鍋割山〜荒山〜前浅間山
この週末、予報では雨は降らないようだが、天気はいまいち。近場の赤城山に行くことにして、南麓から鍋割山と荒山を周回し、以前から気になっていた鍋割山東面の岩屋と、荒山の北東峰続きの前浅間山(まえせんげんやま)を訪ねてきました。
朝、車でのんびり出発。赤城南面の県立赤城森林公園に向かう。森林公園の駐車場に着くと車と共に大勢の人が居て、何やら後片付けと帰り支度をしている。昨晩、ここでキャンプでもしたのかな。辺りは霧が立ち込めて肌寒いくらい。避暑にはちょうど良いだろう。
ここに駐車し、マイ自転車Radon I号で鍋割山登山口に向かう。標高差100mの下りで、最後だけ緩い登り。走っている間に気温が上がるのを感じる。登山口の路側には10台程の駐車があり、天気はいまいちでもハイカーさんは多い。ここに駐輪して、歩き始める。
上空は低い雲に覆われ、見上げる斜面も途中から雲の中である。すぐにジグザグの急坂に取り付く。大きなヤマユリの花があり、今日は他にも夏の花が見られそうで楽しみ。植栽されている木にも白い花がたくさん付いている(後日調べてみたが、何の木か不明)。
坂を上がると傾斜が緩んで、鍋割高原と呼ばれる笹原が広がる。眺めが良い場所だが、今日は残念ながら霧の中。再び樹林内に入り、溶岩がゴロゴロ積み重なる急坂の登りとなる。降りてくるハイカーさんと何組もすれ違う。坂を登りきると笹原の緩斜面に出る。鍋割山の周辺だけ雲が切れ始め、青空が覗いている。鍋破山前不動からの道を左から合わせ、開けた笹原の中をひと登りすると鍋割山の頂上に到着する。
頂上では数組のハイカーさんが休憩中。上空は晴れているが、周囲の展望はガスの中。少し休んで、荒山に向かう。途中で岩屋に立ち寄る。ネット情報で知って、何度か行こうとしたが行きそびれていたスポットだ。通称人面岩という登山道脇の大岩の前から東側斜面を下る。木の階段道が続いているが、完全に笹に覆われていて、歩く人は多くないようだ。かなり下って少し左に寄ると、大きな岩屋がある。これはなかなか見事。庇から雫が滴り、岩屋の中は一面鮮やかな緑の苔に覆われている。屋根の前面に「秋葉山」の銘のある石祠と「十二山神塔」と刻まれた石碑が置かれている。
稜線に戻り、登山道を先に進む。途中で見かけた花には小さな名札が立てられたものがあり、名前がすぐ判って助かる。火起山にあったトンボソウは、私は初めて見た。珍しい。
荒山高原に下って、昼食とする。再び青空が覗いて陽が差し、夏!という感じ。缶ビールが美味い。麺職人担々麺を食べて一休みしたのち、荒山に向かう。
樹林内を緩く登り、展望のない「展望の広場」で左に箕輪への道を分ける。ゆるゆる登ると、途中で草原に出て、荒山を間近に仰ぐ。振り返れば鍋割山が見える場所だが(山行記録)、また霧がかかって見えない。荒山への最後の坂を登っていると、トレラン姿の若い女性2人組に追い抜かれる。すごいなあ。
荒山頂上に登り着き、大きな石祠の前で一休み。緑深い樹林に覆われて、展望はない。先程の女性二人組に「こっちでも(荒山高原に)戻れますか」と南東尾根の登山道について尋ねられたので、「遠回りになるけど行けますよ」と答えると、そちらに下って行った。元気だなあ。
私はここから北東の尾根を下る。入口には特に道標の類はない。急で細い尾根だが、灌木を切り開いてしっかりした山道があり、赤テープもある。しかし、整備の手は入っていないようで、野趣があって面白い。左斜面下の谷底に通じる赤城道路を走るバイクの走行音が聞こえてくるのが玉に瑕。樹林に覆われて眺めはないが、一部の地点からおとぎの森や長七郎山が見下ろされる。
急降下が終わって、緩やかな登り返しとなる。相変わらず道型はしっかりしている。草地に出て振り返ると、荒山がグッと盛り上がって聳えている。
稜線を辿ると、「前浅間山 1686m」の道標のある小ピークに着く。ということで、ここが前浅間山の頂上。眺めはなく、静かな頂だ。件の道標は県内の高校3校が2008年9月に設置したもので、「←荒山0.6km 軽井沢峠0.5km→」と書かれている。正規の登山道が通じている(または、近年まで通じていた)ようだ。
ここで右折して山腹を緩く下る。こちらも道型は明瞭。所々で草原が開け、行く手に牛石山を見下ろす。笹原を下って、荒山東面をトラバースする関東ふれあいの道に合流する。合流点の笹原の中には、前浅間山への道に×を記した看板や立入禁止の看板が倒れていて、やはり登山道として整備されたが、その後閉鎖されたらしい。確かに急坂ではあるが、特に危険な箇所はなく、なぜ立入禁止なのかは謎。
この地点を軽井沢峠としているネット情報も多いが、現地の道標には牛石山方面を指して「軽井沢峠 0.2km →」とあるので、そちらに進んでみる。平坦な稜線を辿るとスカイボルトライン(県道大胡赤城線)の駐車スペースに出て、ここに「軽井沢峠」の道標がある。岩澤正作編「赤城山大観」によると、赤城山へのかつての登路の一つに「軽井沢峠通り」があり、その記述から推測すると、道標のとおり、ここが軽井沢峠でないかと思う。
軽井沢峠から戻って、関東ふれあいの道を辿って荒山東面の急な山腹をトラバースする。丈の低い笹原と樹林の中の道で、しっとりとした雰囲気がある。途中に崩壊した涸れ沢を渡る個所があり、落石に注意。荒山・荒山高原分岐(東屋あり)に着く。
ここから荒山南面の緩やかな斜面を下り、沢を渡ると棚上十字路は近い。こちらにも東屋がある。「芝の広場」という開けた草地もあり、腰を下ろして一休み。あとは広い緩斜面をのんびり下る。
最後にアカマツ等の樹林に入り、急坂をジグザグに下って、森林公園の駐車場に戻る。程々の歩き応えのあるルートで(余裕があれば地蔵岳、長七郎山まで行こうと思ったが、さすがに時間切れで止めた)、気になるスポットも二つクリア出来たから良かった。
帰りは、かなり久し振りで、富士見♨ふれあい館に立ち寄る(510円)。昨年リニューアルしたそうだが、前はどうだったか忘れたので違いが分からん(^^;)。しかし、とても良いお湯でした。さっぱり汗を流して、帰途についた。