角間山〜湯ノ丸山

天気:
メンバー:M,T
行程:鹿沢温泉 8:25 …角間峠 9:15 …角間山(1981m) 9:55〜10:20 …角間峠 10:45 …湯の丸山北峰(2099m) 11:45〜12:20 …湯ノ丸山(2101m) 12:35 …鐘分岐 13:10 …東屋 13:55 …鹿沢温泉 14:30
ルート地図 GPSのログを地理院地図に重ねて表示します。

この週末はMさんと1泊2日で沢登りに出かける計画を立てていたのだが、土曜日はともかく日曜日は天気が悪そう。沢登りは断念し、土曜日に晴れ間が出そうな東信方面へ日帰りハイキングに出かけることにする。鹿沢温泉を起点に角間山(かくまやま)と湯ノ丸山を周回することにして、桐生を車で出発した。湯ノ丸山は初夏のレンゲツツジが有名だが、まだ咲いているかな?

上信越道を東部湯の丸ICで降り、県道東御嬬恋線を走って地蔵峠を越える。この道は、かつて湯治で栄えた鹿沢温泉へ湯客が辿った道で、道筋には一番から順に道しるべの観音像が祀られ、終点の鹿沢温泉紅葉館の横に百番道しるべ観音がある。

紅葉館の駐車場の隅っこに車を置かせて貰ったが、少し地蔵峠寄りにハイカー用の広い駐車場があるので、そちらに置く方が良さげ。湯ノ丸山、角間山の登山口もハイカー用駐車場のすぐ前にある。

鹿沢温泉紅葉館
百番道しるべ観音

登山口からダケカンバやカラマツなどの樹林に入り、沢沿いの作業道を緩く登る。「カクマ入口」という道標にしたがって左に折れると山道となる。林間にはヤマオダマキが点々と咲いている。この時期に咲く花の中で、好きな花の一つだ。

ヤマオダマキ
角間峠への道

九十番観音への山道を左に分けると、緩斜面を斜上する道となる。レンゲツツジの株が点在するが、花はほとんど終わっている。ところどころからゆったりと稜線を広げる湯ノ丸山が見える。頂上付近だけが草原で、その他は緑濃く樹林に覆われている。

やがて笹原が広がる角間峠に到着する。立派な東屋で一休み。日差しが強く暑いので、屋根の下の日陰で涼めるのはありがたい。腕がひりひりして、今日は日焼けしそうだ。

かつては角間峠から角間渓谷を経て角間温泉へ下る道があったそうだが、土砂崩れのため現在は通行不能になっている。降り口には通行止の看板があり、ロープが張られた先は深い笹藪に覆われていた。このコースは一度歩いて見たかったなあ。もう廃道扱いのようで、電子国土の地形図にも破線は記載されていない。

湯ノ丸山を仰ぐ
東屋のある角間峠

角間峠から角間山を往復する。雨露の付いた笹が被さり足元が濡れるが、天気が良いのですぐに乾くだろう。見晴らしの良い笹原の斜面を斜めに上がって平坦な稜線に出る。この間、ハクサンチドリやハクサンフウロなど、高山の花がちらほら咲いている。

笹原を登る
角間山の頂上はもうすぐ

最後は針葉樹林の中の短い坂を登ると、360度に開けた角間山の頂上に着いた。露岩があり、高山らしい雰囲気がある。Mさんも、かくまで良い山頂だとは思わなかった、などと調子良く駄洒落を飛ばしている(^^)。まずは1本目の缶ビールで乾杯。

北側には広大な嬬恋高原が広がり、遠くには四阿山が見える。残念ながら、四阿山の頂上は雲の中で見えない。角間山から北東に延びる稜線は、一旦下がってから、鍋蓋山でこんもりと持ち上がっている。あそこまで足を延ばすのも面白そうだが、今日は暑いので、またの機会ということで。

角間山頂上
角間山より湯ノ丸山と烏帽子岳(右奥)

往路を角間峠に戻り、群馬・長野県境の稜線を登って湯ノ丸山に向かう。見通しの利かない樹林の中を暫く登ると、笹原が現われて少しずつ展望が得られるようになる。途中には、1971年12月2日の遭難の追悼碑がある。

角間峠から湯ノ丸山に向かう
湯ノ丸山へ尾根を登る

だんだん樹林が疎らになり、笹原や砂礫地の縁にはシャジクソウやタカネニガナなどの花が咲いている。開けた尾根をゆるゆると登ると、岩が積み上がった湯ノ丸山北峰に着いた。360度、眺めは良いし、岩陰に入れば風が避けられるので、ここで昼食にする。ゆで卵と缶詰のサバ味噌煮を肴にして、2本目の缶ビールで乾杯。ラーメンを作って食べる。

湯ノ丸山北峰から篭ノ登山
奥に浅間山を望む
湯ノ丸山北峰から烏帽子岳を望む
シャジクソウ
クロマメノキ

北峰から湯ノ丸山の最高点までは、高山的な稜線を辿って10分ちょっとの距離だ。こちらの頂上は地蔵峠から登って来たハイカーさんで賑わっている。青空がさらに広がって、浅間山や四阿山等の遠い山の頂きも見えて来た。北峰でゆっくり休んだので、一通り遠望を楽しんだのち、すぐに地蔵峠方面に向かって下り始める。

湯ノ丸山頂上
湯ノ丸山から北峰、角間山、鍋蓋山
遠景は四阿山

湯ノ丸山の下りの斜面のレンゲツツジも完全に終わっているが、ハクサンシャクナゲは見頃だ。まだまだ地蔵峠から登って来るハイカーさんとすれ違いながら、岩がごろごろした歩きにくい坂を下って行く。

ハクサンシャクナゲ
湯ノ丸山から地蔵峠に向かって下る

下り着いた所が鐘分岐で、風見鶏を掲げたアーチに鐘が下がっている。ますます強い日差しを避けて木陰で一服し、水を補給する。

カンボク
鐘分岐

ここで地蔵峠への道と分かれて鹿沢温泉への道に入ると、ハイカーさんの数はぐっと少なくなる。草木が生い茂ったほぼ平坦な放牧地(今日は牛はいない)を突っ切って進む。もう少し時期が早ければ、レンゲツツジの群落が見られる所だ。そのかわりにヤマオダマキを鑑賞しながら歩く。

牧場の中を行く
湯ノ丸山を仰ぐ

やがて森林の中に入り、大きくジグザグを切って下ると、開けた平地に出る。後日調べると、1996年頃に営業を終了した国民休暇村鹿沢スキー場の跡地らしい。湯ノ丸山、角間山、座敷山をぐるりと見渡す眺めの良い場所だ。かつてスキー場のロッジがあった辺りに、現在は東屋が建っていて、周囲の草地にはウツボグサが群れて咲いている。

樹林の中を下る
鹿沢スキー場跡から角間山を望む
ウツボグサ
道を間違ってリフト跡を下る

ここから鹿沢温泉へ下る際、道を間違える。尾根上の山道(あとから考えると、リフトを撤去した跡でした)を辿ると鉄条網に突き当たり、それに沿って進むと道が怪しくなり、急降下して沢に出た。ここでようやくGPSで現在地を確認。行きに通った登山道が近いことが判ったのでファイト一発、強行突破。沢を渡り鉄条網を乗り越え藪を漕いで、なんとか道に出て、鹿沢温泉に辿り着いた。

車に荷物を置き、早速、紅葉館の温泉でたっぷりかいた汗を流す。腕には日焼けで腕時計の跡がくっきり付いていた。この温泉は、浴室が狭いのが珠に傷だが、泉質は源泉掛け流しで鉄錆臭く、素晴らしい。風呂の後は地蔵峠に立ち寄り、名物のソフトクリーム(私はすりおろしリンゴをチョイス。 これはうまーい)を食べて、帰途についた。