穴切山〜三角山
この週末は三連休だが、寒い上にいろいろ雑用があるので、近場の軽い山歩き。Mさんに同行頂き、穴切(あなぎれ)の集落を起点に、527.8m三角点峰(穴切山)、三角山、穴切峠を周回して来ました。
穴切川に架かる橋の袂の路側に車を置いて出発する。杉林の中に通じる作業道をしばらく辿り、作業道が尾根から離れ始めたら、尾根を登る。道はないが、藪もないので問題なく歩ける。急坂を登り切ると伐採された斜面の上に出て西側の展望が開け、梅田の街並や吾妻山が眺められる。
いくつかの瘤を越えると、杉の植林の尾根上の一直線の急登となり、527.8m三角点につく。やまの町桐生の穴切峠の記事で、穴切山ではないか、とされているピークだ。木立にR.K氏の標高標識が掛かり、樹林に囲まれてスッキリした展望はない。
ここから三角山に向かって、冬枯れの明るい雑木林の尾根を歩く。意外とアップダウンが多く、変化に富む。松の幼樹の生えたピークから名の通りの山容の三角山を望む。大きく下ったのち、痩せ尾根を辿って登り返す。
杉の植林に入り、急坂を登って赤雪山〜仙人ヶ岳の縦走路に出る。縦走路を右に辿り、急坂をもう一段登ると、「←仙人ヶ岳1.3km 赤雪山2.9km→」の立派な道標が立つ。三角山の頂上はこの道標のすぐ奥である。密な杉林に囲まれて狭苦しいので、休憩は次の神楽場にしよう。
縦走路を赤雪山の方へ辿ると、ほどなく岩場の瘤があり、その上に石祠が祀られている。ここが神楽場だ。桐生山野研究会の「仙人ケ岳周辺の山」の記事によると、晴れた日には天狗が集まって笙を吹き、鼓を打って舞うという言い伝えがあるそうな。石祠には「中沢家 大正拾三年七月吉日」と刻まれている。
そろそろ正午なので、ここで昼食とする。もやし入りラーメンと作ろうとして、ザックからガソリンストーブを取り出したら、ガーン、燃料ボトルがない。出発前に燃料を満タンにしたのに、ザックに入れ忘れたった(^^;)。まあ、今日は軽い山歩きで腹はさほど減っていないので、鯖缶とクッキーで十分だったが、冬山だったら大事だった。
昼食を適当に済ませた後、縦走路を先に進む。要所に道標があって、整備されたハイキングコースになっている。次の原仁田の頭は意外と顕著なピークで、急坂を登り、小さなピークを一つ越えてその頂上に着く。
ここで赤雪山への縦走路から分かれて、穴切峠に向かう北尾根に入る。最初は痩せ尾根の急降下だが、すぐにゆったりと広い尾根となる。
尾根を緩く下ると、右側が広大に伐採された斜面となり、展望が開ける。正面(北)には野峰、丸岩岳、奈良部山がいずれも根張りの大きな山容で鼎立し、なんとか三山(Mさん曰く、丸岩三山)とでも呼びたい様な、なかなかの眺めである。その右には安蘇山塊の山並みが広がる。特徴のないスカイラインが続く中、突とした多高山と、その左奥の大鳥屋山と岳ノ山が目立っている。
意外な大展望を楽しんだのち、杉の植林の中を下ると穴切峠に着く。常緑の木立の下に赤鳥居と石祠が祀られている。
ここから左(西面)の穴切川に向かって下る。最初はかつての峠道らしい明瞭な山道を下るが、作業道に出ると、その先は山林内に縦横に作業道が拓かれており、旧道を見出して辿ることは難しい。
途中に三体の石仏があるとのことで、以前来て見たことがあるMさんの案内で枝尾根上の作業道を下ると、ありました石仏三体。やまの町桐生の「穴切峠〜高戸山」や偏平足さんの「石仏372高戸山(群馬)」の記事によると、地蔵菩薩二体と如意輪観音で、女性の墓塔ではないかとのこと。
この下にはさらに百庚申の石碑があるはずだが、事前のリサーチ不足がたたり、探しても見つからない。残念。沢に降りて林道に出ると「仙牛大和尚」の墓石がある。穴切川沿いに林道を下ると、右岸は伐採されて以前と様子が一変し、明るい斜面が開ける。伐採斜面の始まり辺りに二体の首なし地蔵がある。これは前回ここに来た時も見ている。
穴切川にかかる小滝を眺めながら林道を辿る。鏡餅やミカン、酒など正月のもの一式がお供えされた石祠の前を通り、程なく車を置いた穴切の集落に帰り着いた。