない。凸凹の林道を慎重に運転して下り、黒坂石川沿いの舗装道に出て、ようやく一安心した。