塔ノ岳
この週末は、出張のついでに横浜の実家に帰るので、実家から近い丹沢か奥多摩の山を歩くつもりにしていた。しかし、予報によると週末の天気はあまり良くないらしい。日和って、手軽で馴染みのある大倉尾根からの塔ノ岳往復に出かけることにする。天気が悪くても良いトレーニングにはなるだろう。このコースは何度も歩いていて、前回は2014年5月に尊仏祭の開催に合わせて登っている。
朝、実家を車で出発。東名を秦野中井ICで降り、登山口の大倉に向かう。上空は白い群雲に覆われるものの意外と日差しがあり、大山や丹沢表尾根が眺められる。塔ノ岳の頂だけは雲の中だ。大倉駐車場(520円)に車を置いて出発。8月上旬の猛暑に比べれば、暑さのピークは過ぎているが、今日はとにかく湿度が高い。汗を絞られること必至だ。
大倉集落の外れから大倉尾根の登山道に入る。人気の高いルートだが、この暑い時期に大倉尾根を登る酔狂な(^^;)ハイカーはさすがに少なく、ポツポツといったところ。山腹を斜めに緩く登り、歩き始めて45分程で雑事場の平に着く。尾根上の杉林に囲まれた小平地で、ベンチあり。早くも汗びっしょりだ。休憩して水を飲む。
雑事場の平のすぐ先に小洒落たログハウスの見晴茶屋があり、小屋前のテラスから、むわーんと水蒸気に覆われた秦野盆地を眺める。ここからが大倉尾根(別名、バカ尾根)の本番で、一直線の尾根上の単調な上り坂を、足元の階段に目を落としてひたすらに登る。これはやはりトレーニングになるな〜。しかし、蒸し暑くてペースは上がらない。
営業していない(廃業?)駒止茶屋を過ぎると、なだらかな尾根となって一息つける。木立ちの間から水無川の谷を隔てて烏尾山や三ノ塔辺りの表尾根の峰々が見える。青空も覗いて、天気は引き続き良い。
堀山のどこだかわからない山頂を通過し、少し坂を登って堀山の家を過ぎる。ここから再び単調な上り坂となり、階段道が延々と続く。戸沢からの登山道を右から合わせ、ベンチのある小平地を過ぎると、またまた階段の急登。やがて樹林が切れ、背中を太陽に炙られて流汗淋漓。坂の上に「氷」の幟を見、もう少しだと頑張って、ヘロヘロになりつつ花立山荘に登り着く。早速、山荘でかき氷(400円)を買い、ベンチで休憩して食べる。これは冷たくて最高。暑さで参りかけていたが、かなり復活した。
花立からは広葉樹林に覆われた尾根を緩く登る。ところどころ痩せ尾根があり、深山の雰囲気がある。金冷しで左に鍋割山への道を分け、緩く登ると樹林が切れ、広く開けた塔ノ岳頂上に着く。やれやれ、ようやく着いた〜。今日はとにかく蒸し暑過ぎだ。
頂上にはハイカーさん多数が休憩中。頂上からの展望は、遠方は雲に隠れて見えないものの、蛭ヶ岳から檜洞丸にかけての丹沢主稜がくっきり眺められるから御の字だ。昼食にはカップ麺を持って来ているが、食欲がないので、水と小さな蕎麦だんご3個だけを腹に入れて済ます。
しばらく休憩して気力が回復したのち、下山にかかる。南面には時々雲が湧き上がって来るが、天気は保ちそうだから、急ぐ必要はない。展望を楽しみながらのんびり下る。
半時間程で花立山荘を通過。大倉尾根と秦野盆地を俯瞰し、左には三ノ塔と大山を遠望する。周囲にはトンボがツィーと飛んでいて、秋近し。ちょっと涼を感じる。しかし、標高が下がるにつれて気温が上がり、真夏へと戻って行く。
ダラダラと下って山麓に着き、大倉駐車場に戻る。ハイシーズンならば帰宅するハイカーさんがバス停に列をなす頃合だが、今日はガランとしている。近くの日帰り温泉(名水はだの富士見の湯)への無料送迎バスが客待ち中。まあ、実家まで1時間強だから、帰宅して風呂だな。コンビニでアイスを買って食べ、汗が引いたところで帰途についた。