明神ヶ岳

天気:一時
メンバー:M,T
行程:一ツ石バス停 6:30 …1192m標高点 7:50 …湯西明神(1574m) 9:35 …明神ヶ岳(1595m) 10:15〜11:05 …湯西明神 11:45 …一ツ石バス停 13:45
ルート地図 GPSのログ(赤:往路、青:復路)を地理院地図に重ねて表示します。

鬼怒川上流域の山々は、桐生からのアプローチが少々遠いこともあって訪れる機会が少なく、私が登ったことがあるのは日光連山を除けば片手で足りる程しかない。今回はMさんの立案で、この山域の中央に位置して独立山塊を成す明神ヶ岳に登って来ました。

計画では東麓の一ツ石の集落から道の無い長い尾根を登り、湯西明神を経て明神ヶ岳を往復するルートをとる。登りに4〜5時間かかることを見込んで、桐生を未明の4時に車で出発。行きは北関東道、東北道、日光道を経由して時間短縮を図る。鬼怒川、川治の温泉街を通り抜け、五十里(いかり)湖畔を走って、湯西川温泉への県道に入る。この道は、以前は湯西川の流れに沿って曲がりくねって走っていたが、湯西川ダムの建設に伴い付替道路が完成し、山腹をトンネルでぶち抜く直線的な道になっていた。また、ダム湖も満々と水を貯めていて、一ツ石の集落は既に水没していた。後日調べると、昨年11月30日に試験湛水が開始されたらしい。

予定の登り口付近の様子が一変していてまごついたが、一ツ石バス停脇の工事中のスペースに車を置く。周囲の山を見渡すと雪は全く見えない。Mさんと、ワカンは必要か、わかんないねー、などといつもの駄洒落を飛ばしつつ、頂上付近では残雪があると予想して、ワカン、ストック、スパッツは一応携行することにする(ワカンは結局使わなかった)。

擁壁の切れ目から山腹を登り始める。踏み跡やマーキングは一切ない。雪山装備で荷物が重いところにいきなりの急登で、すぐに息が上がる。

一ツ石バス停の駐車スペース
奥の擁壁の切れ目から入山
急峻な山腹を登る

やがて小尾根の上に出る。尾根上も踏み跡はなく、低木の藪の隙間をすり抜けて急登する。ザックのサイドに取り付けたストックがしばしば枝に引っかかって、鬱陶しいこと夥しい。1192m標高点まではひたすら我慢の登り。藪の薄い個所で振り返ると、ダム湖の湖面が既に遥か下になっているのが励みだ。

小尾根上の低木の藪
湯西川ダム湖を俯瞰

1192m標高点でメインの尾根に乗る。下からモノラックの軌道が延びて来ており、尾根上にずっと続いている。この軌道はどこから来ているのだろう。残雪が出て来たので、ここでスパッツを付け、軌道に沿って尾根を登る。

1192m標高点付近
モノラックの軌道が現れる
ガスが切れて北面の展望が開ける

尾根上には低いササ原に疎らにブナが生えて、ようやく気分良い山歩きとなる。北側のガスが晴れて青空が広がり始めた。見おろすフリウギ沢の谷は深くて大きく、ちょっと南アっぽいスケール感がある。モノラックの軌道が終点となると、尾根は少し傾斜を増す。一段上がって1383m標高点付近まで来ると、行く手に湯西明神らしい高いピークが見える。先はまだまだ遠い。

モノラックの軌道終点
帝釈山脈の山を遠望
ササと疎林の尾根を登る
奥に湯西明神を望む

黒木やシャクナゲに覆われた痩せ尾根を通過すると、残雪の量が少し増える。ストックを突いて雪の上を歩くのは快適だ。時々踏み抜くが、回数はまだ少ない。

シャクナゲのある痩せ尾根
湯西明神への登り

左手に見える明神ヶ岳が同じくらいの高さとなると、やがて湯西明神の頂上に着く。頂上は平坦で細長く、どこが最高点か判りにくい。Mさんによると、かつては湯西の里人が木製の祠を祀っていたとの話があるそうだ。少し探したが、朽ちてしまったのか、見つからなかった。

湯西明神頂上付近
残雪が続く区間は快適

湯西明神から明神ヶ岳へは、まず鞍部へ下り、登り返していくつかピークを越えなければならない。これまでの登りでだいぶ疲れた身には応える(^^;)。しかし、稜線のところどころからは周囲の展望が開け、すっかり広がった青空の下、残雪輝く日光連山や帝釈山脈が眺められる。展望を励みに最後のひと踏ん張りで、明神ヶ岳の頂上に登り着いた。

鞍部への下り
遠景は日光連山
明神ヶ岳(奥)を望む
台倉高山、帝釈山、田代山を遠望
女峰山、太郎山を遠望

山頂は疎らな樹林に囲まれて低いササ原が広がる。展望は木立を透かして得られるのみだ。西側の滝倉沢登山口からの道と、南側の日向明神への稜線にはテープのマーキングがあるが、どちらもササ原の中に踏み跡があるかなしかのルートだ。

ササ原に腰を下ろして、Mさん差し入れの缶ビールで乾杯。お湯を沸かしてスープを作る。今日は天気が心配だったので、昼食は手軽に済ませられるパンだ。しかし、そんな心配は外れて、陽射しが強くて暑いくらいだ。

明神ヶ岳頂上
頂上の山名標

下山は往路を戻る。ガスが流れて来たと思ったら、あっと言う間に尾根は灰色の厚い霧の中に閉ざされて、頂上での陽射しが噓のように寒くなった。山の天気は変わり易い。途中でぽつぽつと雨粒が落ちたが、幸い本降りにはならなかった。1192m峰からはGPSの往路のログを頼りに急降下。無事、駐車地点に降り着いた。

帰りは道の駅湯西川のに立ち寄る(500円)。硫黄の香りのする天然温泉で、なかなか気に入った。こちら方面の山に来た時は利用価値大だ。ゆっくり浸かって疲れを癒した後、日光、足尾経由で桐生に帰った。