彦間川〜丸岩岳

2007年1月4日(木)
天気:
メンバー:T
行程:泥部橋 11:10 …十一丁目 12:20 …林道 13:15 …丸岩岳(1127m) 13:35〜14:10 …泥部橋 15:55

根本山は、現在の地形図の上では桐生川源流の1199m峰に付けられた山名だが、かつて山岳信仰が盛んだった頃に根本山と言えば、十二山根本山神社を指していたとのこと。山岳信仰の名残は、根本沢コースの途中の籠堂跡などに見ることができる。

山岳信仰の頃のもうひとつの参道は、飛駒黒沢の集落から彦間川本流を詰め上がり、丸岩岳、熊鷹山を経るものだった。当時の賑わいや黒沢集落との関わりは、十二山根本山神社に建立された石碑の碑文(2006年3月の山行記録に引用)から一端を知ることができる。

彦間川から丸山岳への道は現在でも地形図に破線で描かれているが、実際の状況はどうだろう。ネットで探してみると、足利市在住の方のHP「さとやま散策」の根本山の記事にこのルートを歩いた詳しい記述があった(実は彦間川の破線が昔の参道だったということは、ここを読んで知った次第)。これをガイドにさせて頂いて、丸岩岳まで歩いて来ました。

桐生を車で出発して老越路峠を越え、飛駒から黒沢の集落の奥に入る。林道がY字に分岐するところに、「この先車両通り抜けできません 」、「この先、林道行き止まりキケン」、「この先幅員狭小につきUターンできません」という新しい看板があり、ビビらせてくれる。地形図にも記載されている石碑が道端にあり、「右東川道、祝摂政宮御成婚、東川道路改修記念碑、大正十三年二月、左根本山道」と刻まれている。後日調べると、摂政宮というのは昭和天皇のことのようだ。

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道路改修記念碑
左根本山道、とある

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泥部橋手前の駐車スペース

左の根本山道に入ると、深い渓谷の底を流れに沿って走る悪路となる。道はぬかるんで狭い上に路肩が弱そうで、慎重に運転する。送電線の下を通り、2つめの橋を渡った所のスペースに車を置く(Uターンは問題ない)。車の外に出ると、水音が高い。すぐそばの滝のせいもあるが、意外と水量が多い大きな谷で、ということは難所もありそう。ちょっと緊張する。

準備を整えて出発する。すぐ次の橋が泥部橋で、橋の銘板によると川の名前は黒澤西川となっていた。泥部橋を渡ると林道はさらに悪くなり、少し先で鎖によって通行止めになっていた。なおも林道を歩くと、左岸から右岸への徒渉となる。渡ったところには、かなり古い型の赤い軽自動車の残骸がひっくり返っていた。

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駐車スペースのそばの滝

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彦間川沿いの荒れた林道を歩く

ここからは杉林の中の山道となり、何回も飛び石伝いに流れを渡る。途中、枝沢の出合で道が不明になるが、本流沿い右側にか細い踏み跡が続いている。壊れた森林保護の看板を見ると、左斜面は杉林、右斜面はところどころに杉の巨木が立つ、落葉した明るい雑木林となり、気分が良い。しかし、雑木林の斜面をトラバースする道は落ち葉が積もって、全く見えない。

やがて、大きな支流との出合に到着。岩盤がY字に穿たれて、なかなかの渓谷美だ。ここは腐って今にも折れそうな木の桟橋で越える。

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根張りが立派な巨木

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岩盤をY字に穿つ出合と朽ちた桟橋

右の本流に入ると、すぐに大きな岩場に阻まれる。この奥に滝があるらしい。行きには時間が心配だったので、帰りに覗いてみると、なかなか立派な滝があった。

山道は左手の杉林の斜面をジグザグに登って、岩場を越える。越える所には石祠が祀られていた。石祠から道は再び本流に降りて進む。このあたりから、深い落ち葉に隠されて道は段々不明瞭になる。やがて雑木林の中の明るく開けた小平地に到着。錆びたドラム缶と、十一丁目の石碑を見る。側面には「野州足利新中町」と刻まれている。新中町とは現在のどこ?そこからどういうルートで黒沢まで来たのだろうか。興味が湧く。

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本流にかかる大滝
(帰りに撮影)

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十一丁目の石碑

落ち葉に埋まった斜面をトラバースし、浅く開けた谷を緩く登って行く。行く手に青空と稜線が見えて来て、気分は上々。左斜面が伐採地になると、再び道型は怪しくなるが、沢沿いに進めば問題ない。

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緩やかな彦間川上流部

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この先は左斜面が伐採されて
道型不明

伐採地を抜けると再び雑木林となる。水量もさすがに少ない。途中で「足尾←No.5→飛駒」という、とってもビッグなコースの道標があった。いつ頃付けられたものだろう。この道標が、かつての道を示す最後のしるしで、あとは沢を詰めて行く。右手に比較的傾斜が緩そうな笹原が現れたので、この辺で本流から離れて、笹原を登る。

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足尾までとはスケールが大きい

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彦間川源流部
正面に見える右斜面の笹原を登る

最後に伐採されて放置された材木を乗り越え、イバラをかいくぐると、石鴨林道に出た。雪はほとんどない。場所はちょうど林道が稜線と接するくらいのところなので、地形図の破線を大体忠実に辿れたようだ。稜線上には奈良部山〜丸岩山の山道がありそうだが(赤テープもちらりと見えた)、もう藪漕ぎはお腹いっぱい。疲れも出たので、林道を歩いて野峰〜丸岩岳の稜線に出て、縦走路を辿った。

雑木林と笹原の尾根を緩く登ると、丸岩岳の山頂に到着。2人組の年配男性のハイカーさんが、木の間越しの袈裟丸山や皇海山、日光の山々の写真を撮った後、いちろう新道を下って行った。

ひとりきりになった山頂で、ラーメンを作ってちょっと遅い昼食とする。出発が遅く、当然、山頂着も遅くて日が傾いているせいか、すごく寂しい雰囲気が漂う。丸岩岳〜根本山は何回か歩いているし、今日は往路を戻ろう。

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林道に出た所から丸岩岳を見る

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丸岩岳山頂

帰りは石鴨林道から昔の道の痕跡でもないかと探してみたが、全く見つけられなかった。一度、登りで通っていればルートは判っているから良いが、ここからいきなり彦間川に下るのは、本流に滝もあるし、熟達者に限られると思う。日の翳った沢を下って、日没前に車に戻った。


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