竜ヶ岳
この週末も、群馬300山を参考にしての山歩き。烏川源流の竜ヶ岳にMさんと登って来ました。
桐生を朝7時に車で発ち、北関東道・太田藪塚IC〜高崎IC、R406を経由して、登山口の倉渕町新開に向かう。今日は、予報では晴れと出ていたが、黄砂のため高曇りの天気だ。倉渕ダムの付け替え道路(ダム本体は今年3月に建設中止が決まった)を走ると、滑川林道が右に分岐する。この林道入口が竜ヶ岳と笹塒山(ささどややま)の登山口で、「笹塒山のヒカリゴケ及びウサギコウモリ生息洞穴→3km」という道標がある。林道入口にある倉渕ダム現場事務所(既に閉鎖)の正門前のスペースに車を置く。烏川を隔てた対岸の山の紅葉が見頃で、ドライブの人も車を停めて観賞している。
滑川林道の入口にはゲートがあり、開いてないと思ったが、後日ネットで得た情報によると、実は開けられる?らしい。まあ、静かな林道なので、ところどころの雑木林の紅葉を見ながら、のんびり歩くのも悪くない。
笹塒山への林道を右に分け、洞穴まで2.7kmの道標に従って左に進む。ナメが綺麗な沢を鷹の巣橋で渡って10分程進むと、行く手にこんもりと盛り上がった竜ヶ岳が眺められる。急峻な山肌と岩壁を巡らしてなかなか高く聳えており、意外と登り応えがありそうだ。わくわく。
ゲートから歩いて50分程で、登山道の入口に着く。洞穴まで880mの道標がある。杉林の中の山道を辿ると、小さな沢を渡って小尾根の鼻を回り、右隣りの沢に入る。この沢の右側の斜面は、疎らな雑木林の中に火山由来の大きな露岩が点在し、公園の中を散歩しているような良い雰囲気だ。
群馬県指定天然記念物「笹塒山のヒカリゴケ及びウサギコウモリ生息洞穴」は、山腹の大岩の下に幅6m、高さ50cm程の入口を開けている。入口は狭いが、説明板によると、洞穴の内部は奥行き約12m、幅約15m、高さ2m前後の広さがあるとのこと。洞穴を囲う鉄格子の間から中を覗き込むと、ヒカリゴケが微かに金緑色の光を放っていた。ウサギコウモリは冬期は他所に移動していて、今は洞穴にいない。
登山道は洞穴を過ぎて涸れ沢の中を進み、すぐに右側の斜面に取り付いて小尾根の上に出る。尾根上の道は、やがて竜ヶ岳北峰直下の急な山腹をジクザグに登る道となる。ここを十八曲がりと呼ぶそうな。ジグザグは標高差約150m続く。
十八曲がりを登り切ると、左に小さな谷を見おろして笹原をトラバースする。谷の源頭の笹原を急登すると稜線に出て、あとは少しの緩い登りで竜ヶ岳頂上に着く。
頂上はそこそこ広いが、樹林に囲まれて展望はない。石祠、朽ちかけた道標、三角点標石がある。枯れ草原に腰を下ろして、缶ビールで乾杯。昼食はお湯を沸かして、鍋焼きうどんを作る。
昼食後、時間に余裕があるので、笹塒山への縦走を企てる。北峰へは稜線上の笹原を進む。北峰を越えると痩せ尾根を下る微かな踏み跡があり、目印のテープも散見される。しかし、地形図上で等高線が密な個所に到達すると、現地は断崖絶壁で、下降は困難だ。悔しいけれど無理は禁物。笹塒山登頂は次の機会にして、今日は往路を素直に下山する。
帰りは権田にあるMさんお勧めの牧野酒造に立ち寄って、大盃(おおさかずき)の純米吟醸酒をお土産に買う。その後、相間川♨ふれあい館の温泉に入る(高崎市民以外は500円)。静かな山間にあって心休まる環境、温泉も鉄錆臭のする塩分の濃い泉質で、なかなか良いお湯でした。