高原山

天気:
メンバー:T
行程:守子登山口 7:30 …守子神社 7:50 …西平岳登山口分岐 8:05〜8:10 …林道終点 8:30 …西平岳登山口 8:50 …西平岳(1712m) 10:35 …中岳(1728m) 11:05 …釈迦ヶ岳(1795m) 11:35〜12:10 …前山(1435m) 13:10 …西平岳登山口分岐 13:50 …守子登山口 14:20
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

高原山では、近年、5月第4日曜日に山開きが行われており、昨年は5/28に開催されて、塩谷町からの登山道ではシロヤシオが満開だったそうである(ヤマレコ)。今年はアカヤシオ、シロヤシオなどのツツジ類はどこも不作のようだが、高原山では少しは見られるかなあ。高原山には大間々台から釈迦ヶ岳を往復して登ったこと(山行記録)があるが、塩谷町からのコースは歩いたことがないので興味がある。今年の山開きに参加する手もあるが、この週末、土曜の天気は快晴との予報なので、山開き前に行ってしまいますか。という訳で、出かけてきました。

桐生を未明に車で出発。守子登山口を目指し、最寄りの土上平(どじょうだいら)放牧場を目的地に設定してカーナビ任せで走ったら、新藤原から県道藤原宇都宮線を経由して釈迦ヶ岳林道に入り込む。こちらから行けるとでも思ったか😅。この林道は西平岳(にしひらだけ)登山口に通じるが、開拓地の集落を外れた途端にぼこぼこの悪路となりUターン。県道に戻って東進し、「土上平放牧場」の案内標識で鋭角に切り返して左折。放牧場への車道を上り、右に分岐する林道黒沢線に入る(この辺、カーナビが当てにならず、GPSと地形図を首っ引き)。少し走って左に分岐する守子林道に入り、ようやく守子登山口に着く。林道の分岐が多くてとにかくややこしい。事前に走行ルートを良く調べておくんだった。

登山口には4台分程の駐車スペースがあり、他に1台の駐車あり。先行ハイカーさんがおられるようだ。今日は快晴で暑くなりそう。最初からTシャツで歩き出す。登山口には「釈迦ヶ岳登山口」の標柱と「←釈迦ヶ岳山頂3.5時間 守子神社30分」の道標がある。アプローチで迷ったせいもあり、計画より出発がだいぶ遅れた。ペースを上げ気味にして歩く。


守子登山口に駐車


守子登山口

登山道は檜植林帯と自然林の境目で、幅広く平坦な尾根の上を進む。丈の低いミヤコザサに覆われ、その中に細いが明瞭な道型が続く。展望はないが、樹間からミツモチ辺りの新緑に覆われた稜線が眺められる。道は平坦だし、気分良く歩いてどんどん距離を稼ぐ。


平坦な尾根を進む


ミツモチを望む

やがて自然林に覆われた広い斜面に入り、左右の涸れた浅い窪の間を登る。傾斜が少し出てきた辺りに、朱が鮮やかで「守子神社」の額束のある鳥居と新し目の石祠がある。(信心深い訳ではなく、なんとなく習慣で)お参りして、今日の登山の無事をお願いする。


ブナの大木


守子神社

守子神社から15分程登ると「守子神社10分→」の道標があり、左手の笹原の中に微かな踏み跡が分岐し、赤テープが点々と続いている。この踏み跡が西平岳登山口への道かな。GPSを見ると、確かに地形図で破線路が分岐する地点だ。この踏み跡に入って辿る。


西平岳登山口分岐


赤テープを頼りに微かな踏み跡を辿る

踏み跡は丈の低い笹原に覆われた緩斜面をトラバースして行く。あるかないかの微かな踏み跡だが、赤テープが頼りになり、丹念に拾って行けば迷わない。涸れ沢を横断したところで踏み跡を見失うが、沢の右岸に赤テープが続く。二つ目の涸れ沢を渡ると林道終点の広場に出る。前岳への登り口があり、「釈迦ヶ岳3.54k」標柱が建つ。この道は西平岳登山口を起点に周回する場合にショートカットとして使える。


涸れ沢を横断


林道終点の前山への登り口

ここから西平岳登山口まで林道を辿る。林道と言っても疾うの昔に車両の通行は途絶え、路面は丈の低い草に覆われ、幅広い山道と化して、歩く分には気持ちが良い。さらに尾根を回り込むと、行く手にこれから登る西平岳尾根がドーンと現れる。尾根の下部の鮮やかな新緑から上部のまだ薄い緑へのグラデーションが標高差を感じさせる。これは登り応えがありそうだなあ、わくわく。

林道の途中、ばっくりと崩落した箇所があり、靴幅だけ残った路面の端っこで通過。立派な黒沢橋を渡ると、今度は法面が崩壊して、巨石が路面に山積する。こんなのが落ちてきたらイチコロだよ。足早に通過。少し路面が良くなると、西平岳登山口に着く。


廃林道から西平岳尾根を仰ぐ


黒沢橋


崩壊が激しい


西平岳登山口

登山口には「西平岳入口」の古い標柱と登山届の木箱がある。反対側の林間には土上平放牧場の柵が見える(カーナビがここを案内した訳はこれか😅)。

登山道に入り、丈の低いミヤコササとツツジなどの雑木の新緑に覆われた広い斜面を一直線に登る。ツツジ類の花はほとんどなくて、ヤマツツジがポツリポツリと咲く程度。


新緑の斜面を直登


ヤマツツジ

斜面を登るにつれて明瞭化した尾根筋にのる。樹林に覆われて眺めはほとんどないが、ところどころの切れ間から黒沢の谷を隔てて釈迦ヶ岳の頂や対岸の前山の尾根を望む。


細い尾根に乗る


釈迦ヶ岳を仰ぐ

尾根道を登り、数個の大きな露岩が点在する小ピークに着く。この先は一旦、登りが弛んでいて、行く手のピークを仰ぎ見る。あれが西平岳の頂だろうか。GPSと地形図で現在位置を確認すると、ここは1501m標高点で、行く手の頂は西平岳の肩のようだ。西平岳まで標高差約200m、あと30分くらいだな。


尾根道を急登


1501m標高点付近から西平岳への尾根を仰ぐ

水を飲んで一休みしたのち、西平岳への最後の登りにかかる。満開のトウゴクミツバツツジを数株だけ見る。左手には緑が広がる山裾の谷間に鬼怒川温泉郷の街並みを俯瞰する。


鬼怒川温泉郷を俯瞰


トウゴクミツバツツジ

丈の低いミヤコザサと矮小なダケカンバの尾根を登る。「1600M」の標識を過ぎ、なおも尾根道を急登。右手には黒木に覆われた中岳と狐色の笹原に覆われた釈迦ヶ岳の頂が並んで眺められる。だいぶ高度差が縮んで、西平岳の頂も近いな。登り着いたピークに「西平岳1712m」の標識があり、やったーと喜ぶが、実は偽りのピーク。この先の尾根の方が少し高く、真の頂まであと少しだ。


西平岳への登り


「西平岳」の標識のある偽ピーク

さらに、笹原にコメツガが点在する尾根を緩く辿る。途中に小さな鉄製赤鳥居と積み石の上に置かれた石像がある。この石像は禅定印に薬壺を携えた坐像で、薬師如来だろうか。


薬壺を持った石像


西平山へなだらかな尾根を登る

中岳や釈迦ヶ岳が良く眺められる尾根道をゆるゆる登ると、今度こそ西平岳の頂上に着く。と言っても登山道の途中に、コメツガの幹に架けられた山名標識があるだけ。あまりピークと言う感じがしない。頂上の様子をカメラに収めて、先に進む。


中岳と釈迦ヶ岳を望む


西平岳頂上

頂上から少し進むと広く赤茶けたガレ場に飛び出して、大展望がドーンと開ける。これは凄い。正面には谷を隔てて鶏頂山が端正な三角形の山容ですっくと聳え、右へ稜線を連ねて釈迦ヶ岳に至る。鶏頂山の左には鬼怒川の谷を隔てて奥鬼怒の山々が広がり、まだ白い会津駒ヶ岳の稜線を遠望する。さらに左には日光連山も。素晴らしい眺めに感嘆する。


ガレ場から鶏頂山を望む


ガレ場から釈迦ヶ岳を望む

ガレ場を緩く下って行くと、途中の大岩の上に高原山神社の石祠がある。平成二十一(2009)年十月吉日の銘があり、まだ真新しい。


高原山神社


西平岳を振り返る

黒々と樹林に覆われる中岳に向かい、再び笹原と樹林中の尾根道に入る。鞍部から岩稜の登りとなり、上部には固定ロープも現れるが、階段状で問題ない。しかし、岩稜を抜けると、山積する大岩にコメツガが繁茂して根を張るゴーロ帯の道となり、これは歩き難い。


中岳を仰ぐ


中岳へ岩場を登る


岩場の上部


針葉樹と岩石の道

やがて平坦な尾根となるがゴロゴロ道がしばし続く。道端に高原山神社の石祠があり、ここが中岳の頂上だ。頂上は狭く、ゆったり休める場所はない。近くの立ち木に「中岳1728m」の山名標識が架かる。針葉樹に囲まれ、展望は前山の尾根の一部が見える程度。


中岳頂上の高原山神社


中岳頂上の山名標識

中岳から下ると、僅かな数だが、散りかけのアカヤシオと蕾が膨らむシャクナゲの花を見る。登山道に被さる邪魔な枝は切られ、簡易な木道やトラロープが設置され、整備の手が入っている。行く手には一面の笹原に覆われた釈迦ヶ岳の三角形のピークがすっくと聳えて見える。最後の登りは歩き易そうだ。


釈迦ヶ岳を仰ぐ


岩稜を巻き気味に下る

途中、短い岩稜があり、固定ロープを手摺に巻き気味に下る。下ったところで、今日初めてハイカーさんと交差する。男性のソロハイカーさんで、新藤原まで歩いて下るそうだ。それは凄い😲

鞍部から釈迦ヶ岳への最後の登りに取り付く。さっき眺めた通りの、笹斜面を一直線に登る爽快な道だ。どんどん高度を稼ぎ、振り返れば黒木に覆われた中岳が鋭く聳える。右手には、黒沢の谷間の下に南麓の緑が一面に広がり、そちらから爽快な風が吹き上がってくる。傾斜が強まってトラロープが出てくるが、頼るほど急ではない。


釈迦ヶ岳への登り


中岳を振り返る


黒沢の谷間と山麓を俯瞰


頂上直下の急登

傾斜が緩むと釈迦ヶ岳頂上直下の肩に登り着く。高原山神社の祠があり、右手に前山への尾根道が分岐する。帰りはそちらへ降りる予定。ここから僅かな距離のところが頂上で、赤鳥居や大勢のハイカーが居るのが見える。


頂上直下の高原山神社


頂上まで一投足

釈迦ヶ岳の頂上は広く、ほぼ360度の展望が開ける。気温が高く、遠景は霞んでいるのが惜しい。頂上の広場の片隅には御影石製の「日光国立公園 釈迦ヶ岳」の山名標識、中央には真新しい朱塗りの鳥居に大理石の石祠と大己貴命の石像、令和六年五月建立の「高原山神社神社由緒」の説明板がある。この説明板によると、釈迦ヶ岳、鶏鳥山(中岳)、月山(西平岳)にはそれぞれ大己貴命、事代主命、月詠命が祀られ、古より三山参拝が行われていたとのこと。初めて知ったが、今日の山歩きは由緒正しい三山駆けということになる。


釈迦ヶ岳山頂


御影石製の山名標識

頂上は(写真には写っていないが)大勢のハイカーさんで混み合っているので、頂上直下の高原山神社まで戻って昼食休憩とする。こちらは他に誰もいない。鯖味噌煮を肴に缶ビール。今日は暑いし、登りもきつかったので、格別に美味い。お湯を沸かし、カップ麺を食べる。一休みしたのち、下山にかかる。

復路は目の前の前山への尾根を下る。笹の大斜面が広がり、下り始めは明瞭な道型があるが、すぐに笹原の中のあるかないかの踏み跡となる。しかし、見通しが効くので、尾根を外さないように下れば良い。ダケカンバの若木が薄くヒョロヒョロと生えているが、まだ芽吹いていなくて冬枯れの状態だ。


前山尾根を俯瞰


笹原の大斜面を下る

大斜面をドンドン下って、ようやく傾斜が緩んでくると明瞭な道型が復活する。振り返れば、釈迦ヶ岳の頂は既に遥か上だ。下りは楽だ。


傾斜が緩んで道型が現れる


釈迦ヶ岳を振り返って仰ぐ

すっかりなだらかな道となり、幅広く平坦で明るい尾根上を進む。新緑の樹林が薄く広がる。ごく僅かだが咲き残りのシロヤシオを見かける。水溜りがあり、何気なく覗いたら小さなオタマジャクシがうじゃうじゃ。元気良く尻尾を振っている。無事に育てば良いな。


咲き残りのシロヤシオ


広く平坦な尾根を進む


オタマジャクシがうじゃうじゃ


高原情緒のある尾根道

広くなだらかな尾根を小さくアップダウンして辿ると「前山1435m」の標識が現れる。この辺りは平らで、ピークらしさは全くない。


釈迦ヶ岳から遠ざかった


前山頂上

尾根道はこのすぐ先でY字に分岐する。古い道標があり、左の道は「(カタクリ)ファミリーコース」、右の道は「のんびりコース 林道終点」と書いてある。ここは左へ。


林道終点への分岐


分岐の古い道標

尾根は傾斜を強めて一直線に急降下する。歩き易い登山道だが、急坂が延々と続き、あまりファミリー向けではない気がする。この辺り、シロヤシオが群生しているが、花はほとんどない。実が成っている株を見たので、もう疾うに時期が終わっているのだろう。また、時期であっても花付きは少ない。今年は本当にハズレの年だなあ。

若いブナの枝葉に藪苺のような赤い実が鈴なりに成っているのを見かける。これは何?後日調べると虫こぶの一種で、ブナハアカゲタマフシというものらしい。珍しい物を見た。


尾根を急降下


虫こぶの一種(ブナハアカゲタマフシ)


新緑の尾根を下る


シロヤシオが群生するが花はこれだけ

「守子神社10分→」の道標のある西平岳分岐に到着。あとは往路を戻る。守子神社で無事に帰りましたと手を合わせ、傾斜の緩んだ尾根道を歩いて、駐車地の守子登山口に帰り着く。もう一台の車はまだある。先行ハイカーさんとは多分どこかで行き違ったのだろう。


西平岳登山口分岐


守子登山口に帰り着く

今日の山歩きは、シロヤシオこそ不発だったが、大展望に恵まれて、大満足であった。大間々台から釈迦ヶ岳への往復に比べて、歩き応え・登り甲斐感は段違いと思う。帰りは矢板市の「城の湯やすらぎの里」に日帰り入浴(500円)で立ち寄ったのち、矢板ICから高速に乗って桐生への帰途についた。