金冠山・猫越岳・烏帽子山

〜23日(月)
メンバー:S,S,T

伊豆半島の最高峰・万三郎岳(1406m)から西に延びる山脈は、天城峠を経て北へ向きを変え、500〜1000m級の山と峠を緩やかに連ねて金冠山(816m)に至る。天城峠〜金冠山の間の稜線上には伊豆山稜線歩道と称するロングトレイルが整備され、通しで歩いた山行記録を読んで以来、興味を持っていた。今回、西伊豆の土肥(とい)温泉に2泊3日で宿泊し、伊豆山稜線歩道の一部の区間と海岸線の景勝地を歩いてきました。

金冠山

3月21日
天気:
行程:戸田峠 13:55 …金冠山(816m) 14:10〜14:15 …戸田峠 14:30
ルート地図 GPSのログ(往復なので往路のみ)を地理院地図に重ねて表示します。

横浜の実家からS&Sと車で出発。新東名を長泉沼津ICで降り、沼津市街の蕎麦屋で昼食を摂ったのち、修善寺を経て県道修善寺戸田線を走り、戸田(へだ)峠に登り着く。ここはドライブコースとして人気が高い西伊豆スカイラインの起点(終点は土肥峠)で、ドライブの車やツーリングのバイクが多い。

今日は夕食のご馳走の前に腹減らしということで、ごく短い行程の山歩き。ここから金冠山を往復する。峠の駐車場に車を置き、デジカメだけを携えて出発。道標に従って金冠山への遊歩道に入る。

戸田峠駐車場
金冠山登山道入口

簡易舗装された遊歩道を緩く登ると、行く手に電波塔の建つ金冠山頂上が現われる。今日は雲が多くてクリアな眺めは得られないが、左(西)側には戸田港が俯瞰できる。海が見える山歩きは結構好き。程なくなだらかな笹原の切り開き道となり、右にだるま山高原への道を分ける。

電波塔が建つ金冠山を望む
だるま山高原分岐付近

アセビの樹林帯に入って短い急坂を登り、電波塔の横を通って金冠山の頂上に着く。丈の低い笹原に露岩が点在し、なかなか良い雰囲気。「金冠山 昭和廿九年十一月三日 戸田村 青年団 観光課」と刻まれた小さな石碑が建つ。晴れていれば駿河湾の向こうに富士山を遠望することができるはずだが、今日は曇っていて見えないのは残念。

金冠山頂上
戸田港を俯瞰

来た道で車に戻り、戸田に降りて土肥に向かう。今回の宿は土肥温泉の海花亭いずみ。客室や露天風呂から、道路を隔てて目の前に駿河湾が眺められる。夕食には活き鮑が出た。グネグネ動く鮑を金網にのせてワイルドに焼く。ちょっと残酷な気もするが、歯応えはコリコリで最高に美味しかった。

宿舎から土肥港の眺め(翌朝撮影)
夜のご馳走は鮑

猫越岳

3月22日
天気:
行程:仁科峠 9:55 …後藤山(994m) 10:30 …猫越岳(1035m) 11:15〜11:25 …後藤山 12:10 …仁科峠 12:40
ルート地図 GPSのログ(往復なので往路のみ)を地理院地図に重ねて表示します。

二日目は、仁科峠から猫越(ねっこ)岳を往復することにする。宿から車で出発。土肥から海沿いに南下し、宇久須から県道仁科峠宇久須線を経て、海抜897mの仁科峠まで一気に登る。峠の一帯は笹原と放牧場で、広闊な展望が開ける。今日は良く晴れて、ゆったりした気分になる。

峠の空き地に車を置き、クマザサを切り開いた歩道に入る。すぐにナベ岩とも呼ばれる大岩のある小ピークに着く。振り返れば、仁科峠から魂(こん)ノ山へ続く笹原に覆われた緩やかな山並みが一望される。こういう穏やかな山歩きもまた良い物である。

仁科峠
ナベ岩から仁科峠〜魂ノ山を望む
ナベ岩から宇久須湾を俯瞰
伊豆山稜線歩道を辿る

ナベ岩から笹原を抜けてアセビ林に入り、後藤山の登りに取り付く。振り返ると放牧場の緩斜面の中に牛舎の褐色の屋根が見えている。木の階段が整備された道を登って、後藤山の平坦な頂上に着く。樹林に囲まれて展望はない。

天城放牧場と魂ノ山(右奥)
後藤山への登り
後藤山頂上
アセビ林を下る

後藤山から、歪曲した枝振りのアセビの樹林をジグザグに下る。陽射しがアセビの緑に照り映えて綺麗だ。芝生が広がって公園のような鞍部から、緩やかに上下する稜線を辿る。やがて、急坂に差し掛かり、道がぬかるんで歩きにくい個所があるが、長くはない。登り着いた所には「展望台→」との道標があり、直ぐ先が展望台だ。

緩やかな稜線を辿る
猫越岳への登り
アセビの大木
展望台分岐

展望台からはほぼ360度の眺めが得られる。どちらを見ても鮮やかな緑を散りばめた緩やかな山並みが広がる。北方の魂ノ山の右奥には、左右に長く緩やかな稜線を引く達磨山を遠望する。南方に見える山影は長九郎山のようだ。靄に霞むが海岸線も見ることができ、半島の山らしい景観が広がる。

展望台から長九郎山方面を望む
展望台から魂ノ山(中央)を望む

展望台から猫越岳頂上までは、ほとんど平坦な台地の上を進む。途中に猫越岳山頂の池がある。静まり返った水面に周囲の樹林と空を映す神秘的な池だ。説明板によると、猫越岳は60〜100万年前に噴火した猫越火山が侵食された名残の山で、この池は山頂付近の厚い溶岩の上に水が溜まったものとのこと。

平坦な頂上台地を歩く
猫越岳山頂の池

猫越岳頂上は池からすぐである。アセビ林が開けた小広い平地に三角点標石がある。樹林に囲まれて展望はないが、雰囲気は明るい。

アセビの緑が美しい
猫越岳頂上

休憩して軽くパンを食べたのち、往路を仁科峠に戻る。往復3時間弱の軽い行程だったが、樹林の緑が綺麗で、自然の庭園とも言える趣きがあり、なかなか楽しめた。伊豆山稜線歩道の全線踏破は、やはり一度やってみたい。

仁科峠から松崎に下り、宿で魚が旨いと教わったお勧めの食堂を訪ねるが、人気の店のようで、既に今日の分の昼食は営業終了。別の店で蕎麦を食べる。時間はまだ早いので、もう一座、雲見から海に突き出た鋭鋒の烏帽子山に登ることにする。

烏帽子山

3月22日
天気:
行程:浅間神社参道入口 14:15 …烏帽子山(164m) 14:35 …浅間神社参道入口 14:50
ルート地図 ルートを地理院地図に重ねて表示します。

雲見の集落から見る烏帽子山は小さいながら正にΛ形の山容で屹立し、威圧感がある。麓の駐車場(WC有り)に車を置き、浅間神社の石鳥居を潜って参道の石段を登る。

浅間神社参道入口
烏帽子山案内図

石段を上がると拝殿があり、その先にさらに急で長い(約320段の)石段が続く。登るに連れて反り返るように傾斜が増し、手摺をしっかり摑んでいないと後ろにひっくり返りそうである。危ないのでS&Sはここまで。私だけ頂上を目指す。

拝殿への石段を登る
中之宮への急な石段

急な石段を上がると中之宮があり、ここから山道となる。急斜面をジグザグに登ると、烏帽子山頂上の岩峰の基部に建つ雲見浅間神社本殿に着く。説明板によると、全国の多くの浅間神社は木花咲耶姫(=富士山)を祭神とするが、伊豆半島にはここをはじめとして、その姉の磐長姫のみを祀る浅間神社があるとのこと。

本殿脇の石段を攀じ登ると岩峰の天辺の展望台に立つことが出来る。展望台からの眺めは360度。特に南の眺めが素晴らしく、海岸線は険しい岩壁を連ね、千貫門と呼ばれる岩峰の小島は絶景である。足元はスッパリと切れ落ち、眼下の海は青緑色に透き通って、深い海の底まで見える。

雲見浅間神社本殿
烏帽子山頂上から千貫門
駿河湾を望む
烏帽子山雲見崎の絶壁

晴れた日には富士山を遠望することが出来るが、今日は靄って残念ながら見えない。ただし、ここで富士山を褒めると磐長姫の妬みを買って怪我をするという言い伝えがあるらしい。まあ、この険しさだと普通に転んだりしそうである。展望を堪能したのち、往路を戻る。往復35分の小粒な山だが、ピリッとしてなかなか面白かった。

烏帽子山から雲見港を俯瞰
雲見港を隔てて烏帽子山を望む

宿へ戻る途中、もう一箇所、海岸線の景勝地として黄金崎(こがねざき)に立ち寄る。こちらは岬の直ぐ近くまで車で入ることができ、新しい歩道も整備されていて、観光客が多い。黄白色の崖が夕陽に照らされると黄金色に輝くことから、この名前があるとか。また、岬の形が馬に見えることをPR中らしい。岬の風景を楽しんだのち、宿に帰った。

黄金崎
富士山を望むも見えず

西伊豆海岸探勝

3月23日
天気:

3日目の最終日、S&Sは昨日の山歩きでお疲れとのことなので、西伊豆の海岸線をドライブして帰ることにする。土肥港で海産物の土産を買ったのち、海沿いの県道沼津土肥線を北上する。途中、いくつかの展望ポイントで車を停めて、写真を撮る。戸田の御浜岬や大瀬崎(おせざき)は砂嘴(さし)で、左下の写真の明神池も砂嘴によって海から切り離されて出来た淡水の池だそうだ。

碧の丘から舟山集落と海岸を望む
夕映えの丘から御浜岬を望む
煌めきの丘から明神池を俯瞰
煌めきの丘から
井田集落と海岸を望む

大瀬崎の駐車場(有料)に車を置き、岬の先端まで行ってみることにする。大瀬は海水浴やダイビングで有名で、マリンサービスの店が浜辺に軒を連ね、多数のボンベが並べて置かれている。まだシーズンに入っていないのか、今日は人は少ない。

大瀬海水浴場
大瀬崎

大瀬神社の鳥居を潜り、社務所で拝観料100円を納めて先に進む。付近一帯はビャクシン樹林に覆われ、中には樹齢千年を超えるものもあるとか。盆栽のような枝振りや幹肌が見事。国の天然記念物に指定されている。

大瀬神社入口
ビャクシン樹林

浜辺からは駿河湾を隔てて沼津アルプスや愛鷹山の山影を望む。沼津アルプスは最高峰の鷲頭山でも標高392mの低山だが、稜線はギザギザで面白そうである。今日も残念ながら富士山は見えない。

大瀬海水浴場全景
沼津アルプスを遠望
ビャクシンの大木
伊豆大瀬崎灯台

岬の先端には神池がある。砂礫の堆積で出来た岬にあるにも関わらず真水の池で、多数の鯉が泳いでいる。実に不思議。

大瀬の神池
大瀬崎と愛鷹山を遠望

これにて海岸線の景勝地巡りは終了。沼津市街で昼にうどんを食べたのち、東名にのって帰宅の途についた。