仙人ヶ岳

2020年4月4日(土)
天気:
メンバー:T
行程:駐車場 10:30 …道了神社 10:55 …道了大権現 11:05 …猪子山(511m) 12:10 …犬帰り 12:35 …熊の分岐 13:25 …仙人ヶ岳(663m) 13:50 …林道終点 14:20 …駐車場 15:15
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

仙人ヶ岳のアカヤシオは、昨年は4月13日、一昨々年は4月16日に出かけて、どちらもちょうど見頃だった。今年は異常な暖冬小雪で、春の訪れも早まっているので、一週間早い今週末辺りが見頃になるんじゃないかな、と思って、出かけて来ました。

桐生を朝遅くに車で出発。最寄りのコンビニに立ち寄って、昼食のパンとペットボトル飲料を買ったのち、住吉峠、白葉峠を越え、ハイカーさんの駐車で満杯の岩切登山口を横目に通過。猪子トンネルを抜けて県道松田葉鹿線を松田川ダムに向かい、ダムサイトのメモリアル広場の駐車場に車を置く。今日は穏やかな晴天で、アウトドアで楽しもうという行楽客が大勢来ている。

既に暑い位の陽気なので、Tシャツ+ライトパンツという夏山の出で立ちで出発。車道を下流側に戻り、展望台から松田川ダムを眺める。背後には猪子山〜知ノ岳の稜線が、低いながらもギザギザなスカイラインを描く。ダムの下流を俯瞰すると、「松田川ダムふれあい広場」と称するバーベキュー場/キャンプ場があり、満開の桜が一面に広がって見事だ。

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松田川ダムサイトの駐車場

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松田川ダムと
猪子山〜知ノ岳の稜線

展望台から急な階段でふれあい広場に下る。松田川ダムには何度も来ているが、ふれあい広場の中に入るのは初めて。広い駐車場と芝生広場、管理棟、親水公園などがあり、なかなか快適。人出も多く、賑わっている。

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ダム下流のふれあい広場に下る

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親水公園から松田川ダムを望む

ふれあい広場から県道に出、松田川に沿って少し下る。道了橋手前の右側に2基の石燈籠に挟まれた短い石段があり、奥に山道が続く。ここには、予めGoogleストリートビューで見つけていた、送電線巡視路を示す黄色標柱がある。今日は、ここから巡視路を利用して猪子山東の枝尾根に取り付き、猪子山から仙人ヶ岳に向かう、という計画を立てている。

石段の上には数基の庚申塔がある。その内の一つには、年が「文正攵十三天」と刻まれている。文正は古過ぎ(室町時代)でそんな筈はない。後日、頭を捻って「文政」と気付く。横倍角の起源がこんなところに(^^;)。現物は縦書きなので、初見では判らなかった。

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道了神社入口

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千庚申塔
文政十三天 庚寅(1830年)六月

石段を上がった左には無人の建屋と「道了神社 大正十三年四月二十八日 拜殿新築紀年碑」と刻まれた石碑がある。この建屋が道了神社拝殿らしい。石段の正面には石鳥居が建ち、額束には「道了大権現」と刻まれている。鳥居を潜ると短い石段に続いて、山道が小さな谷の奥へ延びている。と言うことは、この山道は道了大権現(=道了神社本殿)への参道ということになる。どんな神社か、楽しみだ。

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道了大権現の石鳥居

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渓流沿いに山道を登る

渓流沿いに山道を辿ると、すぐに2本目の黄色標柱があり、巡視路が右に分岐。沢を渡って左岸の尾根に向かっている。ここは道了大権現に向かって直進。左岸に渡って石組みの堰堤を越えると、左岸の急斜面に長い石段が現れ、大きな岩場の中腹の岩窟に通じている。これは期待以上に興味深い場所だ。石段の取り付きには「不動明王」の石碑がある。どこかに滝があるのかな。石段を上がり、さらに岩場と梯子を登って岩窟の中に入ると、朽ちかけた木の祠があった。

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道了大権現の石段

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道了大権現

道了大権現の探訪とお参りを済ませ、石段を降りる。石段の右側の斜面を見上げると、木立を透かして送電鉄塔が見えているので、巡視路の分岐まで戻らず、直接、送電鉄塔に向かう。杉林の急斜面を斜めに上がり、灌木のちょい藪を抜けて、枝尾根の上の明瞭な道型(=巡視路)に合流する。僅かに左へ登ったところに送電鉄塔が建つ。

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右斜面を登る

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尾根上の送電鉄塔に出る

送電鉄塔の先は、風化した岩場が断続する明るい尾根が続く。藪はなく、歩き易い。小ピークに登り着くと、塔身がなくなった石祠がある。小さなアップダウンを交えた岩尾根を緩々と登って行く。途中、岩場に古いロープが張られていたり、古い赤テープを見かける。薄い踏み跡もあるし、そこそこ歩かれているようだ。

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潰れた石祠

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岩場を交えた尾根の登り

やがて、今シーズン初のアカヤシオに遭遇。もう終盤の様子だが、ピンクの花が青空に映える。この先に期待だな。周囲の山肌には新緑が芽吹いて、点々と白いヤマザクラが咲いている。見晴らしの良い露岩があり、右後方に小さいながらもどっしりとした赤雪山の山容を望む。

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今シーズン初のアカヤシオ

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赤雪山を望む

露岩が多く明るい尾根歩きが続く。ちょっとした岩稜もあり、変化に富む。早くもミツバツツジが(一株だけだが)咲いている。アカヤシオもポツリポツリ見かける。

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明るい尾根歩きが続く

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ミツバツツジ

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アカヤシオをアップ

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易しい岩場を上がる

最後は岩場混じりの急坂を上ると、猪子峠と猪子山の間の登山道に合流する。ここから仙人ヶ岳へは、岩場の多いハイキングコースだ。右下の眼下にまつだ湖の湖面と湖畔の桜を見る。チラホラとアカヤシオが咲いているが、数は少ない。

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主稜線は近い

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猪子峠〜猪子山間の
登山道に出た地点

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猪子山に向かう

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アカヤシオの数は少ない

正午を少し回って、猪子山の頂上に到着。一休みして、パンとペットボトル飲料で軽く昼食を済ませる。去年はこの辺りから沢山のアカヤシオを見たが、今年はどうだろうか。

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猪子山頂上

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山腹にヤマザクラが点々と咲く

山腹には淡い新緑の中に白いヤマザクラが点々と咲いているが、辺りを見渡してもピンクのアカヤシオはほとんど見えない。蕾もないし、散った花弁も見当たらないので、時期がどうこうというよりか、初手から花がない感じだ。

犬帰りの鎖場をささっと登り、宗ノ岳の頂上を通過。ちょっと下って、知ノ岳に向かって急坂を登り返す。

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犬帰りの鎖場

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知ノ岳に向かう

登り着いた知ノ岳から振り振り返ると、桜に縁取られた「まつだ湖」を俯瞰し、辿って来た稜線が眺められる。気温が高いため、遠くの山並には霞がかかっている。

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知ノ岳から「まつだ湖」を俯瞰

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知ノ岳から辿って来た稜線を振り返る

熊の分岐で岩切登山口からのコースを合わせる。時間帯が遅いため、ここまでで交差したハイカーさんもチラホラで、前回に比べると少ない。この先の右側の急斜面はアカヤシオが多い所だが、今日はやはり少ないなあ。まあ、今シーズン初物のアカヤシオは見ることができたから良かった。

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熊の分岐

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数少ないアカヤシオの一株

最後にひと登りして、ハイカーさんが途切れて無人の仙人ヶ岳頂上に着く。木立の間から北面を眺めると、遠くの山々はやはり霞んでいるが、全く雪が見えない袈裟丸山と皇海山、まだ白く冠雪している日光白根山を見出だす。頂上でジッとしていると、流石に少し風が冷たい。パンの残りを食べたら、下山にかかろう。

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仙人ヶ岳の頂上の一角へ

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仙人ヶ岳頂上

復路は、まだ歩いたことがない野山林道のコースを下ってみる。赤雪山への縦走路に入り、固定ロープが張られた短い急坂を下ると、すぐに右斜面へ下る道が分岐する。

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赤雪山への縦走路の急な下り口

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松田川ダム下山口の道標
(反対側から見たところ)

この道に入り、杉林に覆われて薄暗い急斜面を大きくジグザグを切って下る。やがて傾斜が緩み、周囲を高い岩場に囲まれた谷に沿って下る。途中、倒木が折り重なって谷を塞ぐが、屈んでうまく通り抜けられる。

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松田川の源頭を急降下

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谷筋に折り重なる倒木

やがて水流が現れ、小さな滑滝の脇を下ると、野山林道の終点に着く。あとは舗装された林道をダラダラと下る。途中で道端に駐車を見たので、野山林道は特に車両通行止めにはなっていないようだ。

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野山林道終点に出る

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野山林道を下る

水量が増した松田川は所々で岩盤を穿って流れ、ミニ渓谷美を見せる。右岸から大きな支流を合わせる地点に「野山林道開設記念之碑」と「前坂道路改築記念碑」の二つの石碑がある。直ぐ先には大きな石祠があり、裏手に松田川の渓流を眺めるスポットがある。

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途中の石祠
明和九壬辰(1772)年四月吉日

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石祠裏手の渓流

ここまで来れば、まつだ湖は近い。野山橋を渡り、少し傾き始めた陽射しに照らされた桜並木を眺めつつ、湖左岸の道路を歩く。湖面の向こうの「まつだ湖畔キャンプ場」の桜も満開で、駐車が多いところを見ると、行楽客で賑わっているようだ。

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野山橋

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まつだ湖畔の桜

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まつだ湖畔キャンプ場の桜

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ダムサイト駐車場に帰着

車を置いたダムサイトの駐車場に帰り着く。軽い行程と思ったが、5時間弱歩いたから、なかなか歩き応えはあった(というか、足が鈍っていたのと寝不足で、かなりきつかった)。アカヤシオはイマイチだったが桜は見事で、花見は堪能できたかな。

後日、ネットで知ったが、この日はハイトスさんを始め、その筋の方々が仙人ヶ岳に集結しておられたようだ。考えることは皆、同じですね(^^)。


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