五色山
冬の日光白根山を間近から眺めることを目標にして、湯元から中曽根を経由して五色山に登って来ました。好天に恵まれて、中曽根のスノーシューハイクと山頂からの展望を堪能して来ました。
桐生を車で発ち、R122を経由して湯元に向かう。いろは坂や中禅寺湖畔の道路脇では積雪量はゼロに近い。今日は風が強ければスキー&温泉にへたれるつもり満々で、テレマーク板と靴も車に積んで来たのだが、湯元の駐車場に着いてみれば、そよとも風のない絶好の天気。真っ青な空に真っ白な五色山を高く仰ぐ。これは登るしかないでしょう。
駐車場周辺の雪はかりんかりんだが、前日、前々日の天気を考えると山の上の方は新雪がありそうなので、アイゼン、ピッケルに加えてスノーシュー、ストックのフル装備で行くことにする。金精沢への車道を歩き、白根山登山口の道標から林の中に入る。スノーシューの足跡が縦横に付いていて、道がちょっとわかりにくいが、マーキングを頼りにして中曽根の登り口に到着する。
ここから湯場見平までは樹林帯の急峻な登りで、スノーシューでは登れそうにない。今シーズンに新調したアイゼン(GRIVEL G12ニューマチック)の出番がようやくやって参りました。新雪の下に少し固い雪の層がある状態なので、アイゼンがあるとステップを切らずに登れて楽だ。
最初ははっきりしたトレースがあり、それを辿る。途中に雪崩が出た?斜面が一か所ある。今日は気温が低く雪がかっちりしているので、雪崩れる心配はない(と思う)が、注意して横断。傾斜はさらに急になり、雪も増えてトレースが判然としなくなる。目印のビニール紐や黄と赤の標識がなければ、とても登ろうとは思わない程の急斜面に悪戦苦闘する。
展望のない樹林帯を急登すると、突然、開けた雪原の湯場見平に出る。行く手には白い五色山、そして前白根山〜外山などの周辺の山々が見えて、思わずヤッホーと叫んでみる。一休みして、アイゼンをスノーシューに履き替える。
湯場見平から広く緩い尾根を登る。右手には先月登った温泉ヶ岳の南東尾根がよく見える。途中、樹林の中を登る所もあるが、開放的で眺めが良く、スノーシュー向きの緩い登りが続く。
後方には、湯元の温泉街、半分凍結した湯ノ湖、その向こうに男体山、大真名子山、小真名子山、太郎山の連山が見える。黒々と樹林に覆われた台地状の南三岳の中央に、ちょこんと飛び出た岩峰があるのが面白い。
高度が上がると、南東尾根の上に温泉ヶ岳の丸いピークが頭を出す。金精峠付近の県境稜線や、先月、金精峠に登ろうとして敗退した地点もわかる。まー、あそこを登ろうというのは、ここから改めて見ても無理ですね。
緩い雪原を登ると国境平に到着。地形図によると夏道は稜線を越えて群馬県側の山腹を絡むように登るようだが、ここは稜線通しに2303mピークを目指す。
県境稜線は普段は風雪が強いためか、雪面は波打って、栃木県側に小さな雪庇が張り出している。2303mピークを越えると、行く手に五色山、そして、その右肩には待望の白根山のごつごつしたピークが見える。
ここまで来れば、登りはあと少しなのだが、さすがに疲れて休み休み歩く。出発の時は、今日は天気が良いので白根山まで行けるかも、と思っていたが、スノーハイク日帰り山行としては、この辺が脚力の限界か。振り返ると、金精山や温泉ヶ岳の眺めが素晴らしい。
最後は頑張って五色山頂上に到着。目の前に五色沼を隔てて白根山がドーンと聳える。この景色が見たくて登って来たので、大変嬉しい。白根山の左の谷には避難小屋が見え、その前を動く人影があった。白根山に登って、これから下山するところかな。
展望は日光連山はもちろん、遠く武尊山、谷川岳、苗場山、巻機山、至仏山、平ヶ岳、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、高原山、那須連峰など、白銀の山々が連なる。風はそよそよと吹く程度で、ほとんど寒さを感じない。2月末にこんな好天に恵まれるとは、運が良かった。
テルモスのココアとパンで昼食にし、のんびりしたのち、下山にかかる。中曽根の下りはあっけない程早い。スノーシューの下りは楽しいが、湯場見平からの下りは急過ぎるので、安全策をとってアイゼンに履き替える。無事、下に着いたときにはホッとした。
駐車場に戻り、早速、湯元旅館へ。天気が良かったとは言っても、一日中、雪の上に居た訳で、冷えた身体を硫黄の臭いのする熱い温泉に沈めると、思わず、あ〜、という声が出る(^^)。スノーハイク+♨は、やっぱりイイ。