黒檜山〜駒ヶ岳(赤城)

天気:のち
メンバー:M,T
行程:北登山口 9:10 …黒檜山(1828m) 10:45〜12:00 …駒ヶ岳(1685m) 12:55 …大洞 13:55 …北登山口 14:15
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

今シーズン最初の雪山歩きは赤城山へ。黒檜山から小黒檜山を回る計画を立てて出かけましたが、ふかふかの深雪のため小黒檜山は断念し、黒檜山から駒ヶ岳を回って来ました。

当日の朝5時半、目を覚まして外を見ると、夜半に降った雪が薄らと積もっている。自宅を車で出発し、Mさん宅に向かう途中の桐生市街の道路にも雪が凍り付き、行き交う車に磨かれて、スタッドレスを履いていてもツルンツルンに滑る。これは赤城山の上まで車で上がれるかなあ。

Mさんを乗せて、比較的雪が少ないR50を経由し、赤城道路を登り始める。赤城山の山懐に入ると、まだ地吹雪が舞う天気で、時折前が全く見えなくなる。しかし、新雪の路面の方が却ってスタッドレスが効く。そろそろと慎重に運転し、首尾よく黒檜山の北登山口まで車で入ることが出来た。

今日は早く着いたせいか、それとも天気のせいか、北登山口の駐車場に他の車はない。天気は回復傾向だが、まだ細かく雪が降っている。今回、雪山装備のうち、ニット帽、ニット手袋、オーバーパンツ(モンベルSHDBRインシュレーテッドパンツ)、ついでにテルモス(山専ボトル0.5ℓ)を新調した。オーバーパンツの下はフリース地の薄手のインナーだが、これで寒さを感じない。防寒性は十分のようだ。

出発準備をしているうちに、単独行の登山者が先行し、車ももう一台やってきた。ワカンと、念のためにアイゼンを携行し、つぼ足で登り始める(アイゼンは結局、未使用)。

先行者の足跡を辿って、ふかふかの雪道を登る。15分程で猫岩の上に出る。大沼を見おろすビューポイントだが、降雪のため、全面凍結した湖面がぼやーっと見えるだけだ。

北登山口
猫岩から大沼を俯瞰

先行者に追い付き、前後しながら登る。雪で夏道が分からないところは稜線上を進む。雪は吹き溜まりで1mくらい積もっているだろうか。登り着いた頂上には、既に三人の登山者が居る。ようやく青空が覗き始めて、花見ヶ原への緩い尾根が見おろせる。あちらからスノーシューで登ったこともある(山行記録)が、今日はそのときより格段に雪が深い。

新雪を登る
頂上稜線を仰ぐ
頂上直下の登り
黒檜山頂上

頂上から先、北の展望台へはトレースがない。ワカンを履いて展望台に向かう。さらさらの雪が深く積もり、時々踏み抜くと膝上まで潜る。雪雲に遮られて展望台からの遠望はないが、大沼や鈴ヶ岳、それに目指す小黒檜山が眺められる。小黒檜山は意外と遠くて下の方に見える。展望を楽しんでいるうちに、トレースを辿って登山者が2人やって来た。

この深雪で、小黒檜山まで行けるだろうか。試しにちょっと下ってみたが、深い所は股まで潜る。冬山エキスパートのMさんは行く気満々だったが、雪が深過ぎるので、小黒檜山は断念する。もう少し雪が締まってから、再チャレンジすることにしよう。展望台に戻って昼食とする。今日は軽食で、私はパンとテルモスのホットココアを摂る。

北の展望台に向かう
展望台から小黒檜山を望む

下山は駒ヶ岳を回って行くことにする。こちらのコースもトレースが薄いので、ワカンをそのまま履いて行く。黒檜山大神で写真を撮っていると、大きなザックにワカンをぶら下げた重装備の子供とそのお父さんが、つぼ足で結構な速さで駒ヶ岳の方へ下って行った。その後をついて、我々も下る。足元から崩れる雪の急坂だが、下りは楽だ。ここを登ったら大変だろうな。駒ヶ岳や地蔵岳、大沼を眺めながら快適に下る。

黒檜山大神
駒ヶ岳(左)と地蔵岳を望む

大タルミで一休みの親子に追い付いて、速いですねー、と声を掛けて先に進み、トレースのない雪の緩い稜線を登る。駒ヶ岳の頂上に登り着く頃にはさらに青空が広がって、桐生方面の展望が開ける。山麓にも白く雪が積もり、いい眺めだ。

大タルミから黒檜山を振り返る
駒ヶ岳へ緩く登る
駒ヶ岳頂上から地蔵岳(右)
駒ヶ岳頂上から桐生方面の展望

駒ヶ岳頂上からしばらく、稜線の左側に雪庇が続く。その下は絶壁なので注意。振り返ると雪稜の先に駒ヶ岳と黒檜山が聳え、桐生近郊の山とは思えない雪山らしい眺めだ。稜線から山腹への下り口の雪の小平地では、5、6人のグループが宴会中だった。こういう楽しみ方も良いなあ。

ここでワカンを外し、大洞へジグザグに下る。標高が低くなるにしたがって雪が少なくなり、凍結している個所があるので注意して下る。

黒檜山(左)と駒ヶ岳を振り返る
大沼湖畔大洞への下り道

大洞に下り着くと、青空の中に白い黒檜山がくっきりと聳えている。今シーズン初雪山は、雪が多くてなかなか面白かった。小黒檜山は今後のお楽しみということで。凍結した大沼の閑散とした湖面を眺めながら車道を歩き、北登山口まで戻る。

車に戻り着いて、さて、ドアを開けようとしたら、キーレスエントリーがうんともすんとも反応せず開かない。どうも発信器側の電池が寒さでへたったらしい。一時はどうなるかと焦ったが、暖めたら電池が復活してドアが開き、事なきを得た。しかし、こういうこともあるとは、対策が必要だな。

大洞から黒檜山を仰ぐ
地蔵岳と凍結した大沼

帰路の赤城道路も雪道で、慎重に下る。箕輪を通りかかったところ、姫百合駐車場に多数の消防車、救急車、パトカーが集結している。何事だろう。帰ってからニュース等で知ったところによると、携帯からの「斜面を滑落した」という通報を最後に連絡が取れなくなった登山者があり、その捜索に多数来ていたらしい。翌日、無事発見されたとの報道があり、大事に至らなかったのは何よりだった。