火戸尻山〜鳴虫山

2018年2月12日(月)
天気:時々
メンバー:T
行程:小来川森崎バス停 9:05 …林道入口 9:50 …ねこ岩 10:35 …火戸尻山(852m) 11:10〜11:15 …最低鞍部 11:45〜12:00 …996m標高点 13:10 …鳴虫山(1104m) 14:00〜14:15 …神ノ主山(842m) 15:15 …鳴虫山登山口 16:00 …東武日光駅 16:20
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

火戸尻山(ほどじりやま)は、『栃木百名山ガイドブック』で「スギ林の中の静かな山。この山は、地元ではヒドッジリと呼ぶ。西小来川の登山道から静かな山里の原風景が望める。」と紹介されている山である。

ヒドッジリとはどういう意味か、興味を引かれる。三等三角点(点名:戸野)が設置され、点の記には俗称:殿畑山の記載がある(殿畑は西麓の集落)。しかし、スギ林の中の静かな山、とは如何にも地味そうな山だ。他に形容のしようがなかったのだろうか(^^;)

火戸尻山は南麓から登山道が通じ、登り2時間程で登頂できるが、その往復だけでは物足りない。ネットで調べると鳴虫山へ縦走した山行記録が多数あり、それなら歩き応えがあって面白そうである。と言う訳で、建国記念の日の三連休の最終日に出かけてきました。

(2018-02-18追記:『栃木の山150』にも鳴虫山〜火戸尻山のガイドが掲載されている。)

桐生駅6:39発の両毛線に乗車し、栃木駅で東武日光線に乗り換えて、新鹿沼駅に7:49着。駅前ロータリーに出ると、ゴルフ場への送迎バスが多い。8:17発の小来川(おころがわ)森崎行き鹿沼市民バス(リーバス)に乗車する。乗客は私の他にご夫婦が1組。途中の乗降客はなく、終点の小来川森崎バス停に9:05着で下車する。運賃は300円也。バス停は黒川神社の社叢を挟むY字路にあり、左の県道小来川清滝線を日光・清滝方面に向かう。

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新鹿沼駅

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小来川森崎バス停

集落を抜けると開けた谷の奥に六郎地山の山稜が眺められる。上空には青空が覗いているが、雪雲が次々に流れ、真冬らしい天気。バスで同乗したご夫婦も同じ方へ歩いているので、山歩きですかと声を掛けたら、散歩に来たとのこと。体を暖めるためと、今日の行程は日没に対して時間の余裕があまりないので、ピッチを上げて先に行かせて頂く。

途中で「愛宕山遊歩道入口 頂上まで500m」という案内標識を見かける。そんな山があるとは知らなかった(後日調べると、シボレさんやその筋の方々が登った記事がある)。

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県道小来川清滝線を歩く
奥の山稜は六郎地山

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前方右に火戸尻山のピークを望む

黒川に沿って県道を歩く。山間に入って黒川の左岸に渡ると右に林道が分岐し、入口から少し入った所にお休み処山家(やまが)がある。蕎麦が美味いと評判の店だが、1月と2月は寒さのため休業中。3月2日より営業再開の掲示がある。

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黒川に沿って県道を歩く

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お休み処山家のある林道入口

林道に入り、道標に従って大回りのカーブをショートカット。再び林道に出て、行く手に火戸尻山の山稜を見上げながら未舗装道を辿る。沢を渡る所に「篭滝 30m」の道標があり、近いので沢を遡って見に行く。しかし、倒木が覆い被さった小滝で、大したものではなかった。まあ、わざわざ道標があるということは、何か謂れのある滝なのだろう。

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篭滝

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遊歩道入口

林道は沢を渡ると分岐し、小さな「←登山道」との道標に従って左の道に入る。急なブル道で、伐採地に絡みながら大きくジグザグを切って登る。防鹿柵のゲートを開閉して通り、伐採地に入る。急登のおかげで既にかなり標高が高く、西小来川の山里を俯瞰して、鶏鳴山や笹目倉山、天気山を望む。これはなかなかいい眺めだ。

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防鹿柵を抜けて伐採地に入る

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伐採地から山麓を俯瞰

伐採地から再び防鹿柵のゲートを通り、雑木林の急斜面をしばらくジグザグに登って、ヒノキ林に覆われた細い尾根の上に乗る。

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雑木林の急斜面をジグザグに登る

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ヒノキ林の尾根を急登

尾根を登ると大きな露岩に着く。岩の上に2本の檜が根を張り、その間に2基の石祠が祀られている。ここが「ねこ岩」だ。最初は猫岩かと思っていたが、ネットの情報によると根古岩山ではないかとのこと。植林帯の地味な登りが続くなか、神さびた雰囲気で興味深いスポットだ。さらに檜林の尾根を登ると、小さな瘤の上に「山神」の石碑がある。「昭和三十六年四月十七日 金子虎一建立」と刻まれ、比較的新しいが既に古色蒼然としている。

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ねこ岩

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山神

尾根を登って最後に急坂を上がると、三角点標石のある火戸尻山の頂上に着く。山名標識は一つだけ。樹林に覆われて展望はないが、西側に少し下った岩場から、木立を透かして六郎地山が眺められる。計画では頂上に12時着の予定だったから、小一時間余裕があり、順調だ。昼食にはまだ早いから、ここでは小休憩とし、もう少し進んでお昼にしよう。

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火戸尻山頂上

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火戸尻山から六郎地山(左)を望む

火戸尻山から北の稜線に踏み出すと急に雪が多くなる。スパッツを着けるほどではないが、滑り易い下り道なのでスキーストックを使う。最近歩いた人がいるようで、2、3人分の足跡が雪の上に残っている。降って以降、低温が続いたので雪は溶けた様子がなく、踏むとサクサクという感触が楽しめる。また、冬枯れの雑木林はある程度見通しが効いて、鳴虫山の小さな三角形のピークや、頂に雪雲が薄っすらとかかる日光表連山が遠望できる。この縦走ルートは、なかなか楽しめるな。

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行く手に鳴虫山を望む

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鞍部に向かって急降下

やがて急降下となって、最低鞍部に下り着く。右(東)側は広く伐採されて、正面に独立した立派な山容の鶏鳴山が眺められる。展望も開けているし、そろそろ昼時なので、ここで昼食としよう。今日は寒いだろうと思ったので、お昼は手っ取り早くパンと山専ボトルに入れてきたホットココアだ。

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最低鞍部

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最低鞍部から鶏鳴山を望む

昼食後、縦走を再開。伐採地の縁を登る。植林帯に入る手前辺りは小広く、眺めも広く得られるので休憩適地だ。

植林帯に入って急斜面を上がると、平坦で広い稜線に登り着いて再び積雪が現れる。植林に覆われて眺めはないが、西側が伐採地斜面となった展望地があり、ひっそりと民家が点在する谷間を隔てて、六郎地山を間近に望む。六郎地山から北の1101m標高点峰にかけて、雑木林に覆われた稜線がなだらかに続いているのが眺められる。六郎地山も地味な山のイメージが強かったが、こうやって実地に眺めるとなかなか面白そうな山だ。

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最低鞍部から急登

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展望地から六郎地山(左)を望む

幅広い稜線上の雪原を緩く下る。途中でという冬ルートに良くあるプレートが木の幹に打ち付けてあるのを見かける。コンセーレハイキングと書かれているのが設置者らしい。

996m標高点への登りにかかると、今度は東側が伐採地斜面となり、北方には高原山を遠望。高平山(830m)を前景として篠井富屋連峰、振り返って鶏鳴山、火戸尻山の眺めが良い。火戸尻山の向こうのギザギザの稜線は石裂山辺りだろうか。なんとなく予想していたよりも、結構展望が得られる縦走ルートである。

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広く緩やかな稜線を辿る

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996m標高点へ伐採地を登る

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996m標高点から鶏鳴山(左)
火戸尻山(右)を望む

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996m標高点から石裂山方面を遠望

996m標高点のピークを越えると、右側に防鹿柵が現れる。やがて両側が防鹿柵となり、間に挟まれた通路を通る。行く手には鳴虫山の三角形のピークがだいぶ近づいて見える。

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防鹿柵の間に鳴虫山を望む

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伐採地越しに高平山(中央左奥)を望む

鞍部に下ると、左側は伐採地の斜面となり、防鹿柵越しに関東平野が眺められる。伐採地に沿って稜線上の細い踏み跡を辿ると、右の道端に人工物っぽい石があるのに気づく。近づいて見るとやはり2基の石碑で、大きい方は刻まれた字が「大山祇尊神」と読み取れる。

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伐採地に沿って進む

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「大山祇尊神」石碑

ここから鳴虫山へ最後の急登となる。「この先登山道はありません 日光市」という看板を裏手から通過すると、鳴虫山の頂上に登り着く。

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鳴虫山へ最後の急登

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頂上直前の看板

鳴虫山の登頂は2005年4月以来の2回目。四季を通じて人気の高い山と思うが、登頂が14時と遅いせいか、今は誰もいない。東武日光駅までは一般登山道で2時間半の行程だから、日没前に余裕で下山できるだろう。安心して日光表連山をのんびり眺める。男体山は樹林が少々邪魔で隠れるが、女峰山や赤薙山は日光市街を隔ててバッチリ眺められる。

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鳴虫山頂上

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鳴虫山から女峰山を仰ぐ

鳴虫山からの下りは急坂があるし、積雪も多そうなので、軽アイゼンを着ける。スパッツはまあ無くても大丈夫かな。頂上直下の急坂は雪がちょっと多いが、稜線上は風が強いのでそれ程でもなく、木の根や岩角が露出したところが多い。

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日光市街へ頂上直下の急降下

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稜線上の雪は多くない

標高が下がってくると積雪が少し増え、急坂の踏み固められた雪に軽アイゼンを利かして快適に下る。ちょっと登り返すと神ノ主山(こうのすやま)の頂上。育ちつつある植林の間から日光表連山や月山、高原山が眺められる。ベンチに腰掛けて、残りのホットココアを飲んで一息入れる。

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日光市街に向かって下る

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踏み固められた登山道を辿る

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神ノ主山頂上

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神ノ主山から月山と
高原山(右奥)を遠望

神ノ主山から下り、すぐに道標に従って左折。既に日が傾き始めて、日差しにも仄かに朱色が混ざる。雪を踏んでサクサクと下ると、天王山神社に着く。石鳥居と小さな社があり、背後に女峰山が聳えているのが眺められる。

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神ノ主山から下って左折

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傾き始めた日差しを受けて下る

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天王山神社

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日光市街へジグザグの坂を下る

日光市街の屋根を見下ろしながら、急斜面のジグザグ道を下り、落石防護柵の間を抜けて、市街の縁の登山口に下り着く。軽アイゼンとスキーストックをしまい、大通りを下って東武日光駅に向かう。

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鳴虫山登山口に下り着く

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東武日光駅前

冬で数は少な目とはいえ、東武日光駅周辺は国内外の観光客で大変賑わっている。構内アナウンスでは、上り特急スペーシアは夜の便まで予約が満杯と放送している。

当初は駅前で夕食にしてから帰ろうと考えていたが、意中の店が営業時間前だったことと、ちょうど出る上り列車もあるので、サクッと帰ることにする。東武日光駅16:28発の区間急行に乗車し、栃木駅で両毛線に接続良く乗り換え。桐生駅18:23着で帰桐した。


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