四郎岳

天気:時々
メンバー:T
行程:丸沼ペンション村 8:30 …1575m標高点 9:35 …林道(峠) 11:30 …四郎岳(2156m) 12:30〜13:00 …林道(峠) 13:40 …林道(1550m標高点付近) 14:20 …丸沼ペンション村 15:35
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

先日、五色山に登って群馬県側の山並を眺め渡したとき、整った三角形のピークが隣り合って並んだ四郎岳と燕巣山(つばくろすやま)が目を引きました。

これらの山に登るには、丸沼温泉から四郎沢を詰め、四郎峠から二つのピークを往復するルートがあるようだが、残雪期に登る場合は、様子の判らない沢筋のルートはちょっと避けたい。ネットで調べると、丸沼ペンション村から丸沼林道を経由して四郎岳に登るルートもあるらしい。地形図を見て考えると、1575m標高点のある支稜を登り、四郎岳から南西へ緩く直線的に伸びる尾根(以下、南西尾根)を四郎岳頂上まで辿るコースもスノーシュー向きで面白そうだ。

という訳で、まずは群馬百名山でもある四郎岳をターゲットとし、スノーシューで南西尾根から登って来ました。実際に南西尾根を歩いてみると、暖冬で少雪の上に気温が高くて雪はベトベト、針葉樹林に密に覆われて展望も殆どなく、快適なスノーハイクとまでは行きませんでしたが、いくつかのビューポイントからの白根山の眺めは良好。復路は別ルートを通り、スノーシューの下りを楽しんで来ました。

桐生を車で発ち、県道沼田大間々線、スキー・スノボの車が列をなすR120を経て、丸沼高原に向かう。スキー場の手前で丸沼ペンション村の看板を見て左折し、ペンション通りを直進する。スキーに出かける宿泊客の行き来の車が多い。邪魔にならないように突き当たりの除雪終点に車を置く。

今日は暖かいのでアイゼンとピッケルは用なし。スノーシューを履いて出発する。丸沼林道のゲートを通り、桂橋を渡ると林道脇に大きなカツラの木があり、根本に鳥居が建てられている。橋の名前の由来に関係があるのかな。スキー場の喧噪を聞きながら、ジグザグに山腹を登る林道を適当にショートカットし、1575m標高点のある支稜に取り付く。

丸沼林道の桂橋を渡る
鳥居が建てられたカツラの木

支稜の上は樹林も疎らで傾斜も緩く、しばらくは快適に登る。傾斜が強まると針葉樹の幼木の藪が湿った雪で折り重なっている箇所があり、どこをどう越えたら良いものか。少し手子摺るが、中央突破でこれを越えると右側が開けた場所があり、四郎岳と燕巣山がよく見える。南西尾根の上(1858m標高点の少し北)へ、あと少しの所だ。

1575m標高点付近
四郎岳と燕巣山(右奥)

南西尾根の上に登り着いたところで、テルモスのココアとパンで一休み。シラビソ、コメツガ、ダケカンバなどの比較的若い樹林に覆われていて、全く展望がない。南西尾根をさらに南西に下って行った所には唐沢山(1787m)のピークがあるはずだが、そちら方向も全く見えない。地味〜な尾根だ。

ここから緩い登りの尾根をひたすら歩く。最初は狭い尾根だが、やがて広くなって歩き易くなる。これで展望があればスノーシューハイクにうってつけなんだがなぁ。

何の目印もない1929m標高点の通過はGPSで確認。その少し先で、尾根を林道が越えて行く峠に出る。ここは丸沼を隔てて白根山の方向の眺めが良い。林道の傍らには雪で半分が折れ曲がり、「→大尻沼」とだけ読めるブリキ製の道標がダケカンバの幹に打ち付けられていた。曲がった半分を真っすぐにすると「郎岳←」という文字が現れた。

1929m標高点付近
林道を横断する
林道横断地点の道標
白根山から金精山、温泉ヶ岳の稜線
手前は丸沼

雪に覆われた林道を横断して、さらに尾根を辿る。左側は樹林に覆われた緩い斜面。右側の斜面は非常に急峻で、ところどころから眺めが得られる。眼下には樹林が広がり、丸沼湖畔には丸沼温泉の建物が見える。傾斜が徐々に増して標高が上がると、樹林もコメツガ主体になり、高山的な雰囲気だ。

丸沼温泉を見下ろす
四郎岳頂上直下から燕巣山

急な登りが緩まると四郎岳の頂上に到着。樹林に囲まれているが、東から南にかけて、白根山を中心とした展望が良い。ここから見ると錫ヶ岳の山容も白根山と肩を並べて、なかなか立派に見える。白根山の左には五色山、金精山の稜線が連なり、男体山がちょっと頭を出している。展望を楽しみながら、残りのココアとパンを食べて昼食とする。風もなく穏やかな天気だ。

四郎岳頂上
四郎岳から白根山と
錫ヶ岳(右)の展望

下山は往路を林道横断地点まで戻る。最初の予定では往路の南西尾根をそのまま戻る予定だったが、展望がありそうなこの林道を大尻沼方向へ下ることにする。林道は山腹を斜めに下って行く。雪が詰まっていて、スノーシューで歩き易い。途中、枯れ木の幹に「←大尻沼 四郎岳→」と赤ペンキで書かれた標識を見る。

やがて、林道の右側(下り)斜面が樹林の疎らな雪原になったので、林道を外れて大尻沼に向かって真っすぐ下る。このスノーシューの下りは楽しい。いずれ丸沼林道に合流するはずなので、足任せで下る。

やがて右側に深い谷が見えて来たので、この谷に沿って下る。樹林がだんだん密になってきて、藪漕ぎになりはしないか、少し心配したが、下に林道が見えて来てホッとする。一度、雪を踏み抜いた拍子に転倒するというアクシデントがあったが、ことなきを得る。用心、用心。最後は林道の切り通しの上に出たので、少し左へ回り込み、雪が繫がった斜面で林道に降りた。

林道から雪原となった植林帯を下る
丸沼林道から四郎岳(左)を振り返る

あとは林道をスノーシューでパタパタと戻るだけである。落石が多く、谷に架かる橋のガードレールも雪?でグンニャリ曲がっていて、ちょっと荒れた感じの林道だ。天気も曇って来て、荒れた感じに+α。湿雪で路面まで枝を曲げられた木が道を塞いでいる箇所があり、通過に神経を使う(雪が緩んで跳ね上がることがあるので)。林道歩きは長く感じたが、丸沼ペンション村の駐車地点まで1時間程だった

帰りは白根加羅倉館に立ち寄る(410円)。結構熱めで透明の湯に浸かると、冷えた体がジンジン温まった。