古賀志山
前日の土曜日は、奈良部山〜丸岩岳に登った。翌日の日曜日も天気が良さそうなので、どこかに登ろうかな。
連荘なので軽い山歩きにして、低山ながらも岩山なので、以前から興味があった古賀志山に登ることにする。桐生からは微妙に遠くて、これまで行く機会がなかった山だ。しかし、北関東道が全線開通してアクセスが楽になった。大震災直後の3月19日にひっそりと開通した北関東道・太田桐生IC〜佐野田沼IC間を初ドライブしてみようと思ったことも、古賀志山を選んだ理由の一つだ。
太田桐生ICから北関東道に乗り、足利辺りの山の中を走って、岩船JCTで東北道に入る。こりゃ早いや。東北道を宇都宮ICで降りて、登山口の宇都宮市森林公園に向かう。
森林公園は、赤川ダムを中心として、キャンプ場、バーベキュー場、公園など野外活動の施設が整備されている。宇都宮市民の憩いの場らしく、赤川ダム下の駐車場(無料、300台)は車でほぼいっぱいだ。付近には散歩する人、ジョギングする人、サイクリングする人、そしてハイキングする人が多数。駐車場の一角に車を置いて出発する。
今日の予定は、古賀志山の一番ポピュラーなルートで、北コースから南コースを周回するというもの。車道の坂を上って赤川ダムの堰堤上に出ると、古賀志山が紅葉に縁どられた湖面に影を映して聳えている。スケールは小振りだが、なかなか尖った山容で絵になる景観だ。
湖畔沿いに歩くと車道脇にバーベキュー場があり、どこぞのグループが宴会の準備中。テンコ盛りの肉と野菜がうまそ〜。「←古賀志山 細野ダム→」いう道標のある分岐は左へ(実はうっかり間違えた)。木橋で沢を渡り、岩壁を連ねた枝尾根を右手に見上げて北コースの登山道に入る。古賀志山へのメインルートなので、前後を歩くハイカーさんが多い。沢沿いの幅広い登山道を緩く登っていくと水場があり、道の脇のパイプから滾々と湧き出ている。冷たくて美味しい。
さらに沢沿いに登るとベンチのある広場に着き、右に中尾根コースが分岐する。北コースは左へ。傾斜が急になり、門のように聳える岩壁の間をジグザグに登ると、富士見峠に着く。ベンチがあり、ハイカーさんが多数休憩している。
稜線を左に辿ると、東稜見晴し台への分岐がある。見晴し台からの展望に期待して、立ち寄ってみる。露岩が庭園の様に並ぶ枝尾根を僅かに進むと、見晴しの良い岩場に出る。ベンチもあり、休憩にピッタリだ。肝心の展望は靄がかかって、残念ながら遠望は得られないが、山麓が一望できて高度感があり、なかなかの眺めだ。隣を見ると、電波塔が立つピークがある。あれが古賀志山の三角点峰らしい。
分岐まで戻り、ほんの一登りすると電波塔の立つ古賀志山頂上に着く。杉林に囲まれて展望に乏しいが、ベンチがあって休憩するハイカーさんで大賑わい。山名標を囲んで記念撮影するグループが絶えない。落ち着ける雰囲気ではないので、ペットボトルのお茶を一口飲んだら先に進むとしますか。
露岩の多い尾根を下ると、左に南コースが分岐する。帰りはこれを下る予定だ。さらに稜線を辿ると、鳥居と土台だけの神社がある。本殿はどこに行っちゃったのかな。鞍部に下って左に不動の滝への道を分ける。稜線上の岩場を短い梯子で越えると、御岳の頂上に着いた。
御岳頂上には、岩場の上に石祠が祀られている。北面の展望が開けて、安蘇山塊と日光連山が一望できる。また、振り返ると岩場を抱いた古賀志山が見える。頂上にはいくつかベンチがあり、ここも昼食中のハイカーさんでいっぱい。空いた所を使わせて貰って、私もラーメンの昼食にする。古賀志山の三角点峰より手狭だが、展望が格段に良いので、休憩するならこちらがお勧めだ。
ゆっくり休んだのち、稜線を少し戻って南コースを下る。杉林の急な斜面に木の階段がずっと続いている。別名を階段コースと呼ぶらしい。途中に「←階段コース 直登コース↑※岩場あり」という道標があった。直登コースも、なかなか面白そうだ。
さらに階段を下ると舗装された車道に出る。この車道は、一般車通行止めになっている。車道を横断して直進する方向には「坊主山 200M→」の道標がある。森林公園へは左折して、古賀志山を見上げながら車道をテレテレ歩く。
車道から道標に従って再び山道に入る。山麓の緩やかな尾根をゆるゆると下る道で、こういう道を散歩気分でのんびり歩くのも良い。最後は、赤川ダム左岸の管理センターの裏手に降り着く。ここは宿泊も可能なようで、荷物を抱えた大学生らしいグループが送迎バスに乗り込むところだった。赤川ダムの堰堤を渡り、もう一度、湖面の向こうに聳える古賀志山を眺めて、駐車場に戻った。
帰りは、ろまんちっく村の湯処あぐりに立ち寄る。ろまんちっく村も大勢の観光客で賑わっていたが、温泉の方はゆったり入れる。露天風呂に浸かったのち、東北道、北関東道を使って(復路も早い)桐生に帰った。